クリーンテクノロジー 2026年8月号

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L2608

クリーンテクノロジー 2026年8月号

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■特集:センシング技術の最前線
○センサシステムの進化を加速させる組み込みAI
/ローム㈱ 西山高浩
IoT化により増大するセンサデータを効率的に活用するため、組み込みAIへの期待が高まっている。本稿では、センサとAIの融合、オンデバイス学習を用いた第2世代組み込みAIの特長と、今後のセンサシステムの進化方向を紹介する。

○水回り衛生技術の実証評価に向けたガス・においセンシングの活用
/㈱MTG 西山晃平
/静岡県立農林環境専門職大学 内藤博敬
本稿では、水回り衛生技術の有効性を、菌数評価に加えて臭気という実使用指標で捉えるため、中性電解水とガス・においセンシングを組み合わせた実証評価手法を紹介する。

○アルゴリズムベースの香り創作技術
/東京科学大学 中本高道
本稿では、言葉から香りを創作する技術の基礎となる要素技術を紹介し、アルゴリズムベースで香りを創作する技術とその関連技術を紹介する。現在はまだ使用できる範囲は限られているが、今後データを大規模にしていくことにより、より汎用的なシステムを実現できるようになる。LLM(大規模言語モデル)とも結びついてさらに発展していくことが期待される。

○オンサイト計測に向けた量子センシング方式による小型NMR装置の開発
/(国研)産業技術総合研究所 渡邊幸志・石川豊史・吉澤明男・馬渡康徳
本研究が目指すのは、ダイヤモンドによる量子磁気センサをコア技術とし、医療や健康分野への貢献を実現することである。本稿では、将来の極微量分析を見据え、コンパクトでオンサイトで安定して測定可能なダイヤモンドを用いた量子センシング方式による超高感度分析装置、すなわち核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)装置の実現を目指す研究開発の背景と取り組みについて紹介する。

○気温変動を電力に変換するIoT用電源素子
/(国研)産業技術総合研究所 末森浩司
太陽電池や振動発電素子などの発電素子は電力源(光や振動など)の存在する場所でしか発電できない。本稿では、昼夜の気温変動を電力に変換する新しい発電素子を紹介する。この発電素子は、地球上のほぼどこにでも存在する気温変動が電力源のため、従来型発電素子とは異なり極めて広範な場所で発電できる。また、ワイヤレスセンサ回路などの小型電子機器を駆動する程度の電力が得られる。従って、本発電素子を用いれば、太陽電池の機能しない森林やトンネルなど暗所においても、IoT用の電源を得ることが可能となる。

○皮膚ガス情報の可視化の試み
/東海大学 関根嘉香
ヒト皮膚から放散される微量生体ガスは皮膚ガスと呼ばれ、皮膚ガス組成にはヒトの生理的・身体的状態、疾病の有無、生活環境や生活行為に関係する。本稿では、皮膚ガスが有する豊富な情報を可視化して利用する試みを紹介する。

○微細針を用いた経皮的生体成分計測技術
/東北大学 鶴岡典子
本稿では、皮膚細胞間質液を利用した経皮的生体成分計測技術について紹介する。微細針表面へ形成した微小流路および光導波路を用いた低侵襲センシングデバイスについて述べ、連続生体モニタリングへの応用可能性を示す。

○血液中揮発性マーカーのウエアラブル・バイオセンシング
/東京科学大学 張耿・飯谷健太・三林浩二
血液中揮発性マーカーの非侵襲計測システムを、バイオ蛍光法を用いて開発した。経皮ガス計測に適した部位として外耳道を選定し、新規なウェアラブル計測装置であるヘッドセット型バイオ蛍光ガスセンサを作製し、そして外耳道アセトンの計測および呼気濃度との有意な相関を確認した。

○ガスセンシング特性から考える両極性カーボンナノチューブトランジスタ
/関西大学 稲葉優文
両極性カーボンナノチューブ電界効果トランジスタ型ガスセンサを作製し、NO2に対するガス応答特性を調べた。その応答機構をガス分子の吸脱着と等価回路から考察し、ガス応答原理の理解を試みた。

○光で電流を測る光プローブ式磁界センサによる電流計測
/信州大学 曽根原誠
信州大学の曽根原らとシチズンファインデバイス(以下、CFD)で共同開発された磁気光学効果を用いた光プローブ式磁界センサは、2024年4月にCFDと岩崎通信機よりOpECS®として市販された。本稿では、OpECS®の測定原理や構成について述べ、続いて電流計測事例などについて紹介する。


■解説
○LIB電極の最新ドライ製造技術
/AndanTEC 浜本伸夫
リチウムイオン電池の量産用電極の製造方法として、従来は塗工法(ウエット方式)が主流だったが、水や有機溶媒を用いない「ドライ方式」による新たな製造方法が注目されている。本稿では、Tesla社が牽引して実用化したドライプロセスの概要を紹介する。

○スマートウインドウ用エレクトロクロミック材料の高性能化
/(国研)物質・材料研究機構 趙愛瑋・樋口昌芳
スマートウインドウ(調光ガラス)は、効果的な遮光と遮熱により室内空調の省エネに貢献すると期待される次世代窓である。この普及には優れたエレクトロクロミック材料(電気化学的に透明状態と着色状態が切り替わる材料)の開発が不可欠である。本稿では、著者らが開発している高性能エレクトロクロミック材料について紹介する。

○デシカントローター内部の温湿度分布
/静岡理工科大学 鍋島佑基
回転し続けるローター内部を“見える化”し、温湿度の水分の動きを捉えた。材料ごとの除湿挙動の違いが、実測値によって初めて確認された。
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