W1607-08
■特集:拡大する木質パイ才マス発電事業
○循環流動層ボイラのバイオマス発電への適性について
/JFEエンジニアリング(株)/内海高博
2011年3月11日の東日本大震災による電源事情の変化、FIT によるインセンティブの追風により活況になっている木質バイオマス発電において、主たる燃焼方式としての循環流動層燃焼(ボイラ)から見た、設備上の受容力と配慮点、環境への適用性について概説する。
○木質バイオマス発電施設
/荏原環境プラント(株)/森津伸哉
当社では1974年に英国より旋回流動床炉の基本技術を導入し、流動床ボイラへと独自に開発・進化させてきた。現在ではこれら各種内部循環流動床炉をその目的・用途に合わせ使い分けている。本稿では近年、FITの追い風もあり木質バイオマス発電プラントとして利用が広がっているエバラ内部循環流動床ボイラについてその構造・特長・今後の展望を述べる。
○自溶合金IHフュージングの最先端技術
/第一高周波工業(株)/守田勝
電力小売が全面自由化され、今まで以上に低コストで安定稼動する電源が求められる中、当社では長年培ってきた高周波誘導加熱技術を応用した幅広い製品の開発や実用化をすすめている。本稿では、国内、海外で使用実績が増えつつある高温耐食性、耐摩耗性の優れたNiベース自溶合金ライニング鋼管(DHFバイメット)とその関連商品を紹介する。
■特集:最新の膜技術
○水処理膜技術の最新動向
/(一財)造水促進センター/大熊那夫紀
近年、都市開発や人口増加に伴う水不足は大きな社会問題となっている。水不足の対応には、海水淡水化や水の再利用が必須になり、そこには、膜処理技術の活躍の場があるといえる。しかし、膜は寿命による交換費が、コスト増につながり市場拡大を阻む原因の一つと言われる。その解消には、膜の量産化が期待できる水道や下水道などでの市場展開が急務となる。本稿では、市場拡大が期待される水処理各分野における最近の適用例の動向を概説する。
○浄水膜における薬品添加逆洗(CEB)技術
/オルガノ(株)/大江太郎
本稿では除濁膜の課題の一つである膜のファウリング(目詰まり)に対し有効な手段である薬品添加逆洗(CEB)を取り上げる。CEBは主として膜のファウリングが発生しやすい排水回収で活用されている技術である。
○大規模膜分離活性汚泥法の実績紹介
/(株)クボタ/永江信也
当社では1989年より膜分離活性汚泥法(MBR)向け浸漬型平膜ユニット「液中膜」及び液中膜を用いたMBRシステムの開発に着手し、1990年以降、浄化槽、し尿処理、各種産業排水等の分野で膜ユニットを納入してきた。主に小規模排水処理を対象としていたが、膜ユニットの大型化・省エネ化を図り、近年では中大規模下水処理場等へも拡大している。本稿では、大規模MBR処理設備の実例について紹介する。
○担体を用いたMBRの高機能化
/(株)神鋼環境ソリューション/丸野紘史・三浦雅彦
MBRの課題である曝気ブロワのエネルギー消費量を低減するため、当社では、揺動担体を用いることで曝気量を低減させる低動力型MBRを開発した。また、MBRの更なる省スペース化のため、流動担体を前処理に付加した高負荷型MBRを開発した。本稿では、これらの試験結果について紹介する。
○PTFE中空糸膜によるMBRシステムの省エネ化
/住友電気工業(株)/森田徹
大型化かつコンパクト化された省エネ型PTFE中空糸膜モジュールが製品化された。この製品技術は、日本下水道事業団の実証研究等においても、年間通して、良好な処理水質と共に、消費電力量を従来比で大きく低減(0.4kWh/m3以下)しかつ安定的な運転が実証された。
○最新の海水淡水化システム
/東洋紡(株)/熊野淳夫
