環境浄化技術 2013年3・4月号 PDF版

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環境浄化技術 2013年3・4月号 PDF版

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■特集:下水処理場における放射性物質への対応
○〔総論〕下水処理場における放射性物質への対応
/北九州市立大学/楠田哲也
福島第一原子力発電所の事故により、かなりの地域が放射能汚染に見舞われた。この状況から脱し、安全・安心な社会を回復するには、放射性物質の集中管理や除染が早急になされなければならない。下水道は除染の一施設だが、一方で下水処理場での問題も生じている。そこで、下水処理場で発生している放射能汚染の下水汚泥への対応に係わる事柄を、他の領域での事象を含めて俯瞰し、対策や今後の対応方法について考察する。

○下水道における放射性セシウムの挙動調査
/国土交通省国土技術政策総合研究所/對馬育夫
本稿では、下水汚泥が高濃度に汚染されるメカニズムを解明するため、関東・東北地方の4ヶ所の下水処理場を対象に、放射性物質の流入状況の調査および下水処理、汚泥処理、焼却・溶融処理過程における各種試料の放射性核種分析結果を報告する。

○下水汚泥等の放射性セシウムの低減化・処理処分技術
/独立行政法人産業技術総合研究所/伯田幸也・他
本稿では、放射能汚染した下水汚泥、焼却灰処理の現状を述べたのちに、関連する除染技術を紹介する。その中で、筆者らが開発を進めている酸洗-プルシアンブルーナノ粒子吸着法の特徴を述べ、本手法を適用したミニプラントによる実証試験の概要について述べる。

○下水処理における放射性物質の挙動
/(財)下水道新技術推進機構/岩見博之
福島原子力発電所の被災による水素爆発に伴い、広範囲にわたる放射性物質の飛散および地表面への降下が観測され、東京でも水道水および下水汚泥等に放射性物質が検出された。筆者らは合流式下水道整備区域の地表面に降下した放射性セシウム(Cs-134とCs-137を対象)の挙動を明かにすることを目的とし、試算を行った。

○水再生センターにおける放射性物質への対応
/東京都下水道局/根本竜弥
本稿では、当センターが2011年5月から約1年にわたり取り組んできた、放射性物質含有汚泥焼却灰の仮置保管期間における、作業員の安全確保、周辺環境への配慮、周辺住民に安心して頂くための放射線モニタリングなどを、事例報告として紹介する。

○下水汚泥からの放射性セシウム除去技術の開発
/新日鉄住金エンジニアリング(株)/嘉森裕史・他
当社では下水汚泥可溶化減容処理技術を応用した下水汚泥からの放射性セシウムの除去技術を開発し、下水処理場への適用を検討中である。本稿ではこれまでに実施してきた放射性セシウム除去に係わる実証試験の性能評価結果を中心に当該技術の紹介をする。

○中小規模下水処理場におけるセシウムを含んだ
脱水汚泥の処理対策技術/共和化工(株)/萩野武彦
福島第一原子力発電所の事故後、各地の脱水汚泥から放射性物質が検出され、中小規模の下水処理場では出荷先の肥料化施設から受け取りを拒否されるケースがでてきた。脱水汚泥は含水率も有機物量も多いために腐敗しやすく、保管が長期にわたると悪臭などの問題が起きる可能性がある。当社では中小規模の処理場を対象として簡易な処理・保管について国土交通省の業務により検討を行った。

■特集:水の高度処理分野で注目される光触媒水処理技術
○光触媒による水処理装置の展望/宇部興産(株)/山岡裕幸
光触媒の持つ優れた酸化分解力を利用した環境汚染物質の浄化技術が非常に多くの注目を集めている。本稿では、光触媒による水処理装置を実用化していく上で重要となる光触媒材料と水処理装置に関する技術を中心に紹介する。

○超純水製造装置の開発/小松電子(株)/福村康和
半導体、液晶、医薬品業界等においては、近年の技術革新、技術の高度化に伴い、イオン等の溶存物質や懸濁粒状物は勿論のこと、有機物、バクテリア、パイロジェン(発熱性物質)、細菌等のTOC(全有機炭素)成分を極力除去した超純水が求められている。当社では超純水の製造過程における有機物分解の手段として光触媒が有効であることに着目し、超純水製造装置の開発を進めた。

