日本のガスハイドレート研究の歩み

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ISBN978-4-8190-3210-0

日本のガスハイドレート研究の歩み

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~黎明期から最先端まで~

本書は2000年に日本エネルギー学会 天然ガス部会でメタンハイドレート研究会が設立されてから、現在のガスハイドレート研究会へとつづく約20年にわたる活動の成果としてまとめられました。2000年当時はまだメタンハイドレートの知名度も低く、日本でも限られた数の研究者の研究対象にすぎませんでしたが、「燃える氷」という不思議な物質が天然ガス資源になりうるかどうかを考えるうえで、分野を越えた研究者間の情報交流の場が必要でした。本書は、黎明期を支えた先達の思い出から、現在活躍中の研究開発者たちのホットな話題まで、「日本のガスハイドレート研究の今昔」が濃縮されています。

A4判 220ページ
2020.9.30

著者 (一社)日本エネルギー学会 天然ガス部会 資源分科会 GH 研究会
編集委員会
委員長 内田 努 (北海道大学)
編集幹事 竹谷 敏 (産業技術総合研究所)
編集委員 谷 篤史 (神戸大学)、川村 太郎 (エネルギー総合工学研究所)、木田 真人 (北見工業大学)、加藤 寿仁 (三井 E&S ホールディングス)、大島 基 (産業技術総合研究所)

■目次■
第1章 ガスハイドレート研究の時間軸とGH研究会の歩み
/内田努・佐藤幹夫

第2章 ガスハイドレート研究の最前線

 2.1節 ガスハイドレートの基礎
 2.1.1 ガスハイドレートとその他の包接水和物/竹谷敏
 2.1.2 ガスハイドレートの分光分析/竹家啓
 2.1.3 ガスハイドレートの相平衡関係とゲスト分子のケージ占有性/菅原武
 
2.2節 自然界に存在するガスハイドレート
 2.2.1 天然ガスハイドレートの地球化学的調査
  ―ゲストガス安定同位体比がもたらす情報―/八久保晶弘
 2.2.2 生物とガスハイドレート/内田努
 2.3節 ガスハイドレートの資源開発と回収技術
 2.3.1 日本のメタンハイドレート開発研究/長久保定雄
 2.3.2 海底堆積物中でのガスハイドレートの
  生成・分解モデルとその応用/佐藤徹
 2.3.3 CO2を用いるメタンハイドレートの増進回収
  ―CO2/水エマルションの利用―/池川洋二郎
 2.3.4 自治体からのメタンハイドレート開発/桒将倫

2.4節 ガスハイドレート利用の展開
 2.4.1 ガスハイドレートを用いた分離・濃縮技術/室町実大
 2.4.2 クラスレートハイドレートの熱利用/大島基
 2.4.3 メタンハイドレートの資源開発プロジェクトおよび
  クラスレートハイドレートの研究開発動向/大西博子・木田真人・川村太郎

第3章 日本のガスハイドレート研究の黎明期

3.1節 黎明期のガスハイドレート研究者たち/内田努

3.2節 自然科学におけるガスハイドレート
 3.2.1 空気ハイドレートの発見/庄子仁
 3.2.2 「偶然は必然に通ず」/本堂武夫
 3.2.3 高圧ガスハイドレート:単結晶による相転移と
  ケージ占有性の研究/清水宏晏
 3.2.4 van der Waals & Platteeuw理論とその後の展開について/田中秀樹

3.3節 CCSとCO2ハイドレートによる海洋貯留
 3.3.1 CCSとCO2 hydrate/大隅多加志
 3.3.2 「しんかい6500」によるCO2 hydrate実験/本多牧生
 3.3.3 CO2ハイドレートの摩訶不思議な姿に魅せられて/綾威雄
 3.3.4 二酸化炭素ハイドレートの実験的研究/駒井武

3.4節 資源としてのガスハイドレート
 3.4.1 メタンハイドレートのフィールド産出試験/山本晃司
 3.4.2 マリック陸上産出試験 第一冬の地質関連作業で学んだこと/藤井哲哉
 3.4.3 メタンハイドレートの分解・生産挙動予測シミュレータの開発/栗原正典
 3.4.4 メタンハイドレート胚胎砂の力学的性質に関する研究/兵動正幸

3.5節 ガスハイドレート利用の技術開発
 3.5.1 MH研究会発足頃のハイドレート研究と
  海外共同研究について/奥田誠
 3.5.2 メタンハイドレート調査研究の思い出/寺崎太二郎
 3.5.3 日本のガスハイドレート地球科学黎明期の回想/松林修
 3.5.4 資源環境技術総合研究所における
  1990年代のメタンハイドレート研究/小林秀男
 3.5.5 北海道工業技術研究所、産業技術総合研究所における
  メタンハイドレート研究/成田英夫
 3.5.6 或るガス会社社員のハイドレート研究遍歴/奥井智治
 3.5.7 ハイドレートによる天然ガス輸送技術開発
  ―世界初のハイドレートペレット輸送試験―/内田和男・渡邊茂
 3.5.8 ハイドレートによる天然ガス輸送技術開発
  ―大型装置設計のためのモデル化検討―/佐野健一
 3.5.9 ハイドレートによる天然ガス輸送技術開発
  ―ビーカー試験からプラント実験へ―/神田伸靖
 3.5.10 クリーンな環境とエネルギーを求めて:
  MH研究会設立に関わった重工長大企業の一技術者の想い出/吉川孝三

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