クリーンエネルギー 2026年9月号

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クリーンエネルギー 2026年9月号

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■テクニカルレポート
○アンモニア専焼による金属熱処理技術の実証
/Daigasエナジー㈱ 北村暁之
当社と豊田自動織機は、アンモニア燃料のみを用いた金属熱処理工程の実証評価試験に成功した。本稿では、実証に向けたバーナ開発と実証評価試験の概要と結果について紹介する。

○お客さま先でのCO₂分離回収に向けた
膜分離装置・物理吸着装置によるシステムの実証試験
/東邦ガス㈱ 森山達也
当社は、NGKおよび日本酸素と提携し、膜分離と物理吸着を組み合わせたCO₂分離回収システムの開発を進めている。実際の燃焼排ガスを用いた製品スケールの実証試験を通じ、産業部門の脱炭素化への貢献を目指す。

○水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機の開発
/川崎重工業㈱ 山下英明・森田祐司・池田光宏
将来の大容量化に対応した水素液化プラント向け遠心式水素圧縮機の開発を行った。本稿では、水素圧縮機特有の課題に対する材料・構造・軸系・空力の統合最適化による解決プロセスと運用を開始した実証試験設備について紹介する。

○大型水電解装置と燃料電池の実稼働下EIS計測技術の開発
/日置電機㈱ 小川良太
近年、脱炭素を指向した水素利活用が着目されるなか、水電解装置の研究開発が進んでいる。当社では大型水電解セルスタック、水電解装置に加え、燃料電池の実稼働下評価を指向した、最大10,000 A対応のEIS計測システムALDAS-Eを開発した。本稿では、ALDASメソッドを用いたEIS測定システムである「ALDAS-E」の開発背景と活用事例を紹介する。

○生産量を落とさず、排出するCO₂を削減する
/㈱シーイーシー 吉川和宏
当社は、製造現場の生産量を維持しながらCO₂削減を実現するため、製造業向けシミュレーションソフトウェア 「RaAP」に「消費電力量シミュレーション機能」を追加した。本稿では、生産性と電力使用を同時に可視化し、データ利活用を通じて設備投資判断やピーク電力抑制を支援するGXの実践策を紹介する。

○メタン発酵消化液から省エネルギーでアンモニアを回収する技術の開発
/木村化工機㈱ 西原裕貴・山川洋亮
アンモニアは肥料や化学工業原料として欠かせない物質であるが、製造時、排水処理による無害化時のいずれでも大きなエネルギーを必要とする。本技術は、低濃度のアンモニアを含むメタン発酵消化液から、FO膜濃縮と省エネ蒸留を組み合わせ、低コストかつ省エネルギーでアンモニアを回収し、窒素循環型社会実現と温室効果ガスの排出量削減への貢献を目指すものである。

○水素オルソ・パラ転換の新触媒
/(国研)物質・材料研究機構 庄司州作・阿部英樹・溝口拓
/(国研)物質・材料研究機構・東京科学大学 細野秀雄
液体水素の貯蔵には、水素のオルソ・パラ転換に伴う蒸発損失が伴う。著者らは、オルソ・パラ変換を高速に行う触媒開発のため、材料の表面電場勾配に着目した新たな触媒設計原理を示した。

○近赤外光に応答する光触媒結晶微粒子の開発
/信州大学 影島洋介・錦織広昌
本稿では、ソーラー水素製造を志向した長波長光応答型光触媒の開発について、著者らの最近の研究例を紹介する。光触媒の組成や合成ルートをチューニングすることで、人工光合成応用に適した光触媒結晶微粒子の設計が可能となる。

○燃料電池触媒層の構造分類とガス拡散予測
/東北大学 高山裕貴・荒井翔太・吉留崇
本稿では、固体高分子形燃料電池触媒層の三次元多孔質構造を対象に、放射光X線タイコグラフィ・ナノCTとマニフォールド学習を組み合わせ、ガス拡散係数を約5%の相対誤差、約10秒で予測する手法を開発したので紹介する。

○微生物資源が秘めるCO₂削減への新たな可能性
/(国研)理化学研究所 西原亜理沙・大熊盛也
本稿では、カーボンニュートラルの実現に向けて注目されるCO₂固定微生物について、カルチャーコレクションの役割と、ゲノム情報・文献情報を統合した探索を紹介する。未開拓の微生物資源を活用したCO₂資源化やバイオものづくりへの展開が期待される。


■エネルギー事情
○国際エネルギー機関 (IEA)「ガス市場報告2026年第2四半期版」報告
/LNG経済研究会 大先一正
2月末のイラン戦争の勃発によりカタールとアラブ首長国連邦(UAE)からのホルムズ海峡経由のLNG輸出は事実上、閉ざされた。そのため、米国が牽引するLNG大増産、いわゆる「Big Wave」の幕開けにより、供給力主導の一層の発展期を迎えようとしていた国際天然ガス市場は、新たな難局への対応を迫られている。


■フィールドレポート
○都市機能集積に合わせた面的エネルギー利用
/北海道ガス㈱ 山口拓真・辻榮朝香
札幌市新さっぽろ駅周辺 の再開発において、逆潮流対応CGSとAIを活用したCEMSによる需給双方向の最適制御を核としたシステムを構築した。寒冷地の特性を活かした融雪への排熱利用等により、CGSは最大総合効率88.0%を達成。本稿では、CO₂削減と系統停電時でも電力・熱を自立供給できる強靭なレジリエンスを両立した、地方都市における先導的な街づくりの事例を紹介する。

○北米大陸における環境保全(下)
/環境工学研究所 星山貫一
フランス人によって開発されたモントリオールはカナダではトロントに次いで2番目に大きな都市である。貴重な観光資源であるメープル街道の沿線はゴミの分別や清掃が行き届いていることに加えてランドアバウトを活用して大気汚染対策を強化している。本稿では、北米大陸においては街の景観を促進するために積極的に環境問題に取り組んでいるので訪問見学内容を紹介する。
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