W1807-08
■特集:下水道展'18北九州の見どころ
○下水道展'18北九州の見どころ
/(公社)日本下水道協会/武田裕一
7月に北九州市・西日本総合展示場において「下水道展'18北九州」が開催される。下水道展では、下水道事業の管理者である全国の地方公共団体等を対象に、全国の下水道関連企業・団体の日頃の技術開発の成果等に基づき、下水道に関する設計・測量、建設、管路資器材、下水処理(機械・電気)、維持管理及び測定機器等の最新技術・機器等を紹介する。
○オール九州・下水道コーナーの見どころ
/北九州市上下水道局/菊地康昭
20年ぶりに九州で開催される下水道展の目玉としてパブリックゾーン内で展開する「オール九州・下水道コーナー」の見どころについて紹介する。
○下水道展'18北九州での出展内容の紹介
/(地共)日本下水道事業団/久保善哉
下水道展は地方公共団体や民間企業の方々をはじめ、さまざまな下水道インフラ関係者との幅広い情報交換ができる貴重な場になっている。当事業団も「下水道展'18北九州」に出展し「パブリックゾーン」で展示ブースを設置するほか、併催企画として新たに「JS下水道トップセミナー2018 in 北九州」を開催するとともに技術報告会を開催する。
○膜分離活性汚泥法における曝気風量制御技術
/(株)クボタ/都築佑子・永江信也
膜分離活性汚泥法(MBR)は省スペースで高度処理が可能な処理方式であるが、消費電力量が最大の課題であった。当社では、省エネ化を目的とし、風量制御技術の開発を行った。実証結果に基づいた試算の結果、MBRの消費電力量は0.22kWh/m3となり、従来高度処理法と同等以下となる見込みを得た。
○高速空気軸浮上式ブロワによる省エネ提案
/荏原実業(株)/大家直樹
公共下水道の処理場における電気使用量の30〜40%がブロワの運転動力と言われており、これまでにも数々の省エネ案が考えられ実施されてきた。下水処理における省エネルギーはブロワ本体だけでなく、曝気プロセス全体においても実施されている。本稿では、省エネルギー対策に関連して効率の良い省エネルギーの高速空気軸浮上式ブロワの構造、風量制御方法と省エネ率について解説する。
○バイオガス・高濃度臭気用生物脱硫装置
/荏原実業(株)/小田切正司
工場などの有機性廃棄物や下水汚泥の嫌気性発酵で発生するバイオガスには数千ppmの硫化水素が含まれているが、ガスエンジンなどの発電設備やボイラの燃料としてバイオガスを利用するためには硫化水素を取り除く必要がある。硫化水素の制限濃度はおおむね10〜20ppm以下に設定されている。一般的な脱硫方式である乾式や湿式では、吸着剤の交換や大量の薬品、水が必要となるが、生物脱硫法は硫黄酸化細菌の酸化作用を用いて硫化水素を除去する方法であり、前述の処理方式と比べると処理コストの大幅削減が可能である。本稿では、従来の脱硫法および生物脱硫法の原理、特徴、および生物脱硫装置の実績について紹介する。
○自己熱再生型ヒートポンプ式高効率下水汚泥乾燥機
/(株)大川原製作所/君塚央修
当社は2016年度(平成28年度)に秦野市・関西電力(株)と共同研究体を結成し、同年のB-DASHプロジェクト(国土交通省/下水道革新的技術実証事業)に採択され、秦野市浄水管理センターを実証フィールドとして「自己熱再生型ヒートポンプ式高効率下水汚泥乾燥技術実証研究」を行った。本稿では、その自己熱再生型ヒートポンプ式高効率下水汚泥乾燥機について紹介する。
○管路水密性調査技術
/管清工業(株)/田中宏治
排水管からの漏水は、地下水汚染及び土壌汚染につながる。そのため、排水管の調査を行い、水密性不良箇所を特定し、修繕していくことは環境保全において重要な意義をもつものと考えられる。今回紹介するエレクトロスキャンは、電気の力により漏水の原因となる排水管の水密性不良箇所を検知することが可能な調査手法である。本稿では、エレクトロスキャンの技術の概要や性能について実証試験を行った結果と活用方法について紹介する。
○省エネ技術の実現と快適環境の創造に向けて
/三機工業(株)/田中信宏
下水道展'18北九州では、従来型の特長を有しながらもさらなる省エネを実現した「エアロウイングII」、世界トップクラスの省エネを実現し、今まさに納入事例が増えつつある脱水機「SANDEC G3」と「過給式流動焼却炉」、そして人口減少にも柔軟に対応可能な水処理システム「DHSシステム」(平成28年度B-DASHプロジェクトに採択)の四つの技術を中心に紹介する。
○破砕・脱水機構付垂直スクリュー式除塵機
/住友重機械エンバイロメント(株)/牧 和久
現在、下水処理場の沈砂池では除塵機によりし渣を掻き揚げる除塵方式が一般的に採用されている。しかし、除塵方式ではし渣と一緒に汚物等も掻き揚げるために洗浄や脱臭の設備が必要となる。また、し渣量が当初の計画より大幅に少ないため、維持管理費の削減のためによりスリムな処理方式への変更が望まれている。当社ではこれらの問題解決を目的にスクリーン付破砕機に除塵・脱水機構付き垂直搬出機を組み合わせた「スパイラルカッター」を開発した。
○耐硫酸性樹脂チェーンフライト式汚泥かき寄せ機
/住友重機械エンバイロメント(株)/柄澤俊康
