独立行政法人日本学術振興会・産学協力研究委員会・将来加工技術第136委員会は創設50周年を記念して
「ハイテク五十年史に学ぶ将来加工技術」を発刊した。同書では、同委員会の歩みを振り返りつつ、加工に係わる研究課題の変遷を俯瞰し、さらに今後の50年を見据えた本委員会の活動ビジョンを著そうとしたものであった。それを受けて、本報告書では、本委員会の期限満了に伴って解散するにあたり、これまでの活動を紹介するだけに留まらず、今後の将来像を展望し、まさに「将来加工技術」について、今後の研究指針を提示することを目指す。
2022年2月28日
◇将来加工技術の展望 目次◇
1.巻頭言
将来加工技術第136委員会最終活動報告書の刊行にあたって/第136委員会委員長/星出敏彦
2.戦後モノづくりの変遷
2.1 戦後日本のモノづくりと将来展望/橋本久義
2.2 モノづくりハイテク五十年史/山本 寛
3.将来加工技術第 136 委員会の歩み
3.1 私の見た「136委員会」/中川威雄
3.2 先端技術の更なる発展に向けて/河西敏雄
3.3 委員会における回顧録と今後に期待すること/松本勝博
3.4 1980年度~2020年度に開催した将来加工技術 第136委員会・研究会等/第136委員会委員長/星出敏彦
3.5 「最先端加工と部品生産技術への応用」/第1部会/池野順一,林 偉民,桐野宙治
3.6 次世代電子・光デバイス創成技術による高度社会の実現/第2部会/工藤一浩
3.7 「先進材料評価による革新的加工技術・先端デバイス開発の促進」/第3部会/宮下幸雄
4. 加工技術の将来展望
4.1 Beyond5G/6Gを見据えた将来加工技術と3大キー・テクノロジー/土肥俊郎
4.2 超精密加工法・加工プロセスとその応用/林 偉民
4.3 砥粒保持性を高めた研磨工具の開発/桐野宙治
4.4 精密・微細加工研究/池野順一,山田洋平
4.5 研削盤における50年間を振り返る/山田高三
4.6 超精密加工(切削)における50年間の技術動向と最新技術/鈴木浩文
4.7 パワー半導体用SiC単結晶ウエハの加工研究/河田研治, 加藤智久
4.8 精密研磨砥石の将来展望/池野順一
5. デバイス技術の将来展望
5.1 フレキシブル有機デバイスの作製技術と将来展望/工藤一浩
5.2 球状粒子加工技術/齋藤明子,羽多野毅
5.3 多点電気化学デバイスの開発/須田篤史
5.4 薄膜ドライプロセス技術の50年と将来展望/山本 寛
5.5 薄膜ウェットプロセス技術の50年と将来展望/加藤景三
5.6 超伝導集積回路作製技術
-ジョセフソン接合を中心とした歴史、現状、将来-/日高睦夫
5.7 パワー半導体の発展:過去から未来へ/大村一郎
6. 材料技術の将来展望
6.1 構造用セラミックスの強度に及ぼす試験片形状の影響に関する評価/星出敏彦
6.2 マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)に関連したポリマー材料とその評価技術/鈴木孝明
6.3 フッ化物溶融塩におけるカチオン構造の解析/磯貝智弘
6.4 ボトムアップによる分子累積薄膜形成とその材料評価/長谷川美貴
6.5 マイクロ・スラリージェット・エロージョン試験による材料評価/宮下幸雄,松原 亨
6.6 超微小硬度計を用いた材料評価技術の動向と最新技術/小川武史
6.7 微粒子ピーニングの開発動向と最近の話題/小茂鳥潤
6.8 高強度材料の創製(鉄鋼材料)における50年間の技術動向と今後の展望/井上忠信
7.巻結言
-将来加工技術第136委員会の発展的解消の経緯と半導体産業からみた将来加工技術―/第136委員会顧問/土肥俊郎