建設機械 2023年7月号 PDF版

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建設機械 2023年7月号 PDF版

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■特集:最近の土木技術の潮流を探る1
○覆工コンクリートへの排水湿潤連続養生の適用
/大成建設(株)/臼井 達哉
寒冷地域では凍結抑制剤を散布するため凍害や塩害等、厳しい環境となるがトンネル構造物においてもタイヤによる引きずり、巻き上げによって凍結抑制剤の影響を受けやすい。そこで本研究では、耐久性向上が求められる覆工コンクリートのSL下部、坑口壁面部に排水湿潤連続養生を適用した。本稿では、覆工コンクリートのSL下部への適用、および長期材齢の養生効果について紹介する。

○建土再開発案件の地下通路構築におけるURT工法の設計・施工
/清水建設(株)/中村 廣遊・秋元 裕介
「新橋田村町地区市街地再開発事業 地下連絡通路工事」は、建築・土木一体の再開発事業のうち、再開発事業区域の新築ビルと既設ビル間を結ぶ地下連絡通路を構築する工事である。地下連絡通路によって新設ビルと周辺地区との歩行者ネットワークの向上や、地上交通の緩和などが期待される。本稿では、既設埋設構造物直下に近接して建設される地下通路の工法選定、そして設計・施工段階で行った取り組みについて紹介する。

○汎用カメラで移動体の軌跡を計測
/安藤ハザマ/紫垣 萌・早川健太郎
非GNSS(Global Navigation Satellite System)環境下であっても、移動体の位置情報を取得する技術の開発が望まれている。そこで著者らは、球体マーカ、汎用カメラ、汎用PCのみの簡易な機器構成で、映像分析により移動体の3次元位置計測情報を取得する技術を開発した。本稿では、開発の経緯と当社実現場における各種検証実験について紹介する。

■技術資料
○都市部での大深度地下構造物構築における高品質確保のための施工上の工夫
/大成建設(株)/和家 由宜
本工事は、環状第2号線の整備工事の一部である。都市部においては、地中埋設物が多いこと、施工ヤードが狭隘であること、地下水位が高いことなどの共通の課題が発生する。本稿では、それらの課題に対して、埋設物の探査方法の選定、施工空間の確保、無収縮モルタルによる充填性の確保やアロンソイルを用いた鋼製連壁の施工など、本工事で行った様々な工夫について紹介する。

○地下鉄トンネルの改良に伴う下床版築造工事
/東京地下鉄(株)/榎谷 祐輝
東京メトロでは、東西線の輸送力改善施策の一環として朝ラッシュ時の運行本数を増加させるため、都道8号線下の東西線飯田橋・九段下駅間にある既存の折返し設備を改良し、平面交差支障の解消、および折返し線の本線化を目的とした営業線改良工事(以下、本工事)を行っている。本稿では、飯田橋方の既設躯体直下に位置する新設下床版の築造に伴う、事前検討および施工結果について紹介する。

○タワークレーン3次元自動誘導システムの開発
/戸田建設(株)/山内 博史
タワークレーンのオペレーター、および鉄骨工事作業員の省人化や負担軽減等を目的として、鉄骨工事におけるタワークレーンの揚重作業を自動で行う「タワークレーン3次元自動誘導システム」を開発した。

○既設避難連絡坑の断面拡幅による供用中トンネルへの接続
/鉄建建設(株)/越智 康博
青垣内山トンネル工事は、暫定2車線で運用されていた高速道路を完成4車線にするトンネル新設工事であり、新設トンネルから供用中トンネルへ接続する延長30.3mの避難連絡坑の施工も行った。供用線側の作業は、夜間通行止めの限られた時間内での作業という制約がある中、各施工段階の工夫により、供用中トンネルに支障をきたすことなく、無事に避難連絡坑を接続することができた。

○建設現場の省力化に活かす最近のローカル5Gの動向
/(株)エイビット/藤野 学
法制度後、5Gの特長である超高速大容量(eMBB)、超多数接続(mMTC)、超低遅延高信頼通信(URLLC)を活かし、農業、漁業といった一次産業から、二次産業である製造業、建設業、そして三次産業である情報産業まで幅広い分野で実験が行われてきた。製造業への応用は、工場内での省電力化、省人化等に貢献し十分な費用対効果が見込まれるため、早急な実用化が期待されている。本稿では、工場内でローカル5Gを活用する際の課題と、その解決方法について紹介する。

■話題の工法
○水質を汚濁させない高揚程のダム浚渫工法
/(株)フジタ/服部 哲也・稲見 悠太
継続的な堆砂の除去はダムを健全に運用していくうえで欠かせない要素である。しかし、取水設備近傍においては、水質汚濁の発生抑制が困難である従来の浚渫工法では下流環境や発電設備への影響の懸念から発電と並行した施工には制限があった。そこで、ダム湖の水質を汚濁させずに30m以上の高揚程の堆砂除去が可能な浚渫工法を開発した。

○コンクリート打込み数量・時間管理システム
/安藤ハザマ/田辺 重男
一度に大量のコンクリートを打ち込む際、複数の生コン工場から出荷されたコンクリートを数台のポンプ車を用いて打ち込む必要がある。この場合、トータルの打ちみ数量、および「練り混ぜてから打ち終わるまでの時間」をリアルタイムに把握するためには、多くの施工管理人員が必要になる。省人化を図るため、AI(画像認識、文字認識)を利用したコンクリート打ち込み数量・打ち込み時間管理システムを開発した。大型ケーソン工事にて検証を繰り返し、最終的には認識率がほぼ100%となった。

■製品紹介
○日本初、ブーム系クローラー式電動高所作業車の開発
/長野工業(株)/新井 健司

■業界情報
○2023年2月度 建設機械出荷金額統計
/(一社)日本建設機械工業会

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