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■特集:拡がりをみせる再生医療の現状
○再生医療に資する無菌操作と細胞製造の現状
/大阪大学/水谷 学・紀ノ岡正博
生きた細胞を製品とする製造では、工程内において想定外のばらつきが生じる。商業生産で品質のばらつきを抑えた製造を行うには、製品の開発段階より工程手順のデザインスペースを明確にすることが求められる。
○順天堂大学における細胞調製施設運営の課題と現状
/順天堂大学/藤村 聡・田中里佳
順天堂大学難病の診断と治療研究センターに整備された細胞調製施設では運営管理の一部を企業委託しながらアカデミアにおける施設運営の課題解決を図っており、本稿では、本学における施設運営の現状について紹介する。
○CPCの立ち上げと維持の歴史 〜新潟再生医療事始め
/新潟大学/中田 光
多くの大学病院において、再生医療を推進するために、細胞プロセッシングセンター(CPC)を設置している。しかし、多くは、トラブルが続き、やがて使用されなくなってきた。「始めに言葉ありき」〜我々は、CPC稼働の前にまず、運営のための組織を創り、入室のためのルールを作り、環境測定や清掃のための手順書を完成させた。2006年のことである。以来、13年にわたり、混乱なくCPCを維持してこられたのは、立ち上げ当初に企業のGMP理論について多くを学んだことが大きかった。
○細胞培養加工施設における無菌操作環境の構築に関する考え方
/大阪大学医学部附属病院/小川祐樹
生きた細胞を原料とする細胞加工物の製造では、最終加工物の無菌処理が困難であることから、継続的な無菌操作による異物混入の防止が求められる。異物混入の防止には、適切な無菌操作環境の構築およびその運用が重要となる。本稿では、無菌操作の実施に求められる無菌操作環境の構築に関する考え方について紹介する。
○細胞培養加工施設における着衣仕様と入室方法の検討
/ダイダン(株)/松尾恵倫子
CPFを運用する上で、更衣仕様や入室方法の検討は重要課題である。本稿では、普段着・クリーンインナーおよびクリーンスーツを対象に、着衣が周囲環境へ及ぼす影響について紹介する。
○安全キャビネット周囲における細胞培養操作環境のクリーン化技術
/三機工業(株)/新村浩一・植村 聡
簡単に細胞培養環境の異物混入リスクを低減させる方策として、自己循環型クリーンユニットによる気流改善技術を紹介する。本ユニットは、安全キャビネットの清浄な排気をその前面の清浄化に再利用するものであり、無動力の設備となっている。
○CPFの費用削減と交差汚染を抑制できる半開放型気流制御ブース
/ダイダン(株)/多田光輝・古川 悠
CPFにかかる建設・運用コストなどの費用削減と交差汚染の抑制を目的とした半開放型気流制御ブース「エアバリアブース®」について紹介する。
■特集:大学等のクリーンテクノロジー関連新技術3
○含細胞ミセル液の水環境浄化への応用
/日本大学/岩淵範之
低コスト・ローテクノロジーからプラント対応までを可能とするオーダーメイド型の高機能な微生物製剤の開発は、廃水処理業界で渇望されている。本研究では有機溶媒中で生育可能な微生物を使った新規製剤を開発した。
○湿潤の違いを見分けるモイスチャーセンサ
/(国研)物質・材料研究機構/川喜多仁
結露検知技術の現状と課題、および微小な水を検出可能なセンサ(モイスチャーセンサ)とその結露検知と予知に関する研究結果、応用展開について紹介する。
■解説
○炭化水素の冷媒活用とドロップイン技術
/(一財)日本自然冷媒研究開発機構/清水顕一・谷川広行・清水 誠
炭化水素の冷媒活用で「省エネ」と「地球温暖化対策」を同時に実現する。ヨーロッパや東南アジアで普及しているドロップイン技術の導入により、現実的な「ノンフロン化」への扉を開くことが可能となる。
○大空間向けタスクゾーン省エネ空調
/新日本空調(株)/永坂茂之・磯 佑輔・張 江
大空間における低層の居住域または作業域を対象に、開発した独自の吹出口を採用して部分混合によるタスク空調を行う「Lo-HAS(ローハス)™」は、空調空気の風量削減効果を期待できる省エネ技術である。本稿では、技術概要を紹介する。
○原子時計チップの開発とその展望
/(国研)情報通信研究機構/原 基揚
近年、小型原子時計が国内外にて注目を集めている。我々は、この状況に鑑み、超小型マイクロ波発振器およびMEMSガスセルの開発を進め、良好な原子時計動作を得た。
○透明中間膜を用いた常温接合法による有機ELデイスプレーの封止技術
/ランテクニカルサービス(株)/松本好家
有機ELの封止〜特にフレキシブル有機ELの封止は薄膜封止を主技術として発展してきた。当社は接着剤を使用しない常温接合技術を核に、新しい有機ELの封止を提案する。
○離散体(粒子・結晶・細胞・空隙等)の三次元推定
/(国研)産業技術総合研究所/上田高生
離散体(粒子・結晶・細胞・気泡等)の形状やサイズに係る三次元物性を、容易に計測可能なニ次元情報から推定する手法を開発した。様々な形状の離散体に適用でき、任意の三次元物性を推定できる点が特徴的である。
○安全性を優先した殺菌水選定のポイント
/(株)クレオ/吉比正弥
殺菌水の選定では、「安全」+「安定」=「安心」がキーワードとなる。本稿では、当社の殺菌水開発に於いて、安全性を中心に様々なニーズの実現を検討した過程を説明しながら、殺菌水選定のポイントを紹介する。
■製品紹介
○CPWS(閉鎖系細胞調製システム)
/PHC(株)/出口正人
■研究室紹介
○東京大学情報理工学系研究科知能機械情報学専攻廣瀬・谷川・鳴海研究室
/東京大学/廣瀬通孝
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