最新の海水淡水化システムとして、CTA製中空糸型ROモジュールを用いた間欠塩素殺菌法からなる耐ファウリング性に優れたシステムと、近年注目されている省エネ性に優れた正浸透膜システムの概要と特徴について紹介する。
○FIRSTプログラム「メガトンウォーターシステム」
/東レ(株)/竹内弘・栗原優
世界の水問題解決とわが国の中長期的な国際競争力強化への貢献を基本コンセプトに、省エネルギー、低環境負荷、低コストの水処理基幹技術を開発し、国際競争力を有する海水淡水化メガプラントシステムの実用化に目処をつけることができた。
○高集積型MBRモジュールを用いた実証試験
/三菱レイヨン(株)/古野真介・下野達観/水ing(株)/吉田秀潔・秦良介
/三菱化工機(株)/花岡平・伊東正敬
/三菱レイヨンアクア・ソリューションズ(株)/菊池隆・狩野久直
/(地共)日本下水道事業団/山下喬子・橋本敏一
膜分離活性汚泥法(MBR)は標準活性汚泥法に比べ省スペースかつ良質な処理水が得られる。その一方で、消費エネルギー量が大きいことが課題であり、特に膜ろ過性能を維持するための膜洗浄用ブロワのエネルギー消費量が大きいことがMBR普及の壁になっている。この課題解決のため、処理水量あたりの消費電力量0.4kWh/m3以下を目標として共同研究を行った。本研究では新規開発した高集積型膜モジュールを用いて、MBR省エネルギー化の実証試験を行ったので、本稿においてその結果を紹介する。
■特集:水環境分野で期待されるロボット
○ミミズの蠕動運動を用いた圧送管検査用ロボッ卜の開発
/中央大学/富田健・石川龍太郎・中村太郎/管清工業(株)/高田淳
圧送管のような複雑な管路を持つ下水管に対し,著者らはミミズの移動手法である蠕動運動を用いた検査ロボットを開発した。本稿では開発したロボットとフィールドワークの結果を紹介する。
○水中点検ロボットのダム現場実証試験
/(株)大林組/浜地克也・椎名肖一・三輪徹・沼崎孝義・江原雅洋/広和(株)/勝田尚義・竹垣雅登・阪幸宏
/メルシェア(株)/永井達夫/ビットバード(株)/瀧本義昭
本稿では国交省の公募「次世代社会インフラ用ロボット技術」の対象となった、アクアジャスター搭載の水中点検ロボットの機能ならびにダム現場での実証試験結果について報告する。
○遠隔操作無人探査機による水中構造物点検診断システム
/五洋建設(株)/杉本英樹・小笠原哲也/水野剣一・森屋陽一
社会インフラの老朽化にともない、効率的・効果的な維持管理手法の整備が急がれている。本稿では国土交通省による公募対応で得られた、水中遠隔操作無人探査機によるダム堤体水中部の点検調査手法の現場検証結果を紹介する。
○浄水用水中清掃点検ロボット
/荏原工業洗浄(株)/日高保
配水池の清掃ロボットは、水族館の自動清掃ロボットを進化させたもので、単純な清掃機能から点検機能を付加し進化し、床面の清掃点検だけで無く、天上や壁面等も点検出来るROVに生まれ変わった。
■解説
○下水は流しながら処理しよう
/東京大学/佐藤弘泰
○使用済み紙おむつのリサイクルによるパルプ再利用の環境影響評価
/ユ二チャーム(株)/今井茂夫・和田充弘
焼却処理されていた使用済み紙おむつを紙おむつへ戻す再生化技術を開発した。微生物の影響を排除した衛生的で安全な素材を取り出し、温室効果ガスCO2を30%削減することができる。この再生化の環境影響評価を紹介する。
■シリーズ
○フィールドレポート
水面下に潜む底泥を探る挑戦
/T.TechOffice/田村真紀夫
■連載
○下水汚泥処理施設のプラント化への挑戦1
第3次下水道整備5ヶ年計画時代(昭和46〜50年)
/NP021世紀水倶楽部/清水治
■製品ガイド
○水処理用散気装置及び撹祥機
◆環境装置受注統計
/(一社)日本産業機械工業会
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