○超音波複合光触媒水質浄化装置
/(有)イールド/伊藤剛久
純チタン金属を強制的な表面酸化処理のみで光触媒皮膜を生成させた、日米特許光触媒チタニスターR。チタニスターに紫外線と超音波を同時に照射する水質浄化装置アクアビームRについて紹介する。

○除菌・浄化水処理装置/東洋バルブ(株)/早川昌和
当社ではオゾン・光触媒・紫外線を利用した三位一体の促進酸化処理による除菌・浄化水処理装置「ピュアキレイザー」を商品化した。この装置により循環型社会の構築に貢献できるものと考え、本稿で紹介をする。

■解説
○下水汚泥熱処理残渣に含まれる貴金属類/京都大学/大下和徹
本研究では、下水汚泥熱処理残渣中の貴金属の調査を行った。汚泥焼却灰中には、Ag、Pdが鉱石品位と同等、あるいは高い値となった。汚泥溶融炉においては、溶融ダストにAuが濃縮される傾向があり、有価物として取引できる可能性があると考えられた。

■水処理分野
○修正バーデンフォ法による汚泥分離液処理/横浜市/新田邦博
横浜市では、汚泥集約処理により発生する高い窒素・りん負荷が課題となっていた。修正バーデンフォ法による分離液処理施設にて、良好な窒素・りん処理が可能となった。これまでに得られた知見について報告する。

○汚泥処理のコスト及びエネルギー削減事例
/(公財)兵庫県まちづくり技術センター/藤原規幸

■製品技術
○公共下水道管路施設維持管理システム
/管清工業(株)/渡部一春
下水道の管路延長は平成22年度末で約43万kmとなった。高度成長期に構築された下水道管路施設の一部は布設後50年を超え、道路陥没事故の危険性が高くなっている。これらの膨大なストックをどのように管理していくか、管理手法の効率化を追求したソフトウェアを紹介する。

○高温ガス化直接溶融炉における
バイオマス固体燃料使用によるコークス使用量削減
/JFEエンジニアリング(株)/内山武・奥山契一・秋山肇

○ゼオライトロータ吸着式VOC濃縮装置/(株)大気社/勝屋訓
本稿で紹介する「アドマットZ」は、ゼオライトを吸着剤とする吸着式濃縮装置である。これは、生産設備等から排出されるVOCを含む排ガスを濃縮によって減容し、後工程の設備容量縮小とランニングコスト低減を図るものである。

○地下水用超高速生物処理装置「ケミレス」とヒ素除去技術
/(株)ナガオカ/大橋克俊・グエン・タン・チュン・蔡惠良・大岩忠男

○オートアナライザーによる土壌分析等における
公定分析法との比較検討について/ビーエルテック(株)/熊澤頼博
昨今、土壌の調査、掘削除去、浄化等の要求は増加している。フェーズ2や3と呼ばれる概況や詳細調査を効率的に実施するには、大量数の分析試料を迅速かつ正確に実施することが必須条件になってくる。当社が製造販売するオートアナライザーは連続流れ分析法の原理であり、試料検液と分析試薬の混合、加熱、蒸留、分析、結果計算や、別途ユニットを組むことにより、溶出作業から分析結果算出までを自動で行うことができる。

○シアン、フッ素、フェノール、アンモニア分析のための
小型蒸留装置及び新FIA分析装置の紹介
/(株)三菱化学アナリテック/大野慎介
当社では全シアン、ふっ素化合物、フェノール類、アンモニアの蒸留及び分析ができる装置として卓上サイズの小型蒸留装置と自動、迅速、高感度を可能とした蒸留項目分析用FIA装置を開発した。本稿ではその製品概要と分析結果について述べる。

■シリーズ:フィールド・レポート
○水文学と地下水の基礎を学ぶ/T.Tech.Office/田村真紀夫
■連載
○海外でのプラント建設経験43
インドネシア、昔と今/(元)タクマ/若村保二郎
○台北市初の大型下水処理場の建設の報告 その10
緊張が続くプロジェクトマネージメント/(株)アステック/西野昭男
■コラム
○国を象徴する“菌”//HST
■製品ガイド
○濁度計
Grinding Technology Japan 2025 SiC,GaN加工技術展 2025
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