クリーンエネルギー 2026年11月号

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クリーンエネルギー 2026年11月号

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■テクニカルレポート
○メタネーション装置の開発
/三菱化工機(株) 佐藤希
カーボンニュートラル社会に向けた、当社水素製造技術を中心とする技術、製品開発の一環として、メタネーション装置の開発を行った。自社敷地内に実証機を設置し、試験を開始した。

○ガス漏えいを可視化する新技術
/新コスモス電機(株) 安部健
本稿では、レーザー式ガス検知技術とAR(拡張現実)技術を組み合わせ、漏えい情報を作業者の視野内にガス雲として重畳表示するARレーザーガス可視化装置「Laser Gas Visualizer」 について紹介する。

○アンモニアを利用したゼロカーボンエネルギー実証拠点
/岐阜大学 矢川憲利
本稿では、2026年4月に岐阜大学に開設されたアンモニア利用ゼロカーボンエネルギー実証拠点を紹介する。SIP第3期の開発テーマであり、社会実装を見据え、アンモニア改質器の性能評価、改質ガスを燃料とする工業炉・ボイラでの燃焼試験・開発を行っている。

○自己組織化による超分子p/nヘテロ接合の構築と有機太陽電池材料への展開
/大阪公立大学 前田壮志
p型・n型半導体を一体化した単一分子を開発し、自己組織化による超分子p/nヘテロ接合を構築した。ナノ構造の違いが電荷輸送特性を左右することを明らかにし、有機太陽電池材料設計の新たな指針を示した。

○鉄イオンが拓く新しい光触媒反応
/九州大学 松本崇弘
触媒をどこまで単純化できるか。本稿では、「引き算の発想」に基づき、安価で豊富な鉄イオンと光のみを触媒の基本要素として、アルコールやバイオマスから水素を製造する新しい光脱水素反応の可能性を紹介する。

○カーボンナノチューブ電極を用いた両面受光型ペロブスカイト太陽電池の実証実験
/名古屋大学 上岡直樹・大島久純・松尾豊
単層カーボンナノチューブ(SWCNT)薄膜透明電極を用いた100 mm角のペロブスカイト太陽電池モジュールについて、Osaka Metroとの共同実証試験を実施した。その結果、従来の金電極を用いたモジュールを上回る発電量を記録し、両面受光による散乱光の有効利用が実環境において発電性能の向上に寄与する可能性を示した。

○光照射で生じた電子とホットスポットがCO₂をメタンに変える
/千葉大学 佐々木将人・泉康雄
Ru-Ni-ZrO₂光触媒のCO₂光メタン化反応を、実験的手法と理論的手法を組み合わせて精査した。その結果、光照射で生じた電子と加温された金属ナノ粒子表面とが異なる反応の過程を担い、高活性が発現する機構を明らかにした。

○有機薄膜太陽電池における低電圧損失と高効率電荷生成の両立
/広島大学 尾坂格・三木江翼
有機薄膜太陽電池 (OPV) のさらなる高効率化には、電圧損失を低減しながら高効率な電荷生成を実現する必要がある。本稿では、剛直なπ共役骨格を有する半導体ポリマーPTNT1-Fを用いることで、小さな電圧損失と高い電荷生成効率を両立した研究について紹介する。


■エネルギー事情
○EI統計2026年版で見る2025年の世界エネルギー市場動向
/LNG経済研究会 奥田誠
2026年6月30日公表のレポート 「EI統計2026年版」に基づき、2025年までの世界のエネルギー受給関連の実績データを確認し、現状で大きく振れ動いている世界のエネルギー市場の動向を把握する基礎情報としたい。

○国際ガス連盟 (IGU)「世界LNG年報2026年版」報告
/LNG経済研究会 大先一正
2025年は米国主導の大幅なLNG輸出増加の開始年であり、世界のLNG貿易は前年比6.3%増の高い伸びを記録しており、需給緩和により価格は年後半には低下に向かった。2026年に入っても、この傾向は維持されていたが、2月末のイラン戦争の勃発により状況は急変し、国際LNG市場は再び困難な時期を迎えている。


■フィールドレポート
○TAKANAWA GATEWAY CITYのエネルギーシステムについて
/東日本旅客鉄道(株) 小倉大和
/(株)えきまちエナジークリエイト 高橋和也
本稿では、JR東日本グループが目指す、グループ全体のCO₂排出量実質ゼロの実現に向けた先導プロジェクトであるTAKANAWA GATEWAY CITYのエネルギーシステムを紹介する。

○築38年の既築オフィスビルを『ZEB』へ
/西部ガステクノソリューション(株) 市川瞬平
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、建築物分野においても脱炭素化への取り組みが加速している。一方、国内には高度経済成長期以降に建設された既築建築物が数多く存在しており、建築物分野全体のCO₂排出量削減を実現するためには、新築建築物だけでなく既築建築物の省エネルギー化が不可欠である。当社では、38年を経過した本社ビルを対象に、効果的な部位への外皮改修、空調・換気設備の高効率化および空調容量の適正化を行い、太陽光発電設備を組み合わせることで、「ZEB」を達成した。さらに、蓄電池とBEMSを導入し、再生可能エネルギーの有効活用、事業継続性の向上および運用段階における継続的な省エネルギー改善を図っている。本稿では、本社ZEB化プロジェクトの概要とともに、既築建築物における設計思想、設備選定の考え方および今後の展開について紹介する。
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