L1802
■特集:フィルタの最新動向と今後の展望
○極細繊維の開発動向
/東京工業大学/鞠谷雄士
スパンボンド法及びメルトブロー法による空気流を利用したウェブの製造における繊維の極細化につき、その限界を支配する本質的要因、プロセスの効率化、材料設計、多成分紡糸法の利用などの観点から、近年の技術開発動向及び研究動向を紹介する。
○回転フィルタの構造検討および性能評価
/日本無機(株)/関 和也・小林 誠・包 理/金沢大学/大谷吉生・瀬戸章文
本研究で、ファンの回転を利用してフィルタだけを回す回転フィルタを試作し、その性能評価を行った。ファンとフィルタ部が一体になることで、送風と回転フィルタの両方の機能を持たせることができるため、省スペース化・省エネ化が期待できる。本稿では、この回転フィルタを使用し、回転数に伴う捕集率と圧力損失の変化を確認し、ろ材回転の効果を検証した。
○回転フィルタを用いるエアロゾル粒子径分布の測定
/金沢大学/汲田幹夫・田中 豊・島津浩介・Hyun-Jin Choi・小澤 凌・瀬戸章文・大谷吉生
著者らが考案した回転フィルタは、従来の機械的捕集機構に遠心力による機構を取り入れたもので、低圧力損失下で高いエアロゾル捕集効率を実現できる。本稿では、回転フィルタとフォトメータと組み合わせ、多分散粒子の透過率データから粒子径分布を決定する技術について紹介する。
○湿式抄紙過程におけるナノ繊維混合によるエアフィルタの性能向上
/三善製紙(株)/大森陽一/日本無機(株)/小林 誠・包 理/金沢大学/瀬戸章文・大谷吉生
湿式抄紙法によりナノ繊維混合ろ材を作製すると三次元的な繊維分散性が良好なシートを得ることができる。本稿では、抄紙条件の変化が及ぼすろ材内部構造の影響を確認し、最適抄紙条件を調査した。その結果を紹介する。
○ガラス繊維エアフィルタ濾材の高性能化
/北越紀州製紙(株)/佐藤 正・根本純司・楚山智彦
ガラス繊維エアフィルタ濾材において、低圧力損失・高捕集効率化は、常に求められ続けている課題である。この課題に対して、従来の濾材製品の改良、およびセルロースナノファイバーを複合化した新規濾材の開発についての検討結果を紹介する。
○繊維充填層フィルタ構造の性能に及ぼす影響
/金沢大学/金岡千嘉男/日本無機(株)/包 理/麻益(株)/木村勇男
本稿では、3種類の市販ろ布と、表面加工は異なるが同一素材製のろ布について、目付、通気度などを詳細に測定し、メーカー情報との整合性、粒子排出量、表面加工の効果などについて検討した結果を紹介する。
○光半導体担持フィルタによる微小粒子状物質(PM2.5)の無害化
/東海大学/三澤和洋・久須窪雄希・蘓原滉稀・関根嘉香
光半導体TiO2を担持した石英繊維フィルタを作成し、これを用いて微小粒子状物質(PM2.5)をろ過捕集後、バンドギャップに相当する紫外線を照射することによってPM2.5に含まれる有害炭素成分を分解し、無害化に寄与した。
○静電紡糸法によるセルロースナノファイバを複合したポリマーファイバの合成
/広島大学/荻 崇・村田浩之・RatnaBalgis/日本無機(株)/包 理・小林 誠
本研究では、静電紡糸法を用いてCNFを複合したポリマーファイバを合成し、PVP濃度、CNF濃度を変化させてファイバ形態を評価した。その結果を紹介する。
○防カビフィルタ
/日揮ユニバーサル(株)/高野仁郎
当社ではカビの胞子にダメージを与え、カビの増殖を抑える剤を、エアフィルタ用ろ材(ガラス繊維、不織布)に加工することに成功した。本稿では、フィルタで起きているカビの現状と防カビフィルタの効果について紹介する。
○防虫対策システム
/(株)アクシー/畠山翔太郎
■製品特集:エアシャワー
○17型エアーシャワー
/日本エアーテック(株)/丸山秋広
○除電・除塵・除菌機能付きエアシャワー
/日本無機(株)/三関 元
○日立エアシャワー
/(株)日立産機システム/菊池輝夫
○多様化する業種に適したエアシャワーの選定と管理
/シーズシー(有)/難波重典
■連載
○わかりやすく学べるクリーンルームの基礎と汚染対策 第56回
/新日本空調(株)/水谷 旬
■製品紹介
○可搬型過酸化水素除染システム
/(株)大気社/橋上勘十
■研究室紹介
○芝浦工業大学建築学部建築学科西村研究室
/芝浦工業大学/西村直也
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