画像ラボ 2023年10月号 PDF版

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■解説
○業界最高感度のハイパースペクトル撮像技術
/パナソニック ホールディングス(株)/八子 基樹・他
業界最高の感度、カラーカメラに匹敵する解像度、動画レート(32fps)で多波長(20波長)撮像できるハイパースペクトル撮像技術を実現。空間・波長の両次元で高いランダム性の透過特性を有する符号化フィルタと、空間スパース性に基づく画像復元による圧縮センシング技術を応用。

○鋼橋架設現場におけるマーカを用いたボルト締結状態判別への機械学習の適用
/富山大学/笹木 亮・他
鋼橋の架設においてボルト締結状態の判別では、作業者により目視判断にばらつきが生じる。本研究では、富山大学、佐藤鉄工(株)において、画像によりマーカを用いた識別を、機械学習を用いることで、高精度化することを実現した。

○安全な横断環境の実現に向けたVR歩行者行動実験
/名古屋大学/井料 美帆・他
歩行者にとって安全な道路環境を実現するには、運転者のみならず、歩行者の横断判断や行動実態を把握する必要がある。本稿では、歩行者の横断歩道外横断の選択行動と、横断タイミングの意思決定行動のそれぞれに対するVR歩行実験の適用事例を紹介する。

○AI・画像処理を用いた列車周辺の監視技術
/(公財)鉄道総合技術研究所/長峯 望・他
鉄道分野におけるカメラ、センサを用いたAI応用・異常検知の研究として、列車の安全性向上のための「列車前方の支障物検知手法」、「特殊信号発光機の発光検知手法」、「車両側面カメラを用いた安全確認手法」の三つの研究について紹介する。

○衣服画像ペアの関係を表現する説明文の生成
/北海道大学/阿部 晃平・他
消費者の衣服選択の支援を目的とした最初の取り組みとして、衣服画像ペアの関係性を表現する商品説明文の生成手法を提案する。衣服の特徴を表す属性を推定し、ペア間で比較することで関係性を明確にし、説明文の生成に利用する。

○手領域検出のための顔部分領域最適化に基づくカラーフィルタリング
/岩手大学/遠藤 良峻・他
本稿では、色情報を直接用いる手法について述べる。画像から人間の肌を抽出する手法として、検出した顔から直接肌の色範囲を決定する手法が存在するが、手以外の肌領域を多く検出したり、背景の誤検出を多く含む欠点がある。遺伝的アルゴリズムを用いた最適化により手以外の誤検出を削減し、最適化を用いない場合に比べ平均30%の手検出精度の向上に成功した。

○骨格情報を描画した人物画像を用いた不審動作認識
/福岡工業大学/三輪 香奈恵・他
本稿では、人物領域に骨格情報を描画した画像をCNNに学習させて不審動作を判別する方法を紹介する。人物領域に骨格情報を描画することで服装の変化や未学習の人物に対する汎用性を高め、骨格に色を付けて身体の部位の意味的情報を追加して認識精度を向上させる。

○深度画像を入力とする把持位置推定深層学習モデルの開発
/九州工業大学/陸 慧敏・他
現在利用されているほとんどのロボットは事前にティーチングをすることによって、目的の動作を実行しているが、ティーチング作業は非常に手間がかかるものであり、省力化が期待されている。本稿では、ロボットをより使いやすいものにするために、ロボットの最も基本的なタスクであるピックアンドプレイスの自動化を行うための把持位置推定深層学習モデルについて述べる。

■特集:コンタクトイメージセンサー(CIS)各社の取り組み
○コンタクトしないコンタクトイメージセンサの開発
/(株)ヴィーネックス/小久保 匡
紙を接写するための専用デバイスと思われてきたCIS。当社は、その概念を打ち破り、作動距離(WD)を最大50mmまで伸ばすことで、外観検査などの産業機器分野への適用性を大きく拡大させた。その製品仕様や実用検討事例、今後の開発動向について紹介する。

○世界初シームレスCISの特徴とそのアプリケーション
/(株)エーディーエステック/前嶋 素生
Teledyne DALSA社初のCIS(コンタクトイメージセンサー)となる新製品AxCIS(アクシス)がリリースとなる。世界初となるシームレスCISである点や多段式センサーを採用している点などの特徴、また、AxCISを使用した最適なアプリケーションについて紹介する。

○コンタクトイメージセンサ(CIS)の撮像制御と外観検査システムの構築方法
/キヤノンITソリューションズ(株)/釜塚 大輔
印刷検査など対象ワークが連続移動する外観検査において、コンタクトイメージセンサ(CIS)を用いた検査システムの開発で求められる技術ノウハウについて、当社技術を基にカメラの情報からシステムの基本構成、および撮像制御方法について紹介する。

○接写型ラインカメラへの取り組み
/コアテック(株)/筒井 義典
当社では、十数年前からの接写型ラインカメラ製造・開発において、商品のバリエーションを考えるとき、“100mm間隔”の撮像長さラインカメラの提供を優先して進めてきた。現在は、190mmから2115mmまでの納入実績を有するまでになった。

■シリーズ
○イメージングリソースガイド16
/エドモンド・オプティクス・ジャパン(株)
ユーザーのアプリケーションがマシンビジョン、ライフサイエンス、セキュリティ、或いはITSシステムにかかわらず、イメージング技術の基本を理解しておくことは、洗練されたイメージングシステムの開発や導入に欠かせない。センサーや照明技術の進歩がシステム対応力に無限の可能性を秘める一方、これらの技術のデザインや製造には物理的限界があるのも事実である。光学部品もこの例外ではなく、オプティクスがシステム性能の制限因子になることもしばしある。本連載は、読者がイメージングシステムの特定やシステム性能の最大化を行い、かつ投資コストを最小化するのをサポートする目的でデザインされている。

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