超音波テクノ 2026年7-8月号

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U2607-08

超音波テクノ 2026年7-8月号

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■特集:レーザ超音波の最新研究
○レーザー生成超音波を用いたフェムト秒レーザー穴開け加工の制御
/宇都宮大学 早崎芳夫
フェムト秒レーザーパルスをガラスに集光して穴加工中に、レーザー発生音による対物レンズの軸方向位置制御を実行した。対物レンズの位置は、各パルス照射時の音圧を最大化することで制御され、アスペクト比の高い穴が形成された。これは、対物レンズの定速制御の多数の繰り返し実験で得られた最大の穴深さと同じ値であった。超音波計測とフィードバック制御により少ない加工実験回数で良好なレーザー加工パラメーターを探索できた。

○テラヘルツ光音響効果に基づく非接触超音波技術の研究
/東京大学 門内靖明
テラヘルツ光音響効果を用いた非接触超音波技術に関する筆者らの最近の取り組みを紹介する。水に強く吸収されるテラヘルツ波を変調して照射することで、物体に接触することなく超音波を生成できる。現時点では音圧や計測時間に課題が残るものの、従来は不可欠だったトランスデューサの密着が不要な超音波技術が実現されれば、ヘルスモニタリングやスポーツ、脳科学、ヒューマンインタフェースなど幅広い応用が考えられる。本稿では、その基礎原理と研究事例を紹介する。

○高感度レーザー超音波計測用干渉計の開発
/㈱ニコン 瀧川雄一・宮田一徳・屋敷賢
レーザー超音波探傷用に高感度ファイバサニャック干渉計を開発した。光源パワー増強および迷光除去による高い信号対ノイズ比の向上を図った結果、NESD=1.1×10-6 nm/√Hzと市販産業向け超音波計測用光干渉計と比較して2倍程度の高感度を実現した。本装置を用いることで、鋼板内部の100 µm線欠陥および幅0.5 µmの表面クラックを非接触で検出可能であることを実験的に確認した。

○レーザーハイドロホンを用いたディジタル変調信号のビット誤り率の測定
/愛知工業大学 水嶋大輔
レーザーハイドロホンは音場と非接触で検出できるユニークなハイドロホンである。本稿では、水中音響通信の受信器としての応用を紹介する。

○M系列変調を用いたレーザー加振による共鳴周波数計測
/近畿大学 三上勝大・池田聖
レーザーを評価試料に照射すると音響波による、振動が発生する。このレーザーの繰り返し周波数変調にM系列を用いることで、広帯域にわたり平坦な周波数特性を持つ、定量かつ非接触な加振技術を実証した。

○光音響を用いた微小半導体チップの加工品質評価
/近畿大学 三上勝大
レーザーによる光音響を用いた微小半導体チップの加工品質の評価について、解説する。本稿では、一義的なアルゴリズムによる判定に向け、得られる振動周波数スペクトルと機械学習による手法を紹介する。

○レーザー超音波を用いたハニカムサンドイッチ構造の剥離検出
/追手門学院大学 齋藤理
レーザー超音波可視化技術を用いてハニカムサンドイッチ構造の剥離検出を試みた。特に、剥離部では健全部よりもガイド波の伝搬速度が低下することに注目し、2次元スローネス図を作成することによって人工剥離を可視化した。

○カテーテルアブレーションの焼灼部定量評価に向けた光音響像の多波長解析
/芝浦工業大学 中川幸司・浪田健・重宗宏毅・椎名毅 .
光音響イメージングによるカテーテルアブレーションの焼灼部の定量評価をめざしハンドヘルド型の装置を開発した。本稿では、焼灼部および非焼灼部の光音響像の多波長解析を行った結果について紹介する。

○三硫化ニオブ針状結晶における偏光依存ピコ秒超音波時間分解反射率変化
/横浜国立大学 立崎武弘
/福井工業高等専門学校 松浦徹
超短光パルスを利用することで物質中に高周波超音波を励起し、その伝搬を実時間で計測できる。ピコ秒超音波と呼ばれるこの手法を活用することで、マイクロメートル寸法の物質における物性値や寸法を非破壊・非接触・非侵襲で計測できる。本稿では、ピコ秒超音波法の計測に関わる技術を紹介し、計測の一例を紹介する。


■特集:音波を利用した海洋計測一海面から海底下までの可視化技術一②
○海中環境を可視化する
/日本付着生物学会 勝山一朗
本稿では、魚群探知機に代表される超音波音響機器が、海洋生物の分布・量・大きさ・行動をどのように可視化してきたのかを整理し、その技術的発展と応用の広がりを紹介する。

○ドップラ速度ログ (DVL) の最近の動向
/Nortekジャパン(同) 國分祐作
本稿では、水中・水上ビークルにおけるドップラ速度ログ (DVL) の役割と技術動向について紹介する。

○ROTV(遠隔操作式曳航体)の活用事例
/オーシャンエンジニアリング㈱ 村田隼輔・伊藤吉宏
ROTVは調査船により曳航され起伏のある海底地形で、自動制御による一定高度を維持できる。本機を運用することで高品質な磁気データおよび音響画像の取得を実現し海洋調査の効率化に貢献できる。本稿では、ROTVを用いた磁気探査および海底面探査の事例を紹介する。

○港湾施設点検調査の効率化・高度化事例
/国際航業㈱ 近藤正樹
本稿では、港湾施設の点検において、マルチビーム測深機などを活用した効率化・高度化事例を紹介する。超音波による高密度な3次元計測で局所的な洗掘等を把握し、UAVやROV、BIM/CIMと併せた維持管理への有効性を考察した。

○Gold符号音響信号を用いた水中通信・制御技術の遠隔無線操作式水中ドローンへの活用/金沢工業大学 太田和彦
/㈱アクアサウンド 笹倉豊喜
本稿では、バイオテレメトリー用途として確立されたGold符号ビンガー技術を起点に、無人潜水機の無線制御および測位への応用可能性について紹介する。


■解説
○移動点音源アレイの3次元FDTD シミュレーション
/同志社大学 土屋隆生
本稿では、点音源アレイが等速度で移動する場合の音場について、理論的な取り扱いと3次元FDTD法への実装法について紹介する。数値実験を通して、本手法の有効性を示すとともに指向性が移動速度とともに変化することなどを示している。

○高周波数超音波振動による層共振援用接着法
/大阪大学 森直樹
接着を促進する新たな処理技術として、接着剤の塗布前や硬化中に超音波振動を印加する超音波援用接着法の研究が近年進められている。本稿では、著者らが提案し検討を進めている層共振援用接着法の詳細と適用結果について紹介する。

○マルチスタティックトランスデューサによる胎児体表面の形状計測
/東京都立大学 劉雪飛・田川憲男
マルチスタティック超音波トランスデューサを用い、胎児体表面からの鏡面反射エコーのTOF情報に基づき、胎児体表形状を推定する手法を提案し、数値シミュレーションにより有効性を評価した。
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