G1608
■解説
〔外観検査〕
○超高速表面検査を実現する分散融合型暗視野レーザスキャナ
/(株)日立製作所/矢崎 秋夫/東京大学/合田 圭介
/カリフォルニア大学/Bahram Jalali
今後急成長が見込まれるフレキシブルデバイス市場において高速表面検査へのニーズが高まっている。こうした潮流を受け、超高速検査を実現する従来検査技術と異なる原理に基づいた分散融合型暗視野レーザスキャナを開発した。本開発技術は、時間・空間分散の組み合わせにより、従来技術に対し約1,000倍高速な表面検査・イメージングを可能とする。
〔セキュリティ〕
○スムーズで正確な本人確認を実現するウォークスルー型指静脈認証技術
/(株)日立製作所/松田 友輔・三浦 直人・長坂 晃朗・宮武 孝文
駅や空港など多くの人が集まる場所での本人確認時の混雑を解消する手段として、ウォークスルー型の指静脈認証技術を提案する。本手法では歩きながら指をスムーズに提示できる装置形状を実現しながらも、距離カメラを利用することで指の位置に応じた光源制御を行い、鮮明な指静脈パターンが撮影できる。また、同時に撮影した複数の指の静脈パターンを認証に利用することで、1本指のみの認証と比べて大幅な精度向上を実現した。
〔メディカル〕
○放射線治療のための画像処理
/群馬大学/久保田 佳樹
放射線治療は高精度化が進み、より集中制の高い照射が可能となった。しかしその反面、照射位置がずれた場合の正常組織への影響は大きいため、高精度に照射するために画像誘導放射線治療(Image-guided radio therapy:IGRT)が広く行われてきている。IGRTにはregistration法やtracking法など様々な画像処理技術が応用されている。今後、さらなる画像処理技術の発展により、放射線治療がより安全なものになることが期待される。
〔インフラ整備〕
○曲面マーカ読み取り手法を用いたケーブル識別
/(株)東芝/田副 佑典
ケーブル等の目視による見分けが難しい物体の個々を識別するために、マーカをタグとして取り付け、画像認識によって複数のマーカを同時に読み取る技術を開発する。マーカの局所的な形状はケーブルの形状に依らずほぼ不変なことを利用し、局所領域の位置と方向からマーカの領域を特定し、一つのマーカと判断された領域に対して情報の読み取りを行う。
〔生活支援〕
○「見る」を助ける携帯端末
/新潟大学/渡辺 哲也
視覚障害者によるスマートフォンとタブレットの利用状況、スマートフォンとタブレットで実現された視覚障害者の生活を変えるアプリや機能、これらのアプリや機能を実現した要素技術と、今後必要とされる技術について解説する。
〔認証・検出〕
○3次元点群の空間的広がりに着目した高速キーポイント検出
/中京大学/橋本 学
3次元物体認識のための高速な特徴点(キーポイント)検出手法を提案する。物体の局所領域では、形状によって点群の空間的な広がりが異なり、結果として領域内の点数も変化するため、この差異に基づいて高速にキーポイントを検出する。キーポイント検出の性能評価実験の結果、提案手法は従来手法であるISS法と比較して、同等の繰り返し検出性能を維持しつつ、処理速度は約2倍と、大幅に高速化できたことを確認した。
■特集1:赤外線カメラと検査・解析ソリューション
○可視光からSWIR光をカバーする分光用カメラ及び波長可変型光源
/(株)ブルービジョン
本稿では、900〜1,680nmのSWIR波長帯域(短波赤外線)に有用な入力装置である、分光カメラ、レンズ、波長可変型光源を紹介する。
○InGaAs近赤外線カメラ/CMOS近赤外線カメラ
/(株)アートレイ/今井 信司
最新の近赤外線カメラ(InGaAs、InGaAs/GaAsSb、CMOS)の製品の紹介と、太陽電池のEL発光による検査の事例などを紹介する。
○ガラスの温度測定、高温測定に特化したモデルから探るサーモグラフィの選定方法
/(株)アルゴ/橋尾 明希
「サーモグラフィ」を選定する際には何を注意すべきか悩むことも多いのではないだろうか。本稿ではOptris社のガラスの表面温度測定用、高温測定用など用途に特化したサーモグラフィのモデル紹介を含め、サーモグラフィの選定について述べる。
○遠赤外線ディテクター概要及びマシンビジョンへのサーマルディテクターの適用について
/Teledyne DALSA Inc./テレダイン・ダルサ(株)/Inder Kohli・Jean Brunelle・Rejean Denoncourt・岩田 隆之
/伊藤忠テクノソリューションズ(株)/武本 憲幸
