超音波テクノ 2025年3-4月号

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U2503-04

超音波テクノ 2025年3-4月号

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■特集:海洋音響工学(水中超音波)①
○音響による海底ケーブルの埋設状況調査手法の開発
/東京大学 松本陽大・水野勝紀・小野里祥吾
/(国研)防災科学技術研究所 望月将志・植平賢司
海底ケーブルの埋設状況調査は、時間の長期化、費用の増大などの問題があり、省力化が必要となる。本研究では、従来の電磁波による手法と比較して、堆積物中での減衰が小さく測深に適した、音響による調査手法の開発を目的として、2次元FDTD法を用いたシミュレータの作成と、それを用いた周波数の選定を試みる。

○レンズを用いる水中音響通信における通信相手の測位精度の向上
/筑波大学 佐藤裕治・海老原格・若槻尚斗
水中音響レンズを用いる通信時に、リンク切れになることを回避するため、通信時の方位分解能が10度程度になる条件下において、より高い分解能で測位するための手法を検討したところ、平均1.1度の誤差で方位を推定できた。

○水中無人機研究施設~IMETS~大型水槽の音響特性
/防衛装備庁 伊藤魁・山口智之・嶋村英樹
本稿では、防衛装備庁艦艇装備研究所岩国海洋環境試験評価サテライト(Iwakuni Maritime Environment Test & Evaluation Satellite:IMETS)に設置された大型水槽において実施した、背景雑音および音響反射特性の計測結果について紹介する。

○音波の海面粗さ散乱のメカニズムと周波数シフト
/防衛装備庁 大川圭一
音波の海面散乱データを計測し、理論的予測を超えるドップラーは散乱現象に起因することを明らかにした。また、残響のうなりのような信号波形は散乱により音源スペクトルが複数のスペクトルに分離することで起こる干渉によるものであることを明らかにした。


■解説
○果物・野菜の音速は何で決まるのか
/明治大学 崔博坤・池田敬
果物や野菜では、音波の減衰が大きいため音速値がよくわかっていなかった。400 Hzから28 kHzの低周波数域でダイコン、スイカ、ポテトの音速を測定した。広帯域音速分散から縦波音速、横波音速、拡張波音速、ポアソン比が求められることを示した。本稿では、ダイコンで202 m/ sなど、小さい縦波音速値は試料に含まれるガスに依存することを紹介する。

○超音波アレイプローブによる体内の音響誘起電磁(ASEM)応答の画像化
/東京農工大学 生嶋健司・皆藤信人
ASEM法では、超音波の音圧によってMHz帯の交流分極を発生させるため、電気二重層による遮蔽を軽減し、生きた生体内の組織に対しても圧電効果を測定できる。近年、アレイプローブを用い、人体内の組織においてもBモードとASEM断層像を同時取得し、重畳することが可能となり、コラーゲン線維の蓄積や配向性という病理評価で得られるような性状情報を非侵襲に評価可能となることが期待される。

○空中超音波による凹型底をもつ物体の非接触駆動
/東京大学 荒川岳斗・牧野泰才
空中超音波により1 ~ 2 cmの物体を平面上で位置制御する手法である。この大きさは電池とモータを内蔵するには小さく、既存の超音波手法で空中制御するには大きい。磁力を用いないためプラスチックや固形食品も扱える。

○超音波定在波で気相中に捕捉した液滴内における無容器バイオ操作
/慶應義塾大学 松原輝彦
タンパク質や核酸が反応容器の壁面に物理吸着し、実験結果に影響を与えることがある。そこで、超音波定在波を用いて反応溶液を空気中に浮揚させ、無容器反応を試みた。本稿では、酵素反応や遺伝子導入が可能であることを紹介する。

○空中定在波音場に導入した超音波ミストによる浮揚水滴の生成
/本多電子㈱ 岡田長也
/エコーテック㈱ 犬塚克典
超音波ミストを空中定在波音場に導入し、液滴の安定保持を目指して浮揚液滴の生成を観察した。ミストが合一し液滴が生成する音圧条件では、大粒な液滴の保持はむつかしく、浮揚液滴の大きさに合わせた調整が必要であった。

○水中における超音波を用いた材質識別に関する基礎的検討
/奈良先端科学技術大学院大学 内山英昭
本研究は、水中環境における物体の材質識別を目的として、超音波を活用したデータセットの提案と機械学習を用いた識別性能の評価を行う。9種類の材質を対象に、異なる周波数や角度条件下で収集した2160波形を含むデータセットを構築した。このデータセットを用いて機械学習による材質識別を試みた結果、同一角度条件下では高い精度が確認されたが、未知の角度条件下では精度が低下する課題が明らかになった。本研究は、データセットの公開とともに、姿勢変化に頑健な識別モデルの必要性を示し、今後の研究の方向性を提案する。

○分析化学における超音波の応用
/信州大学 金継業
本稿では、超音波で合成した高機能ナノ粒子を用いる電気化学センサーの開発、および超音波誘起したルミネセンス反応用いる抗酸化能活性評価法に焦点を当て、分析化学における超音波の応用について紹介する。

○超音波と中性子を組み合わせた新手法で見るスピン発電
/(一財)総合科学研究機構 社本真一
超音波はLiNbO3トランスデューサーなどの誘電体の発見で強度が上がり、物性研究にも幅広く応用されている。スピントロニクスではまだ研究しているグループが少なく、特に中性子散乱や放射光X線との組み合わせは珍しく、理解できていないことが数多く存在する。本稿では、超音波と中性子を組み合わせた新手法でスピン発電を紹介する。

○ゾルゲル複合体圧電デバイス技術を活用した
超音波配管減肉モニタリングシステムの開発
/㈱CAST 中妻啓
本稿では、熊本大学で開発されたゾルゲル複合体圧電デバイス技術を基盤とし当社にて開発を進めている配管減肉モニタリングシステムを紹介する。この技術は、高温環境下においても精度の高いデータ収集を可能とするだけでなく、従来技術の課題を克服するものである。

○超音波の化学的作用を使った金ナノ粒子/導電性高分子膜修飾電極の開発と
生体分子センシングへの応用
/㈱カイジョー 中山雅之・若宮雅紀・副島潤一郎
/信州大学 金継業
本研究では、超音波振動がもたらす物理的および化学的作用を利用するソノプロセスに注目した。このプロセスはキャビテーション現象による高温高圧反応場を生成し、One-Stepでのハイブリッド膜調製を可能にすると考えられる。

○超音波援用歯車研削の効果
/岡本工機㈱ 菊地正人・佐藤真尭
歯車研削加工に超音波を援用することで、表面性状の改質および強度が向上する可能性を示す。また、表面性状の改質による潤滑性向上や高周波音の抑制に寄与することも分かってきた。


■製品紹介
○音響データ収集パッケージによる装置監視システム立ち上げ時の負担軽減
/日清紡マイクロデバイス㈱ 松田和英
実証実験や研究初期段階における測定はサンプル数やデータ量など「ボリュームが重要になる」ことが多く、相当に人手と時間を必要とする。しかし、本音は収集作業よりもデータ処理や考察に時間を使いたい。本稿では、このようなデータ収集の手間に関する問題解決のために当社が開発した、データ収集パッケージ『レオセントキット』を紹介する。


■連載 産業技術総合研究所超音波音場計測クラブと、関連する計量標準及び工業標準②
○超音波パワー標準
/(国研)産業技術総合研究所 内田武吉
計量標準は、測定値の信頼性評価のために必要不可欠である。本稿では、産業技術総合研究所計量標準総合センターで供給している天秤法とカロリメトリ法による超音波パワー標準に関して紹介する。
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