超音波テクノ 2026年5-6月号

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U2605-06

超音波テクノ 2026年5-6月号

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■特集:音波を利用した海洋計測-海面から海底下までの可視化技術-①


■海面の計測
○潮位調査
/日本工営都市空間㈱ 近藤泰徳
本稿では、潮位調査について、海で活用されている四つの方法および取得データ活用にあたっての留意点等を紹介する。

○波浪の調査(海面を下から)
㈱ソニック 三井正雄
本稿では、日本沿岸域における定常波浪観測の主力機器である超音波波高計について、その開発・改良の背景と歴史、環境変化の影響に伴う要求、対象を確実に検出するための主要な機能、および最近の観測結果等について紹介する。


■海中の計測
○流況調査における超音波計測機器について
/㈱東京久栄 森重輝政
本稿では、海洋での流況調査において、超音波技術を使った計測機器としてADCP(音響ドップラー流速計)に着目し、その測定原理の概要や測器の変遷、調査事例を紹介する。


■海底の計測:水深調査(測量)
○測深のむかしといま
/オーシャンエンジニアリング㈱ 栗原則男
測深は、水面下の直視できない海底、水底の水深を位置と同時に測る技術である。音響測深に至るまでは、測定と記録を手作業で行ってきた。超音波を応用した音響測深機の開発により点から断面さらに面的な調査が実施されてきている。膨大なデータとなるデジタル化の調査手法に際してもデータの真偽を知識と経験に基づいて判断し、解析することが重要である。

○海底の計測:水深調査(測量)
/三洋テクノマリン㈱ 畑裕一朗
本稿では、海洋調査で用いられるサイドスキャンソナーの概要について、最新機種の動向を加えて説明するとともに、実際の調査手法や事業例について紹介する。


■海底下の計測
○海底下の音響探査
/川崎地質㈱ 向山建二郎
海底下の地層構造は直接観察することが難しく、音波を利用した音響探査が重要な役割を担っている。本稿では、海底下探査の基本原理、周波数と探査深度の関係、代表的な探査手法について概説し、海洋計測における役割を紹介する。


■各論
○浅海域地盤構造の可視化を目的とした3D-UHRS調査
/川崎地質㈱ 多良賢二
沿岸域浅部地盤の可視化を目的として、小型船舶運用型の超高分解能三次元音波探査(3D- UHRS)を開発し、実海域調査を実施した。取得したデータの処理および三次元可視化結果から、本手法が浅海域における地質構造把握に有効であることを示した。

○洋上風力発電における基礎調査
/コスモ海洋㈱ 清水雅史
本稿では、洋上風力発電の導入に不可欠な海底調査の重要性と、サイドスキャンソナーおよびマルチビーム測深器による海底の「質」と「形」の把握が、計画・設計・施工の安全性向上に寄与することを述べ、若手社員の調査経験を紹介する。

○洋上風力地盤調査における高分解能3次元音波探査
/総合地質調査㈱ 村上文敏・熊谷直音
本稿では、水中スピーカーを音源とする高分解能3次元音波探査の概要と調査事例を紹介する。本技術は、洋上風力地盤調査における地盤構造3次元可視化の効率化と低コスト化を実現する。

○洋上から海底下に圧入した二酸化炭素のモニタリング
/大日本ダイヤコンサルタント㈱ 浅川真也
本稿では、国内におけるCCSモニタリング規定の動向を紹介するとともに、環境省の委託業務において、浮体式洋上圧入CCSへの適用を目指し開発を進めているモニタリング技術の概要と、有用性について紹介する。

○マルチビームソナーによる海底粗さの再現性の検証と粗度係数の評価
/㈱ハイドロシステム開発 大川創
本稿では、海底の形状を3次元化する音響測器マルチビームソナー(MBES)による実海域における実験の解説、それによって明らかになった粗度計測においての有用性と今後の展望について紹介する。

○港湾工事を “見える化” する
/コスモ海洋㈱ 甲斐哲也
サイドスキャンソナー(EdgeTech 4200MP)は、左右に発射した超音波の反射強度を画像化することで、海底地形や構造物を広範囲に把握できる。本装置は潜水を伴わず詳細な状況確認が可能で、魚礁設置状況、地形変化、堆積物分布の評価に有効である。短時間で広域調査が行えるため、従来手法では困難であった海底環境の把握に寄与し、港湾構造物点検や環境モニタリングなど多分野での活用が期待される。

○高分解能音響カメラによる水中可視化技術
/㈱東陽テクニカ 小林拓未
水中環境における可視化は、濁度や照度の影響により光学カメラでは十分な観測が困難な場合が多い。本稿では、音響レンズを用いた高分解能音響イメージングソナー ARISを紹介する。装置の動作原理と技術的特長を解説するとともに、インフラ点検、生物調査、水中施工、防衛分野などにおける応用事例について紹介する。

○水中音響計測のための海洋観測プラットフォーム設計
/nihoʼohe(同) 楠本仁麦
本稿では、水中音響観測における自律型海洋観測プラットフォームの設計要件について整理し、波力推進型ASVであるWave Gliderの低雑音設計の特徴を紹介する。推進方式、二体分離構造、センサ配置および曳航方式の観点から音響観測に適した設計思想を示し、実際の観測例を通してその有効性を紹介する。

○「IEEE Milestone」認定の魚群探知機
/古野電気㈱ 藤井武司
本稿では、「IEEE Milestone」認定の魚群探知機の開発経緯について紹介する。

○干渉音場と微小気泡による細胞の非接触培養の試み
/東京農工大学 野口彩子・桝田晃司
/(国研)国立成育医療研究センター 宮本義孝
/帝京大学 鈴木亮
細胞由来の人工血管作製においては、流路内壁への細胞捕捉とその後の培養を効率的に行う技術が求められている。そこで本研究では、微小気泡と超音波を用いた細胞動態制御技術に着目し、干渉音場および位相スイープを用いた細胞捕捉とin situ培養の結果について紹介する。

○深層学習による単細胞超音波画像の超解像化
/大阪大学 藤原夏実・宇野みどり・荻博次
超音波による細胞観察は非侵襲であるが分解能が低いため普及していない。本稿では、超音波吸収スペクトル画像の周波数特性を利用した深層学習により、細胞超音波画像の超解像化技術を開発したことについて紹介する。

○進行超音波中における気泡振動の数値解析
/関西大学 園山陸・山本健
数値シミュレーションを用いて、超音波キャビテーション気泡のペア気泡を対象に気泡サイズの差と気泡間距離が超音波中の気泡振動に及ぼす影響を調べ、共振周波数差と相互作用が振動安定性を決める要因であることを示した。

○超音波モータ用2軸制御コントローラの開発と特長
/㈱Piezo Sonic 多田興平・福田隆治・花見明弘
本稿では、昨年販売を開始した超音波モータ用2軸位置制御コントローラ「PSMC-RP1」について紹介する。超音波モータ固有の挙動を考慮した制御機能をパッケージ化することで、複雑な制御設計や通信実装を意識することなく位置決め用途での評価・活用を可能とする。本製品により、超音波モータは「特殊なモータ」から「誰もが試せるモータ」へと進化し、研究機関・産業分野における新たな応用展開の基盤となることを目指す。
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