W1811-12
■特集:中小木質バイオマス発電技術とその最新動向
○中小木質バイオマス発電技術とその最新動向
/中外炉工業(株)/笹内謙一
我が国は国土の約7割が森林で占められている木質バイオマス大国にもかかわらず、未熟な林業インフラがネックとなり、バイオマス燃料の9割以上を輸入に頼っている。そこで平成27年度からは未利用バイオマス材のハードルを下げるべく、2,000kW未満の小規模出力の発電所に対して、40円/kWhという破格の買取価格が追加設定された。本稿では、2,000kW未満の小規模バイオマス発電のメリット、デメリットを述べるとともに、BTG発電、ORC発電、熱分解ガス化発電による国内の現状を紹介する。
○木質ペレット製造と木質ペレットガス化熱電併給装置
/三洋貿易(株)/中川秀樹
当社は、1956年にCPM社のペレットミルの取り扱いを開始してから62年の歴史があり、木質ペレット製造用のペレットミルについては日本国内に40台程度の納入実績を持つ。また、2014年にはブルクハルト社の木質ペレットガス化熱電併給装置の取り扱いを開始した。本稿では、木質ペレット工場を構成する機器と、木質ペレットによる熱電併給事例をいくつか紹介する。
○小規模木質バイオマス発電
/新宮エネルギー(株)/古木邦夫
2018年春、徳島県小松市に小規模の木質バイオマスによるガス化発電所1号機が完成した。当プラントはGBバイオマス発電所として(株)ゲンボクの原木市場敷地内に建設され、4月から本格的な稼動を開始している。本稿では、国内第1号機となる切削チップ専焼の、木質バイオマスガス化発電装置を紹介する。
○バイオマスガス化CHPシステム
/(株)バイオマス利活用技術舎(PEO)/三村和寿
ドイツのHolzenergie Wegscheid GmbH(以下、Holz)は2007年にバイエルン州のWegscheidに設立されたバイオマスガス化CHPの専業メーカーであり、現在は、Wegscheid近郊、Sonnenに本社と工場を移している。当社は神戸市内にある技術士事務所で、バイオマスの利活用に特化した技術コンサルタントを行っている。技術士という中立な立場であるため、Holzの代理店業務は行っておらず、日本導入アドバイザーとして専任契約をしている。本稿では、Holzのガス化CHP技術を紹介する。
○2MW級木質バイオマスガス化発電設備
/(株)トーヨーエネルギーソリューション/安部義男
ヨーロッパで商業運転の実績があるツインベッド式木質バイオマスガス化発電設備を国内に導入する。従来のタール問題を解決し、合成ガスの組成に特長のあるプロセスは、発電だけでなく、合成天然ガス、水素、液体燃料化への応用性がある。
○小規模熱電併給による地域内循環型社会の構築を目指して
/ボルタージャパン(株)/赤石勝正・渡邊 寛
当社は、平成28年4月に森林資源豊富な秋田県北秋田市に本社を移転し、フィンランドより超小型木質バイオマス発電機を輸入し販売とメンテナンスを行っている。本稿では、エネルギーの地産地消を目指した取り組みと超小型木質バイオマス発電機「Volter40」の概要を紹介する。
■特集:高濁度原水に対応した浄水処理技術
○高濁度原水への対応
/(公財)水道技術研究センター/市川 学
当センターでは、「浄水処理における濁度管理マニュアル」や「高濁度原水への対応ポイント」等で構成された「高濁度原水への対応の手引き」を作成した。高濁度原水への対応方法だけでなく、水質管理の経験が浅い技術者の学習の一助となるよう、濁度管理の必須要件や基本原則等も整理してあるので、濁度管理のレベル向上のために活用されることを期待している。
○浄水場向け運転訓練シミュレータ
/(株)オメガシミュレーション/石川真紀夫/横河ソリューションサービス(株)/田中克知
