W1711-12
■特集:基幹的設備改良工事にひと工夫
○ごみ焼却施設の高度化改良工事
/(一財)日本環境衛生センター/佐藤幸世
ごみ焼却施設の高度化改良工事は、交付金を活用して多くの自治体で進んでいる。高度化改良工事の改良の目標・工事内容・留意点、代表的な改良例を紹介するとともに今後の課題をまとめた。
○福井市クリーンセンター基幹的設備改良工事の概要
/(株)IHI環境エンジニアリング/梶原吉郎
福井市クリーンセンターで実施した基幹的設備改良工事で、ボイラの改造や既存発電機の容量増を行わず、各機器のインバータ化等による省電力化、蒸気復水システムの改良、小型発電機の導入等により、CO2削減率40%以上を達成した。
○小型蒸気発電機の導入により発電施設へ改良
/JFEエンジニアリング(株)/鈴木雄介
ごみ焼却施設を発電施設とする基幹的設備改良工事を実施した。既存のボイラ蒸発量の範囲で、操業に必要な蒸気量を確保しつつ、運転炉数等による蒸気量の変動に対応でき、かつ、発電量を最大化できるシステムとした。
○水噴射式ごみ焼却施設から発電施設へ
/川崎重工業(株)/間瀬貴司・鈴木祥平
パリ協定発効により更なるCO2削減の機運が高まるなか、環境省の循環型社会形成交付金を活用して既設ごみ焼却施設の基幹改良・延命化工事の需要が増加している。本稿では、水噴射方式からボイラ方式に変更することにより、大幅なCO2削減を達成できた鹿沼市環境クリーンセンター基幹的設備改良工事の計画事例を紹介する。
○中小規模処理場向け下水汚泥脱水乾燥システム
/月島機械(株)/西谷麻菜美・高尾 大・中村友二・森田真由美
中小規模の下水処理場を対象に機内二液調質型遠心脱水機と円環式気流乾燥機を組み合わせた脱水乾燥システムの技術開発を行った。本プロセスより得られた乾燥汚泥の有効利用を目指した肥料化・燃料化の実証研究を紹介する。
○小規模ゴミ焼却施設用パネルボイラ式排熱回収発電システム
/日立造船(株)/坂尾浩嗣・堀井裕太
当社では小規模ゴミ焼却施設用に改造コストの低減、運転管理の容易性を目標として「パネルボイラ」を開発した。改造コストを抑えるためには従来のような複雑な伝熱管を排除し、四面の垂直な水管壁による放射伝熱部で構成することを基本構造とした。シンプルな構造とすることで点検整備および維持管理が容易となり運転管理の容易性も可能となった。
○基幹的設備改良工事における発電出力向上事例
/三菱重工環境・化学エンジニアリング(株)/西村 宏
当社の基幹改良工事において、低空気比燃焼技術などにより改善を実施しているが、消費電力量は10〜30%改善されて、発電効率1.1%改善された事例がある。引き続きご要望に添った提案・工事を実施していく。
■特集:最新の紫外線技術
○紫外線を利用した水処理技術の動向
/(一社)日本紫外線水処理技術協会/伊藤博文
水処理における紫外線処理の概要と約10年前から水道施設にも使用できるようになった紫外線処理についても述べる。また筆者が会長を務める(一社)日本紫外線水処理技術協会の活動についても紹介する。
○UV-LEDを用いた大水量処理装置、設計上のポイント
/水ing(株)/石川智朗
水処理用紫外線照射装置の光源には水銀ランプ(低圧または中圧水銀ランプ)が用いられているが、近年殺菌に有効な深紫外線を発するLED(UV-LED)の開発が進み、水銀ランプに代わりうる新技術として注目を集めている。本稿では、UV-LEDの特徴と現時点でのメリット・デメリットを整理し、これまでの知見に基づいてUV-LEDを用いた大水量処理装置の設計上の注意点を述べる。
○螺旋流外照式紫外線照射装置による超低透過率水の消毒
/千代田工販(株)/出口憲一郎
畜産排水中の病原ウイルスに対する紫外線消毒を一つの適用分野と位置付け、紫外線透過率が1%以下の超低透過率水に対しても高い紫外線照射効率が得られる螺旋流外照式紫外線照射装置を新規開発し、基礎データを取得したので紹介する。
○UF膜ろ過と紫外線消毒を用いた高度再生水システム
/(株)/西原環境/永松真一
本研究は平成27年度に下水道革新技術実証事業として採択され、国土交通省国土技術政策総合研究所からの委託研究として、当社と東京設計事務所、京都大学、糸満市の4者によって実施したものである。研究においては再生水の農業利用を念頭に、JSTCRESTプロジェクトの検討結果に基づき、従来技術と比較してより低コストかつ、安全な再生水の製造が可能となる技術の実証を行った。本稿では、その研究成果について紹介する。
○深紫外LEDの流水殺菌応用
/日機装技研(株)/渡邊真也
当社グループは2014年にノーベル物理学賞を受賞した名古屋大学の赤﨑勇先生、天野浩先生の指導の下、DUV-LEDに関する研究成果の実用化開発に2006年から着手している。2014年には量産体制を整え、現在は水処理への応用に向けた装置製品の開発にも注力している。本稿では、深紫外光が有する殺菌効果の視点から、自社生産するDUV-LEDに求められる実効的な性能、およびDUV-LEDを搭載した水処理用途向けのモジュールの一部を紹介する。
○UV-LED光源を用いた反応器内UV照度の算出
/(株)日本フォトサイエンス/山越裕司
UV-LEDを光源とし、その全光束と配光特性の情報から光反応器内の任意の位置のUV照度を求める方法を示し、ペットボトル型回分式反応器内の平均UV照度に及ぼす配光特性の影響について調べた。
○UV-LEDを用いた流水式紫外線照射装置の開発
/メタウォーター(株)/志賀淳一・杉本隆仁・伊藤昌宏・草野 吏
無水銀光源として応用が期待される紫外線発光ダイオード(UV-LED)を搭載した実施設規模(2,000m3/日)の流水式紫外線照射装置を製作し、生物線量計により装置の性能評価を実施したので、この結果と考察を中心に紹介する。
■解説
○気候変動適応策としての水浄化技術の貢献
/東京都市大学/小関康雄・伊坪徳宏
■シリーズ
○フィールド・レポート
炭素循環とメタン生成菌
/T.Tech.Office/田村真紀夫
■連載
○静脈物流:ごみ収集・運搬よもやま話16
収集・運搬の効率化:中継輸送システム
/循環物流システム研究所/井上 護
○放射能汚染土壌に対する研究と対策10
放射能汚染土壌の解砕洗浄技術
/弘前大学/石山新太郎
○下水汚泥処理設備のプラント化への挑戦8
第6次下水道整備5ヶ年計画時代前半(昭和60年〜平成2年)
/NPO21世紀水倶楽部/清水 洽
○沿岸環境の保全・再生技術4
あたらしいアマモ場再生技術(2)
/鹿島建設(株)/山木克則
■コラム
○外来種が話題です
/HST
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