下水処理場の沈殿池では底に沈降した汚泥と浮上スカムのかき寄せを同時に行うチェーンフライト式かき寄せ機が多く採用されている。特に近年では低動力化、長寿命化に適合する樹脂チェーンの開発が進んでいる。しかし、硫酸劣化による樹脂チェーンの破断や大地震によるチェーンフライト式かき寄せ機のチェーン脱輪といった問題もあり、当社ではこれらに対応するため「耐硫酸性樹脂ノッチチェーン式汚泥かき寄せ機」を開発した。
○月島機械グループのコア技術
/月島機械(株)/森田真由美・澤原大道・後藤秀徳/月島テクノメンテサービス(株)/篠木一真
当社グループは1960年代に下水道分野に参入し、半世紀以上が経過した。現在では、水処理、汚泥処理のパイオニアとして、計画から設計、建設、運転管理さらに保守保全まで、下水処理施設の水トータルマネジメントとして取り組んでいる。今年度の下水道展では、国土交通省の平成28年度下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)に採択された、脱水乾燥システムによる肥料化、燃料化技術や、バイオガス(消化ガス)の利活用技術、更には、ろ液浸漬型濃縮装置、しさ破砕機「ロタカット」など新製品を紹介する。
○環境水質自動計測器
/東亜ディーケーケー(株)/小川 清
環境保全の観点から、様々な水質分析計が活躍している。公式な環境水質分析は、原則として手分析によるものであるが、手分析では測定そのものに高いスキルが必要であるなどの事情もあり、せいぜい8時間程度の周期でしか測定できない。多少精度に問題を残しても、連続的に測定し、異常があれば直ちに排水を遮断するなどの処置を行うため、自動分析計が導入されている例は多い。そのように活用されている自動分析計の例を紹介する。これらの分析計は、昼夜を問わず、排水を監視し続けており、環境水質保全のために役立っているものと思う。
○下水放流水質の予測に基づいた送風量の最適制御
/横河ソリューションサービス(株)/吉田俊雄・田中克知・高木仁志/横河電機(株)/川田美香・青木 純・福沢充孝
近年下水処理場における反応タンク送風量の削減効果については、ICTを活用した制御技術による省エネ効果が報告されているが、放流水質への影響については、結果として省エネ制御技術導入前後で処理水質変化がないことが報告されている。しかしながら実際の運用においては、省エネに優先して最終品質である放流水質を担保する必要がある。筆者らは反応タンク送風量を最適化するデータ駆動型モデリング技術を用いて、水質維持と省エネ効果の両立を目的とした実証試験を行い、一定の成果を得たのでこの結果について報告する。
■特集:食品工場における最新の排水処理技術
○油脂含有排水を対象とした新規処理技術の紹介
/水ing(株)/新庄尚史・森田智之・塚本敏男・吉田伸二・塚本祐司
従来産業廃棄物として処分されていた油脂フロスの全量に生物処理を施し、下水道放流が可能な処理水質を達成できるオイルイータプロセスを開発した。本稿では、ラボ試験及び実プラントの立上運転を行った事例について紹介する。
○粉砕撹拌流と微細気泡の効果
/(株)アイエンス/吉田憲史
当社では有機物粉砕、槽内撹拌、微細気泡発生を低圧損で実現した散気装置「アクアブラスター」のメーカーとして開発を行ってきた。このアクアブラスターを正しく使用することで、これまでにない排水処理が具現化しているので、事例を交えて開示する。
○下水放流に適した食品排水処理技術
/(株)エイブル/神田 隆・小林信彦
食品工場のなかでも弁当・惣菜や日配品などは、消費地近郊に立地する場合が多く、排水処理設備の放流先が下水であることも多い。下水放流では、河川放流時とは異なる技術を用い、低コストで運転管理の容易な排水処理システムを構築することが望ましい。当社は、固定床式の排水処理装置である回転児雷也を中心にした、下水放流用の排水処理システムを確立し、食品工場を中心に50件を超える設備を納入してきた。本稿では、そのメリットについて紹介する。
○食品分野におけるファインバブルの用途・実績例
/エンバイロ・ビジョン(株)/豊岡正志
食品、化学、自動車、製紙、エレクトロニクスなど大手企業の工場で採用されているファインバブル発生装置「YJノズル」を本稿では紹介する。排水処理で使用する場合は原水槽、調整槽、曝気槽などに投げ込みで設置するだけで臭気や余剰汚泥が大幅に減少する。しかも廉価なので短期でコスト回収が可能。また洗浄効果が大きく向上するため、食品分野ではCIPユニットの送り出しタンクに取り付けるだけで熱凝固系蛋白の残渣物が完全除去できて薬剤使用量も大幅に節減できる。
■シリーズ
○フィールド・レポート
先進性の意味が問われる「永続地帯」の研究
/T.Tech.Office/田村真紀夫
■連載
○静脈物流:ごみ収集・運搬よもやま話18
ビルのごみ処理システム(1)
/循環物流システム研究所/井上 護
○下水汚泥処理設備のプラント化への挑戦12
第7次下水道整備5ヶ年計画時代(平成3〜7年)
/NPO21世紀水倶楽部/清水 洽
■コラム
○夏は虫の季節
/HST
■製品ガイド
○水処理用散気装置及び撹拌機
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