ゲリラ雷雨のような現象は、経験に基づくスキルが要求される浄水場の運転管理において、凝集剤や苛性ソーダの注入率の決定を困難にしている。一方で、水道事業に関わる職員数は減少しており、浄水のプロが育ちづらく、安定供給サービス水準への影響が懸念されている。本稿では、こうした課題解決のため高濁度原水への対応、停復電時の対応、設備異常時の対応、さらに運転管理の技術伝承にも活用できる浄水場向け運転訓練シミュレータを開発したので紹介する。
○高濁度原水に適用可能な膜ろ過システム
/(株)クボタ/保科克行
当社の槽浸漬方式セラミック膜ろ過システムは、原水濁度の変動に強い、という特長から河川表流水を原水とする浄水場を中心に全国で43件の採用実績を有している(平成30年8月現在)。本稿では、当システムの概要と適用事例を紹介する。
○粒状ろ過材による高濁度原水処理
/日本原料(株)/青島幸紀・山本隆司/日本濾研(株)/大橋伸夫
本稿では、単位面積当たりの濁質捕捉量に着目した高機能ろ過材とろ過材洗浄技術、並びに直接ろ過法の組み合わせにより高濁度原水に対応する効率的なろ過と良好な水質を得る浄水技術を紹介する。
○高濁度対応の21世紀型最新ろ過技術「ダブルクリーン式」
/日本スレッド(株)/常松佑一郎
ろ過の歴史は概して自然発生の砂ろ過(緩速ろ過)、凝集剤によって凝集沈殿させる急速ろ過、化学繊維による膜ろ過の3種類だが、この50年間で見ると膜ろ過以外に新しいろ過方式はスレッド式ろ過装置以外にはなかった。当社では、更に新しい構想のダブルクリーン式の実用化を検討しているので、スレッド式によるハイブリッド型、急速反応型の無機系凝集剤と併せ高濁度対応として紹介する。
■特集:エコスラグ有効利用の事例
○エコスラグ骨材の有効利用の課題と対策
/宮城大学/北辻政文
エコスラグ骨材のコンクリート用骨材としての利用には、大きな期待が寄せられている。今後、普及促進するためには、吸水率の小さいエコスラグを用いたコンクリートの耐久性を高めることが重要であり、ブリーディングを小さくすることが極めて重要である。
○溶融スラグのJIS改正
/(一社)日本産業機械工業会/明石哲夫
エコスラグ利用普及委員会は、(一財)建材試験センターに協力し、「溶融スラグ骨材JIS原案作成委員会」のもとで改正原案(原案作成協力者:(一財)建材試験センター)を作成、2016年10月20日に10年振りの改正公示がなされた。本稿では、これら溶融スラグのJIS改正(JIS A 5031-2016とJIS A 5032-2016)の概要について紹介する。
○水稲生育への溶融スラグの適用について
/静岡大学/一家崇志・森田明雄
溶融スラグの成分組成はほとんどがケイ酸であり、成分組成比は農業用資材として多数の使用実績があるケイカルと同等であるため、ケイカルと同様の肥料効果が期待されている。本稿では、溶融スラグの農業用資材としての特性や適応性を、ケイ酸を有用元素とするイネ科植物の水稲生育への溶融スラグ適用実証試験により評価したので紹介する。
■製品技術
○揮発性有機化学物質(VOC)、大気汚染物質(NOx等)測定技術
/ヘレウス(株)/三木高志
VOC測定に用いる光イオン化検出法(PID)及び、大気汚染物質測定用いるUV共鳴吸収分光法(UV-RAS)の基本原理、各方式の特徴、光源に関連する技術的留意点について従来法との比較を交えて紹介する。
■シリーズ
○フィールド・レポート
植物のコミュニケーションを科学する
/T.Tech.Office/田村真紀夫
■連載
○静脈物流:ごみ収集・運搬よもやま話19
ビルのごみ処理システム(2):ごみ処理設備
/循環物流システム研究所/井上 護
○下水汚泥処理設備のプラント化への挑戦14
第7次下水道整備5ヶ年計画時代(平成3〜7年)その3
/NPO21世紀水倶楽部/清水 洽
■コラム
○基礎力は大丈夫?
/HST
○小豆島八十八ヶ所霊場歩き遍路150km日記
/惠谷資源循環研究所/惠谷 浩
■製品ガイド
○溶存酸素計
※ご注意
・データ転送またはCD-Rでの販売となります。
・紙媒体からスキャンした画像データをpdf化しております、元の誌面に起因する汚れ、
歪み、またスキャナの不調によるかたむき等はご容赦ください。