クリーンテクノロジー 2026年6月号

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L2606

クリーンテクノロジー 2026年6月号

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■特集:クリーンルーム運用の革新技術:自動化・省人化の最先端事例
○自律走行型ロボットを用いたパーティクル計測システムの検証
/三機工業㈱ 土屋茂樹
FFUの運転(回転数)を適正化し省エネルギー化を図るため、パーティクルカウンタを搭載した自律走行型ロボットを用いてクリーンルーム内の清浄度を面的にモニタリングし、測定結果をFFUの回転数制御に反映させるシステムを構築した。

○クリーンルーム清浄度測定ロボット
/㈱テクノ菱和 滝口陽介
クリーンルームの清浄度測定を自動化するロボットを開発した。マーカーを床面に設置することで走行経路を容易に設定可能で、鏡面が存在する室内でも導入可能で、清浄度クラスに合わせて0.1μmも測定可能なシステムを実現した。

○クリーンルーム清掃自動化の新潮流
/日本エアーテック㈱ 山田翔太
本稿では、今回開発した業界初となるクリーンルーム内で使用可能な、ロボット掃除機の設計思想および構造的特徴を紹介する。また、性能評価結果を通じて技術的妥当性と運用上の有効性を紹介する。

○室間差圧の維持管理を簡単に実現
/岡谷精立工業㈱ 堀江信吾
クリーンルームにおける空気の清浄度確保には室間差圧の維持管理が重要になるが大掛かりな工事が必要であった。能動的に動作可能な壁面設置型のルームダンパを使用することで容易に安定した室間差圧の維持管理が可能になる。

○クリーンルーム用青空照明による快適な作業環境の実現
/大成建設㈱ 竹内駿
近年ではクリーンルームにおいても、生産性や品質の向上だけでなく、作業者のウェルネスに配慮した環境づくりが重要視されるようになってきた。本稿では、自然現象である青空の光環境を人工的に再現する「青空照明」に着目し、クリーンルームの清浄環境を維持しながら、開放感と快適性の両立を可能とする照明の開発内容について紹介する。


■特集:EV用電池の最新動向①
○次世代EV電池としての全固体電池を巡るグローバルな開発競争
/㈱知財ランドスケープ 山内明
次世代EVの競争軸となる全固体電池を巡るグローバルな開発競争状況を特許情報起点で炙り出し、可視化した結果、グローバルに本命視される硫化物系において日本勢の健闘振り、サプライチェーンを満たす顔触れが認められた。

○各国の政策転換に伴う車載電池のグローバル競争と戦略転換
/名古屋大学 佐藤登
米国市場を始め、自動車各社のEV戦略の大幅な見直しが続いている現状を整理した。日本の電池産業の生き残りに向けては、着実に進められているところと解決すべき課題が混在する。産学官の対応が進められている内容と現状の課題として対応を図る内容を整理した。経済産業省「蓄電池産業戦略推進会議」の中で十分に議論すべきものと捉えている。

○リチウムイオン電池リサイクル前処理の現状と課題
/東京大学・早稲田大学 所千晴
定置用LiBについては、用途ごとにリサイクルに求められる目的や社会的背景は大きく異なる。一方で、後段の分離や精製工程については、いずれの用途においても比較的技術的検討が進んでいるのに対し、前処理工程については十分に確立されているとは言い難い。さらに、前処理は用途ごとに要求条件が大きく異なり、同一の技術体系として論じることはできない。また、回収の実態に依存して採用可能な前処理プロセスは異なり、回収と前処理は常に表裏一体の関係にある。本稿では、これらの違いを踏まえた上で、LiBの回収と前処理工程の現状と課題を整理する。


■解説
○見えない空気を見える化する技術
/(一社)空気環境改善研究所 石坂閣啓
高断熱・高気密化が進む新築住宅において空気質の把握は重要な課題である。本稿では、簡便な室内空気の見える化手法であるエアみる法を用いて調査を行った。その結果、総揮発性有機化合物(TVOC)濃度が同程度であっても、主要成分の構成は住宅ごとに大きく異なった。室内空気質の評価にはTVOC濃度に加えて主要成分を確認することが重要であることが示された。

○病室環境における室内空気環境の実態
/大阪大学 木戸倫子・樺山舞
病室の室内空気環境を24時間連続測定し、温度や湿度、粉じん、気流、二酸化炭素濃度を分析した。その結果、患者の活動や病室条件により空気質に差がみられ、特に低湿度や粉じん増加など改善の必要性が示唆された。

○栄養塩含有廃棄物の水溶性化処理による農業循環促進
/佐賀大学 兒玉宏樹
栄養資源であるリンやカルシウムは生物生産環境において必須元素である。カルシウムは石膏として難燃性の安定資材として利用量が多いため最終処分量も多く、リンは食品・し尿等の最終処分時に濃縮回収や灰分回収技術は開発されているが、何れの元素もそのままの状態では難溶性であるために生物に対する吸収効率が低く、農業への効率的循環利用が妨げられている。今研究では陽イオン交換樹脂を用いる特許技術を用いて難溶性塩の水溶性化を行い、最終処分廃棄物量の削減と低労力・高吸収の農業資材の確保を同時に実現する。

○超音波を用いた混相流計測技術
/室蘭工業大学 荘司成熙
気液二相流や固液二相流などの混相流体は様々なプラントや生産現場において取り扱われ、その流動構造の把握や流量モニタリングは、流体システムの安全設計や効率的運用に不可欠である。本稿では、超音波を用いたこれら混相流の流動計測技術について紹介する。

○市販酵母を活用する貴金属・レアメタル回収
/大阪公立大学 小西康裕
本稿では、パン酵母等の市販酵母を吸着剤として用いて酸性溶液中の貴金属・レアメタルを高効率に分離するバイオ吸着技術シーズについて解説し、都市鉱山やレアアース泥からの貴金属・レアメタル回収事例について紹介する。

○貧栄養耐性細菌Enterobacter oligotrophicus CCA6Tを利用した都市鉱山からのパラジウム回収
/日本大学 秋田紘長
一般家庭から廃棄される家電製品にはさまざまな電子部品が含まれており、それら電子部品中にはパラジウムを含むレアメタルが使用されているため「都市鉱山」と見なされている。本稿では、微生物を利用するパラジウム回収法の利点と現状の課題を整理した上で、筆者が開発した新規パラジウム回収法の基盤技術を紹介する。
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