L&A Network 2026年4月号

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L&A Network 2026年4月号

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■特集:世界のチョークポイントが国際間物流に与える影響
◯グローバル物流の要衝:国際海峡・運河
/京都大学 赤倉康寛
海上輸送は世界経済の基盤であるが、その船舶の航行が主要な国際海峡・運河に集中している。近年、これらの海峡・運河において航行障害が発生し、大きな輸送混乱を引き起こしている。本稿では、世界経済への影響分析の結果を紹介すると共に、対応策についても論ずる。

◯世界のチョークポイントとコンテナ輸送にまつわるリスク
/神奈川大学 松田琢磨
本稿では、紅海・スエズ運河とパナマ運河の事例から、チョークポイントの制約が航路迂回、輸送日数の長期化、船腹需給の逼迫を通じて運賃と定時性へ波及する過程を、気候変動・安全保障・ガバナンスの観点で整理し、荷主・船社のリスク管理と情報共有の要点も示す。

◯フーシ派攻撃による国際物流へのインパクト
/東京大学 柴崎隆一
2023年末よりイエメンのフーシ派がバブ・エル・マンデブ海峡を航行する船舶に対して行っている攻撃による国際物流ネットワークへのインパクトに着目し、AIS(船舶自動識別装置)データにより、危機発生前後の船舶のスエズ運河ルートから喜望峰ルートへの迂回の状況を整理・分析した。

◯東アジア国際物流ネットワークの変貌と国際コンテナ港湾
/九州国際大学 男澤智治
2020年以降、国際物流を取り巻く環境変化のなかで、東アジア国際物流ネットワークが大きく変貌している。具体的には、中欧班列、中越班列、中老班列の急成長、中央回廊も登場した。一方、日本コンテナ港湾は凋落傾向であり、本稿では東アジアと連携したロジスティクス型コンテナ港湾を提案している。

◯海上輸送のチョークポイント・リスクと東アジアの国際物流への影響
/九州産業大学 魏鍾振
2023年秋以降、世界各地での地政学的な緊張の高まりや異常気象などに伴う海上輸送の通航障害が増加し、国際貿易を支える海上輸送に混乱が生じている。本稿では、世界各地で発生しているチョークポイント・リスクが国際物流に与える影響について考察する。

◯中国~欧州物流の裏技「中欧班列」の現在地
/北海道大学 服部倫卓
「中欧班列」とは、中国鉄道を基盤に構築された国際輸送ネットワークで、中国と欧州間をコンテナ定期列車で結ぶサービスである。2022年以降のロシアのウクライナ侵攻で顧客離れが生じ、2024年に紅海危機で盛り返す場面こそあったものの、現状では利用価値は低下した状態にある。

◯国際海運における主要なチョークポイントの概況
/ (公財)日本海事センター 後藤洋政
本稿は、世界の海上輸送において貿易量および通航隻数の観点から高い重要性を有する主要なチョークポイントを対象に、その地理的・機能的特性を整理するとともに、近年発生した主な関連事象を概観するものである。特に、地政学的緊張や安全保障環境の変化など、主要チョークポイントを取り巻く環境の変化について整理し、国際海運に及ぼす影響を示す。

◯世界の“チョークポイント”とエネルギー安全保障
/ (一財)日本エネルギー経済研究所 下郡けい
エネルギーの安定供給には信頼性の高い輸送路が不可欠で、チョークポイントの通航支障は供給遅延や価格高騰を招く。輸入依存度が高い日本にとって、チョークポイントを含めた輸送路の安全確保と多様化は供給源の多様化と合わせてエネルギー安全保障の要となる。

◯地政学的影響を踏まえた中東・アフリカの物流動向、紅海情勢悪化による物流への影響
/ (独)日本貿易振興機構 井澤壌士
紅海情勢の悪化により、国際物流の要衝であるスエズ運河の通航は減少した。多くの海運会社が喜望峰ルートを迂回する。2026年1月時点では、スエズ運河の通航の再開の兆しもある。本稿では中東情勢とスエズ運河の代替ルートを含む国際物流事情を解説する。

◯海上輸送のチョークポイントとコンテナ輸送
/日本郵船㈱ 原源太郎
地政学リスクの高まりが続く中、2025年は中国や新興国向け輸出の拡大を背景に世界のコンテナ荷動きが予想を上回り増加した。船社は航路変更や船腹調整により、需要変動と安全確保への対応を迫られている。

◯海上輸送のチョークポイントを巡るリスクの類型と世界経済への影響
/㈱丸紅経済研究所 坂本正樹
海上輸送のチョークポイントの概念やその特性を整理した上で、関連するリスクの類型や世界経済の視点から見た影響の広がりについて、米トランプ政権の下で一段と流動化する国際情勢を踏まえつつ考察した。

◯海上輸送混乱による経済影響
/三井住友信託銀行㈱ 村上太志
近年、中東情勢を受けたスエズ運河の通航回避など、海上輸送上のチョークポイントにおける混乱が頻発し、直近では米国・イラン紛争に伴うホルムズ海峡の事実上封鎖による資源輸送への影響も顕在化した。地政学的リスクへの警戒が高い状態が続く中、影響が長期化するほど世界的なインフレ・景気悪化といった経済への下押しは深刻化しよう。

◯経済安全保障を見据えた戦略在庫保有の提言
/㈱日本政策投資銀行 河村佳萌・佐無田啓・蛭間芳樹
半導体は、近年の経済安全保障の議論において重要な戦略財と位置付けられている。本稿では、グローバルサプライチェーンの変化に能動的に対応し、日本の競争力強化を図る観点から、半導体をテーマとして官民協調での戦略在庫保有策を提言した。


■Auto-ID Solution
◯スマホと業務用小型バーコード/NFCリーダーのBLE接続連携と進化
/ (同)ソケットモバイル 近藤淳
/Socket Mobile, Inc. Macie Blakeman
日本が深刻な労働力不足に直面する中、「モバイルファースト」の運用がAuto-IDシステムを変革しつつある。本稿では、AI/ITをリードする米国での小売・物流・製造分野における進展を踏まえ、スマートフォンとBLE接続リーダーの組み合わせが、柔軟でスケーラブルなデータ読取り環境を、低コスト、長期的かつ安定性をもって実現する方法を述べる。


■特別レポート
◯現場主導のAI導入戦略
/㈱Keystone Prime Partners 菅雄大
物流業界の2024年問題は序章に過ぎず、真の危機は輸送力が不足する2030年に到来する。この危機を乗り越える鍵は、AIによるオペレーションの「自律化」だ。完璧主義を捨て「小さく始めて速く学ぶ」現場主導のアプローチと成功事例を本稿で解説する。
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