赤外線ディテクターの種類や性能指標等の概要について解説し、さらに、Teledyne DALSAの最新製品であり、従来型をしのぐ特長を持つ、非冷却遠赤外線ディテクターCalibirTM640について紹介する。
○赤外線サーモグラフィによる非破壊検査技術
/JFEテクノリサーチ(株)/二村 智昭
熱画像の解析には、一般にロックイン法が用いられるが、当社ではこれを改良した解析法として、独自のセグメントロックイン法を開発した。本稿では、アクティブサーモグラフィ法のうち、温度波法による検査事例と、このデータに対してセグメントロックイン法を適用した例について紹介する。
○高ダイナミックSiセンサカメラによる600〜3,000℃の高温物体の非接触温度測定
/デルフトハイテック(株)/古家 勇
DIAS Infrared社ではSi、InGaAs、マイクロボロメータなど測定温度域に対して最適なディテクタ・波長を使い分けた様々な種類のサーモグラフィカメラを製造している。本稿では0.8〜1.1µmの波長に感度を有する高ダイナミックレンジのシリコンセンサを使用し、600〜1,500℃、更にオプションにて1,400〜3,000℃の温度測定が可能な、高温物体を高精度に測定することに特化した製品について紹介する。
○温度計測にこだわった可視カメラも搭載 小型ネットワーク赤外線サーモグラフィ
/フリアーシステムズジャパン(株)/吉田 慎吾
超小型赤外線サーモグラフィFLIR AX8は、機械室やサーバールームなどの比較的小さい領域における熱監視や火災予防監視に最適である。これまで価格的理由により数台しか設置できず監視する箇所も限られてきたが、魅力ある価格帯の実現により数十台、数百台使用による細かい領域に対する熱監視が実現できるようになる。本稿では従来製品にはなかったコストパフォーマンスを持つ本製品の特徴を紹介する。
■特集2:特殊な分野・用途で活躍するカメラ
○超小型ハイパースペクトルカメラの産業応用
/(株)システムズエンジニアリング/青柳 光洋
米国BaySpec社製超小型ハイパースペクトルカメラOCIシリーズの登場により、野外利用やUAVへの搭載など、様々な分野へのハイパースペクトルカメラの産業応用が格段に容易となった。今回は製品の紹介と共にいくつかの応用例について紹介する。
○防爆カメラ製品における防爆構造規格
/(株)スリーディー/佐藤 槙
様々な爆発雰囲気環境において電気機械器具を配置するには、適正な規定を制定し、厳格にこれを順守することが肝要である。本稿では、独立行政法人労働安全衛生総合研究所が示す「工場電気設備防爆指針」の中で、電気機械器具防爆構造規格における防爆カメラの技術適合要件の概略を紹介する。
■話題の製品と技術
○筐体画像センサメーカ初のパッケージソフト販売
/シャープマニファクチャリングシステム(株)/桜井 秀樹
SHARP筐体型画像センサIV-S300シリーズのソフトを市販PCでそのまま動作するものを発売開始した。ユーザの“得”を紹介する。●顧客の投資コストを下げること、●機能ランク別パッケージで必要に応じた選択ができること、●価格対速度を顧客側で選択ができること。フリー版(期間限定)を用意。HPよりダウンロード後、Web Cameraを使用してノートPC上で動作確認が可能。
■製品ガイド:最新!赤外線〔カメラ・レンズ・照明〕
○カメラ
(株)アートレイ/(株)アド・サイエンス/(株)アルゴ/伊藤忠テクノソリューションズ(株)/(株)エーディーエステック/オリエントブレイン(株)/(株)シーアイエス/(株)ジェイエイアイコーポレーション/シナノケンシ(株)/デルフトハイテック(株)/フリアーシステムズジャパン(株)/ブレインビジョン(株)/(株)プロリンクス/(株)マイクロ・テクニカ
○レンズ
(株)ヴイ・エス・テクノロジー/エドモンド・オプティクス・ジャパン(株)/(株)オフィールジャパン/(株)オプトアート/興和光学(株)/(株)タムロン/(株)東京パーツセンター/(株)山野光学
○照明
(株)イマック/オプテックス・エフエー(株)/京都電機器(株)/(株)ケンコー・トキナー/シーシーエス(株)/(株)タムロン/(有)シマテック/日進電子工業(株)/日本ピー・アイ(株)/(株)ブルービジョン/(株)ユーテクノロジー/レボックス(株)
■コラム:マルコーニの彼方へ190
○生きづらさの正体をとらえてみる
/ヤマネコ
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