/日本工業出版(株)/

■特集1:高度加工技術を実現する最新制御技術
○NC制御技術の最新動向-欧州CNCの実例-
/シーメンスジャパン/紙谷健生
シーメンス社の「CNC SINMERIK」について、最新の機能を紹介する。たとえば、COMPCADは、微小線分群で構成される加工プログラムを内部でスプライン曲線に自動変換する機能。これにより、加工時間も大幅に短縮される。

○5軸加工機を活かすCAM環境-WorkNCを活用した高能率加工の構築-
/セスクワ/神田圭一郎
5軸加工に対応するWorkNCの機能、また5軸加工機を使用した高能率加工への取り組み、実加工事例を紹介する。高能率加工は、5軸加工機だけで行えるものではなく、加工機の能力を十分に引き出す機能から実現できる。

○ポータブル三次元座標測定機とCAD/CAMの連携「Master3DGage」
/ジェービーエム/梁 景翔
ポータブル三次元測定機(PCMM)の導入で、加工現場での迅速な計測が可能となっている。さらにCAD/CAMを連携させることで、検査レポートの作成だけではなく、加工プログラムの修正もリアルタイムに行うことが可能となる。

■特集2:工作機械高度化のための最新要素技術
○高速油静圧スピンドルの特徴と機能-高速・高精度加工へのアプローチ-
/福田交易/高橋昌浩
油静圧軸受スピンドルは、高い動的回転精度、高い静剛性と負荷容量、非常に高い減衰性、安定的な熱的挙動や摩耗レスといった利点を持つ。ここではELKAプレシジョン社の高速静圧スピンドルを取り上げ、その特徴、応用事例を紹介する。

○大型工作機械用ボールねじの新技術-ナット冷却ボールの特長と効果-
/日本精工/水口淳二
航空機やエネルギー分野などから大型工作機械へのニーズが高まっている。そこでは、大型でかつ高精度な加工が求められており、そこに適用されるボールねじにも高い性能が要求される。ここでは、大型工作機械用ボールねじに適用される新技術、ナット冷却について解説する。

○NC円テーブルの基本構成と最新駆動要素/津田駒工業/石崎純一郎
加工のさらなる効率化のため、NC円テーブルには、重切削に耐えうる高剛性化、また実加工時間短縮のための高速化が求められている。ここでは、ウォームギア駆動円テーブルを解説し、さらに新しいボールギアカム、DDモータも紹介する。

○非磁性材料固定技術/カネテック/春原一雄
加工対象として非磁性材料が多くなり、真空チャックへのニーズが増えている。しかし真空チャックはマスキングなど、固定作業で留意すべき点が多い。ここでは、マスキングなしで吸引固定できる真空チャックの機能、使い方を紹介する。

○超小型セミドライ給油装置『マイクロブースタ「μ」』の開発
/フジBC技研/太田昭夫
PCによるNC制御が容易に行えるようになり、デスクトップタイプの工作機械が多数製品化されている。それらで高品位加工を行う時のために超小型のセミドライ給油装置を開発した。その使用実例などを紹介する。

■レポート
○「ほこ×たて」対決　
『さらに進化した「金属」が5連勝を果たす』/編集部
○台湾工作機械の最新工場をみる-基本技術の向上と、生産能力拡大を図る-
/編集部

■書評
○「切削加工におけるツーリングの基礎と応用-正しい選び方・使い方-」
松岡 甫篁 著/評者:上智大学　坂本治久

■技術解説
○ELID研削法による超平滑加工および形状加工事例
/理化学研究所/大森 整・春日 博・加藤照子・上原嘉宏
/茨城大学/伊藤伸英/東京都市大学/亀山雄高
/栃木県産業技術センター/江面篤志/東北大学/水谷正義
ELID法による超平滑加工事例として、サファイアの鏡面研削について、また形状加工事例として人工股関節骨頭の超半球加工を紹介する。

■注目技術
○パラレルリンク型高速角度制御装置-基本構成とグリース塗布への応用-
/NTN/磯部 浩
可動範囲が広く、高速に位置決めできる新たなパラレルリンク機構を製作した。ここでは、その基本構成と、グリース塗布への応用を紹介する。

■連載
○提言　効果的なTC及びMCの利用を目指して　その9
切りくず処理の考え方と対応技術/筑波大学/堀　三計

○PPP(Productive Process Pyramid)による品質管理、生産性の向上　
第7回生産プロセスピラミッド(PPP)の適用事例-工程内制御
/レニショー/佐藤清志

○海外技術動向「難削材加工はツーリング洗練への試金石」
/Jim Lorincz/ 翻訳協力:上智大学SLO

○加工の現場から「エクストエンジニア」/技術支援業/滝沢 満

○テクニカルエッセイ「研究とヒラメキ 20」/日本工業大学/鈴木　清