■解説
○単一物体写真からのドット絵風画像生成手法/東京工業大学/鈴木和明・齋藤 豪・張 英夏・中島 正之/東京工科大学/近藤邦雄
ドット絵風画像を生成するために、Canny edgedetector に対する変更と輪郭線を保護しつつ縮小する手法の提案を行った。この2つを用いて輪郭線が付加された小さな画像(ドット絵)を生成した。
○可視光通信プロジェクタと高速度カメラを用いたユビキタス情報環境の基礎検討/東京大学/木村 翔・高橋桂太/苗村 健/慶應義塾大学/筧 康明
普通の映像の中に眼に見えないメタ情報を埋め込む特殊なプロジェクタを開発した。この記事では、その映像を高速度カメラで撮影し、可視映像上にメタ情報を重畳して表示できる技術を紹介する。
顔表情を対象とした感情特徴空間の生成/秋田県立大学/石井 雅樹/秋田大学/西田 眞
表情(物理的変化量)と感情(心理的変化量)の対応関係を定期的に表現する個人固有の感情特徴空間(感情空間マップ)の生成手法について紹介する。
乳児の顔認知能力の発達と脳活動/自然科学研究機構生理学研究所/仲渡江美・柿木隆介/中央大学/市川寛子・山口真美
本稿では、乳児の顔認知能力の発達に関して、行動実験や、現在盛んに行われている近赤外分光法(NIRS)による脳活動計測実験の知見について紹介する。
顔画像の年齢印象操作/北海道情報大学/向田 茂
年齢知覚に関わる要素には、顔パーツの配置を含む形状やシミ、シワ、肌のキメ、髪の毛の状態などさまざまな要素が考えられる。ここでは、それらの要素を操作し、見かけの年齢を変える画像処理手法を紹介する。
○濃度微分特徴量ヒストグラムに基づく画像のコントラスト改善/岐阜大学/斉藤文彦・東 佑馬
画像撮影の際、条件によってはコントラストが不良となることがある。そうした場合、ソフトウェアによる改善処理が有効だが、従来の手法では充分な効果が得られない場合がある。本論文では、画像の空間的情報として、濃度微分値および濃度微分勾配を用いたコントラスト改善法を提案する。
分割したインタレース画像を用いた瞬目自動計測/関東学院大学/阿部清彦/東京電機大学/大山 実・大井尚一
瞬目を計測し、意識低下などとの関係を明らかにする研究がさかんに行われている。筆者らは瞬目を撮影したインタレース画像を走査線の位置によって分割し、計測の時間分解能を二倍にする手法を開発した。
江戸時代の京都の町並み景観を再現する/立命館大学/磯田 弦・小阪佳宏・塚本章宏・澤井雅和・仲田 晋・田中 覚
江戸時代の京都の町並み景観を再現するために、古地図を電子化した歴史GIS データの各レコードを読み、対応する3 次元モデルを自動生成するプログラムを開発し、洛中全域の3 次元都市モデルを作成した。
専用計算機と高精細液晶ディスプレイによる一体型電子ホログラフィシステム/千葉大学/伊藤智義
我々の研究室では計算機合成ホログラムの生成速度を向上させる専用ハードウェアシステムの研究・開発を行っている。本研究では大規模EPGA を4 チップ搭載した基板、HORN-5 ボードとホログラフィ専用表示ボードを接続した電子ホログラフィシステムを構築し、6000 点で構成される3 次元像を毎秒14 フレームの速さで動画再生することに成功した。
複数の全"位カメラによる人物動線計測技術/東芝/窪田 進・丸山昌之
複数の全方位カメラを、全ての領域を3 方向から観測できるように配置することにより、遮蔽の問題を軽減。背景差分、視体積交差法、パターン認識等の処理手法を互いの短所を補完しあうよう組み合わせることにより、多数の人物が入退出する実環境下でも安定した検出・追跡を実現した。
○文字認識技術を利用した講義動画のスライド同定/東京工業大学/横田治夫 富士通研究所/武部浩明・小澤憲秋・勝山 裕 富士通研究開発中心有限公司/直井 聡
文字認識技術を用いて講義動画とプレゼンテーション資料のスライドを自動的に同期づける技術を紹介する。スライド内の文字配置を類似度とするマッチング方式について述べ、動画とスライドを同定する作業コストの評価実験から本方式の有効性について説明する。
ロバスト性を向上させたナンバープレート認識装置/東芝/櫻井雄介
当社ではロバスト性を向上させたナンバープレート認識装置を開発した。撮像機能についてはプレートの輝度情報をもとに画像を最適化し、画像処理機能についてはプレート領域を推定した後に文字を認識する方法を適用することでロバスト性が向上した。
■話題の製品と技術
高精細3次元データ/朝日航洋/末久博行
当社では空中レーザ計測システムで地形を3次元計測し、独自の解析処理によるライブラリデータを販売している。この度より高精細な3 次元データを追加したので、紹介する。
2000型空間ディスプレイ/臼田総合研究所/臼田 裕
従来、モバイル機器に情報を表示させるには、ディスプレイのサイズに合わせて画像を縮小したり、表示できる情報量に限界があった。「知能センサーシステム」は、携帯電話の2 インチサイズのディスプレイでも2000 インチを超える大画面を表示することが可能になる。
■特集:特殊領域における画像入力関連機器 1
サーモグラフィで温度測定 USB2.0遠赤外線温度監視カメラ/アートレイ/今井信司
ガラス越し・火炎越しなどの赤外分光特性を利用した特殊温度測定について/日本レーザー/青田 恵
(株)アートレイはUSB2.0 インターフェイスを採用した遠赤外線温度監視カメラ(サーモグラフィ)の新製品ARTCAM-640-THERMO およびARTCAM-320-THERMO の特徴を紹介。(株)日本レーザーは2 〜 5 μm短波長赤外線検出型サーモグラフィについて紹介する。
■製品ガイド
○各社のPCI Express製品ガイド
■コラム:マルコーニの彼方へ 106
○マイケル・ジャクソンの死によって想うこと/ヤマネコ
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