クリーンテクノロジー 2020年10月号 PDF版

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クリーンテクノロジー 2020年10月号 PDF版

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■特集:IoTとAIの最新動向とスマートファクトリーへの応用
○エッジコンピューティングをエネルギーハーベスティングで実現する
/(株)NTTデータ経営研究所/竹内敬治
本稿では、エッジノードへの電源供給技術として注目されるエネルギーハーベスティング技術の概要、同技術を電源としたエッジコンピューティングの事例、近年のエッジ低消費電力化技術を紹介し、将来展望を述べる。

○注射剤の外観異物検査へのAIの活用
/シンテゴンテクノロジー(株)/サナルディホセ
医薬品製造において、品質保証のため製品(注射剤)の異物混入と容器外観不良の検査が必要である。自動化された製造工程では、検査は画像処理技術を用いて行われる。しかしながら、製品の性質により、通常の技術では「良品」と「不良品」の見分けは要求される精度まで至らないケースが多く、画像処理の課題として残っている。例えば、高粘度の注射液に気泡が含まれている場合、検査する前に気泡を完全に取り除くことが難しく、異物との判別が困難である。そこで、近年着目されているのがAIの「ディープラーニング(深層学習)」の技術である。画像認識において高い精度を実現しつつあるディープラーニング技法により、従来は人の眼でしか判断できなかったタスクは画像処理できる可能性が広がっている。本稿では、医薬品(液剤)の外観異物検査におけるディープラーニングの活用事例を紹介し、今後の展望を述べる。

○IoTが拓く“スマートファクトリー”実証工場の紹介
/オークマ(株)/本庄宏一郎
工作機械業界は多品種少量生産のため、マスカスタマイゼーションの取り組みが積極的に行われている。この実現のため当社ではIoTを活用したスマートファクトリーの実証を新工場Dream Siteで実施し、生産性を従来の工場比で約3.5倍まで高めた。

○食品製造現場におけるデジタル技術活用、そして日本型スマート工場の実現に向けて
/(株)クニエ/井出昌浩
食品製造業の製造現場は、相対的に他業種と比較して労働生産が低いと言われている。また、近年では、マスカスマイゼーション、フードロス対応、少子高齢化による省人化などが様々な課題対応が求められている。中核となる製造現場では、それらの課題の包括的な対応として、機械化やデジタル化によるサプライチェーンや製造オペレーションの効率化、及び高度化を目的とした食品製造のスマート工場の取り組みが図られている。本稿では、改善活動といった日本の製造現場の強みを活かし、デジタル技術の活用による日本型スマート工場の実現の進め方について紹介する。

■解説
○実験用サル類の病原体検査
/(一社)予防衛生協会/藤本浩二
実験用サル類は小型実験動物で得られた実験結果をヒトに外挿するための各種トランスレーショナル研究に使用される。現在、実験用サルの大部分は東南アジアで人工繁殖された輸入サルであるが、なお、人獣共通感染症やサル特有の感染症に係わる病原体の検査が必要である。

○自己組織化エレクトレットを利用した作製が容易な振動発電素子
/千葉大学/田中有弥
エレクトレット型の振動発電素子(VEG)は身の周りの振動を利用した発電が可能である。本研究では自発的に配向する有機エレクトロルミネッセンス素子用の極性分子を利用し、荷電処理を一切必要としないVEGを実現した。

○電力自立ヘルスケアIoTに向けた発電モニタ一体型集積システム
/名古屋大学/新津葵一
IoT開発における重要な開発要素として、安定した電源の確保と高品質なセンシングがある。本稿では、それらを一体的に実現する、電力自立ヘルスケアIoTに向けた発電モニタ体型集積システムを紹介する。

○バイオ分子を用いたリチウムイオン電池正極材活物質の水熱酸浸出
/東北大学/渡邉 賢
コバルトやリチウムをリチウムイオン電池正極材活物質から回収すべく、有機酸、水、二酸化炭素といったバイオ分子を用いた新規浸出プロセスを開発している。本稿では、クエン酸を浸出剤とした研究を主として紹介する。

○ナノセルロース:実用化の現状と課題
/(株)エンパシード/平田悟史
ナノセルロースとはセルロースをナノ化した微小繊維で、話題のセルロースナノファイバーもその一つである。本稿では、ナノセルロースの種類、特性、製品化の現状、海外との開発競争における課題等について紹介する。

○気流可視化装置による気流の管理
/シーズシー(株)/難波重典
気流の可視化はクリーンルーム管理や塵埃対策を安定的に維持する上では重要な事項の一つであり、可視化することで初めて的確な対策を講じることが可能になる。本稿では、その概要を紹介する。

○赤外線カメラによる気流の可視化
/JFEテクノリサーチ(株)/福田義徳/ダイダン(株)/古川 悠
本稿では、赤外線カメラによる新たな気流可視化の原理を紹介し、独自の短時間ロックイン法で容易に解析できることを説明した。さらに定量化とリアルタイム処理が可能なことと、クリーンブースへの適用の有効性を示した。

○建設作業を想定した暑熱環境が人体に与える影響に関する実験
/戸田建設(株)/村江行忠/豊橋技術科学大学/都築和代
本稿では、建設現場における熱中症リスクの高まりに対して、自覚症状や生理反応などによる熱中症の危険度判断手法が望まれているため、作業運動と温熱環境が人体に与える影響を明らかにすることを目的に、人工気候室を用いて行った基礎的な被験者実験について紹介する。

○HACCP制度化により食品営業者が取り組まなければならないこと
/(元)厚生労働省/森田邦雄
食品衛生法の改正により、すべての食品営業者に、HACCPに沿った食品衛生管理が義務付けされ、令和3年6月1日から適用される。本稿では、HACCPとは何なのか、食品営業者は具体的に何をしなければならないのかなどを紹介する。

○赤外線イメージセンサーとその展開
/三菱電機(株)/佐竹徹也
赤外線センサーは、人感センサー、温度センサー、監視カメラ、車載ナイトビジョンなどに利用されている。本稿では、人・物の識別や人の行動把握のためのIoTセンサーとして開発した、独自のサーマル(熱型)ダイオード赤外線センサー「MelDIR(メルダー)」を紹介する。

○ガス交換ユニットを用いた拡散換気システムの性能検証
/北海道大学/羽山広文・石橋 晃/北海道ガス(株)/石垣祐里奈/飛栄建設(株)/松田順治
孤立・閉鎖系高清浄環境クリーンユニットシステムプラットフォーム(CUSP)において、気体分子の膜交換を利用した換気システムの熱および物質交換効率などの性能検証および、従来型のクリーンルームの運用システムと比較し省エネルギー性能の検討を行い、新たな換気システムの可能性を提案する。

■研究所紹介
○岐阜医療科学大学保健科学部永井研究室
/岐阜医療科学大学/永井 慎
当研究室では、数多くの研究課題をもっているが、中でもイメージング技術の研究開発について紹介する。本校にしかない特殊な装置も含めて紹介する。

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