日工の技術雑誌

光アライアンス 2019年1月号
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Oa1901

光アライアンス 2019年1月号

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■特集:さまざまな医療現場で威力を発揮する光技術1
○5ALAと自家蛍光を併用した胸部悪性腫瘍に対する光学的診断の研究
/旭川医科/大学北田 正博・大崎 能伸・安田 俊輔・阿部 昌宏・高橋 奈七・岡崎 智・石橋 佳
胸腔内悪性病変に対する画像診断や手術時の可視診断には限界があり、低侵襲で確実かつ客観的な評価、診断システムの開発が希求されている。我々は自家蛍光観察システムを応用した光学的診断法の研究を行っている。自家蛍光観察システムとは400〜420nm前後の励起光に対する正常組織が放つ520nm前後の緑色自家蛍光と、悪性腫瘍組織で起きる蛍光発生物質の減少による色調の変化を観察、診断方法である。更に精度向上のため、光増感物質の5ALAを併用した。経口投与した5ALAはプロトポルフイリンIX(PpIX)に代謝、悪性細胞内に留まり、630nm程度の赤色〜ピンク色の発光を呈する事象を利用した光学的診断である。肺癌胸膜浸潤を含めた、転移性肺腫瘍や悪性胸膜中脾腫などの胸膜悪性病変を対象とした。本法により、胸膜悪性病変の局在診断が可能になった。早期の胸膜中皮腫の診断や微小な播種性病変の発見の他、肺癌胸膜浸潤診断による区域切除等の縮小手術の可否への応用も期待できる。

○胃癌に対する光線力学療法の多施設共同後ろ向き研究
/群馬大学/下山 康之・栗林 志行・保坂 浩子・河村 修・浦岡 俊夫/浜松医療センター/西脇 由朗
レーザー治療安全ガイドライン適応内病変の治療成績は良好であり、PDT適応病変の妥当性が確認された。大きさが適応外の病変は水平方向の照射もれを防ぐことで、治療成績を改善させる可能性が示唆された。

○化学放射線療法あるいは放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対する光線力学的療法(PDT)の実際
/福島県立医科大学/引地 拓人・渡辺 晃・中村 純・橋本 陽
化学放射線療法や放射線療法後の局所遺残再発食道癌に対して、2015年からタラポルフィリンナトリウムと半導体レーザを用いた光線力学的療法(photodynamic therapy:PDT)が保険収載された。PDTは、レーザー光照射部位だけに高い抗腫瘍効果を示すため、侵襲性が低く機能温存が可能である。

○子宮頸部初期病変に対するフォトフィリンPDT治療後の妊娠における産科学的経過
/NTT西日本松山病院産婦人科/田坂 美恵・金子 久恵・甲谷 秀子
フォトフィリンPDT療法後の妊娠経過は、母体および胎児双方に良好であり、更にその分娩経過は、前駆陣痛期が長いが子宮頸管拡張は遷延しないため、子宮温存治療において、周産期予後を改善する可能性がある。

○子宮頸がん前駆病変に5-aminolevulinic acidとLEDを用いた光線力学療法
/愛知県がんセンター中央病院/水野 美香
光線力学的療法(PDT)は、腫瘍細胞に特異的に集積した光感受性物質に、励起光を照射し、その光化学反応による殺細胞効果を利用したがんの低侵襲性治療である。子宮頸癌の前がん病変の子宮頸部上皮内腫瘍に対して5アミノレブリン酸とLED光を用いた新しいPDTを臨床試験として行ったので、その結果を紹介する。

■解説
○真珠の光学シミュレーションを応用したベースメイク素材の開発
/関西学院大学/飛谷 謙介・長田 典子
本稿では、光学シミュレーション技術と感性情報処理技術によるAnalysis by Synthesis手法を化粧品開発に応用した事例として、「真珠肌」という質感を具現化するベースメイク料開発に関する研究を紹介する。

○サブフェムト秒分解能で観る光の場の中の分子および固体の超高速ダイナミクス
/東京大学/岩崎 純史・山内 薫
超短パルスレーザーをパルス圧縮することによって、数サイクルレーザーパルスが発生できるようになり、レーザー搬送波周期より短い時間スケールで進行する物質の電子ダイナミクスの観察が可能となっている。サブフェムト秒時間分解能での物質応答を観測するための技術を紹介するとともに、これまでに我々が進めてきたアセチレンの解離性イオン化の搬送波包絡線位相依存性に関する研究やメタノール分子内で起こる超高速過程の時間分解計測による研究を紹介する。そして、今後の研究展開について述べる。

○低画素数マイクロボロメータによる超小型中赤外分光イメージング装置の新たな展開
/香川大学/石丸伊知郎
中赤外領域(波長:8〜14μm)の低画素数(例えば、80×80画素)低価格(数万円程度)マイクロボロメータ2次元アレイセンサーを用いた、波長分解能を維持したポイントワンショットフーリエ分光法について述べる。

○ボトムアップ/トップダウンレーザー加工による半導体ナノ・マイクロ結晶合成
/九州大学/中村 大輔
高強度レーザーで実現される物質のプラズマ化現象を利用したボトムアップ手法による半導体ナノ結晶合成およびトップダウン手法によるマイクロ結晶球合成と、これらナノ・マイクロ結晶の光電子デバイス応用について紹介する。

○加工用レーザー装置と加工機の最新動向
/フォトンブレインジャパン/家久 信明
現時点までに開催されたレーザー加工機の国際展示会等を主体に筆者が独自に調査して得られた最新のレーザー技術&商品開発動向の情報を基に、今後予想される新規商品や適用マーケットのトレンドについて紹介する。

○非冷却赤外線イメージセンサ
/立命館大学/木股 雅章
非冷却赤外線イメージセンサの画素ピッチは12μmまで縮小され、多様な画素数の素子が利用できるようになった。低コスト化も進み市場拡大が期待されている非冷却赤外線イメージセンサについて、技術動向と注目される応用展開を紹介する。

○食肉の光センシング
/(国研)農業・食品産業技術総合研究機構/本山三知代
「『A5』の牛肉」。我々が目にする食肉の格付。さらに高精度な評価に向け、光を使ったセンシング技術による貢献を目指す。食肉のスペクトルから得られる情報を概観し、品質を「見える化」する技術を紹介する。

■研究室紹介
○九州工業大学 大学院 工学研究院 物質工学研究系/材料開発部門 工学部 マテリアル工学科 生産造形力学研究室
/九州工業大学/北村 貴典

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