■解説
〔農林水産業支援〕
コンブ漁業支援を目的とした水中映像からの海藻類抽出
/熊本大学/戸田 真志
/公立はこだて未来大学/萩沢 武志・榎本 洸一郎
/歯舞漁業協同組合/田村 正勝
/根室振興局/木村 賢史/宗谷総合振興局/武田 榮
本稿では、領域拡張法および線集中度フィルタを用いた水中映像からのコンブ、アイヌワカメおよびスガモの抽出手法を提案し、実画像を用いた実験によりその有効性を検証する。
〔生活支援〕
協調的物体認識のためのマンマシンインタラクション設計
/京都大学/近藤 一晃・吉本 廣雅・小泉 敬寛・中村 裕一
人間とシステムが協調することで画像認識システムの適用範囲や精度を高める「協調的認識」の枠組みと、それを効果的に導くための「状況の良さ」を用いたインタラクション設計について、概念的な考え方と実例を通して解説する。
マルチメディア料理レシピのための料理テキストと料理番組映像との対応付け
/名古屋大学/道満 恵介・井手 一郎・村瀬 洋
/岐阜聖徳学園大学/高橋友和/ブラザー工業(株)/カイ 承穎
料理レシピをユーザの要求に合わせて様々な形態に書き換えるための一技術として、料理テキストと料理番組映像との対応付け手法を紹介する。本手法により、テキスト主体の料理レシピに対してマルチメディアコンテンツを補足でき、ユーザにとって解りやすい料理レシピを作成できる。
〔エンタテインメント〕
スパイダーヒーロー/北陸先端科学技術大学院大学/石橋 賢
・宮田 一乘・Toni Da LuzRemy Eynard・北 直樹・姜 南
・瀬木 宏・寺田 圭介・藤田 恭平
本稿では、スパイダーマンTMのクモの糸を用いた空中移動を体験するVR作品である“スパイダーヒーロー”について紹介する。また、本作品のエンタテインメント性および張力提示システムの有効性を検証した。その結果と考察について述べる。
○劣化に対して頑健な画像間相違度
/和歌山大学/大池 洋史・岡 藍子・和田 俊和
本稿では、劣化画像を対象とした検索・照合の問題に適した画像間の相違性尺度について述べる。この尺度は、画像を直交展開した際の項の欠落又は混入によって劣化を表し、正規化後の画像間の展開係数の一致数が多いほど値が小さくなる相違性尺度である。
〔入力・出力〕
自由視点映像伝送におけるユーザ体感品質評価/名古屋工業大学/立松 綾乃・福嶋 慶繁・石橋 豊
自由視点映像とは、複数台のビデオカメラで撮影した映像から合成された、ユーザが自由に視点を変更できる映像である。本稿では、自由視点映像伝送における二つの伝送方式を概説し、ネットワーク遅延が視点変更に及ぼす影響をユーザ体感品質評価した結果について解説する。
〔実装技術〕
○省メモリのためのアルゴリズム設計技法
/北陸先端科学技術大学院大学/浅野 哲夫
メモリは安価になったので大量に使えるが、それ以上にデータサイズの増加の方が急激で、結局作業用のメモリが足りないことがある。そこで最近では省メモリのアルゴリズム設計技法が注目されている。本稿では、画像関連の問題に限定して省メモリアルゴリズムの基本的な考え方や技法を紹介している。
〔ディスプレイ〕
メディア・アートの回廊/首都大学東京/串山 久美子
芸術と科学技術は、刺激しあいながら、その時代にしかできない新しい創造の試みを挑戦してきた。本稿は、インタラクティブ作品の制作や視触覚ディスプレイの開発をしている筆者の立場から、テクノロジー&アートの歴史をヒントに、新しい表現がどこへ向かうのかを探った変遷を紹介する。
〔3D〕
立体像を制御する融像式の提案/文教大学/広内 哲夫
立体ディスプレイ装置を使用した立体視において、立体写真を拡大(ズームイン)していくと、立体像が2つの画像(すなわち2重像)に分裂して、閲覧者が立体像を融像できないという現象がしばしば起こる。筆者はこの現象を防ぐための数学式を考案し、それを「融像式」と名付けた。その式は両眼視差を解析することによって導出されたものである。筆者は融像式を用いた立体写真を閲覧するソフトウェアSPVを開発した。そして、SPVを用いて立体像のシミュレーション解析を行い、その式による立体写真のアニメーション化の有用性を確認した。
■シリーズ
S3D(Stereoscopic 3D)産業振興に対するDCAJの取組/(一財)デジタルコンテンツ協会/田中 勉・須藤 智明
当協会では、(1)S3Dの制作力強化、作品力の向上、(2)S3D制作技術の課題解決、(3)海外事業展開の支援を中心にS3D映像産業振興を行ってきた。このため、3D映像産業振興協議会(略称;3D協議会)を2011年6月に設立した。本稿では、“S3D映像クリエイターの育成ツール”と“S3D映像表現技術開発の成果”を中心に活動内容を記述する。
○日本インダストリアルイメージング協会(JIIA)活動報告
<第7回>
本シリーズではJIIAの役職者の皆様にご登場いただき、設立の経緯や各分科会の活動について、インタビュー形式で紹介。今回は、理事で事務局長の木浦幸雄氏に話を聞く。
■製品ガイド:最新!画像入力ボード・処理ボード
(株)アド・サイエンス/(株)アバールデータ/(株)アプロリンク/(株)アルゴ
/伊藤忠テクノソリューションズ(株)/(株)インタフェース
/(株)エーディーエステック/(株)エデックリンセイシステム
/キヤノンITソリューションズ(株)/(株)グラフイン/(株)ケーアイテクノロジー
/(株)シムコ/立野電脳(株)/(株)ディテクト/(株)デクシス/(株)テクノスコープ
/日本データシステム(株)/(株)ファースト/(株)フォトロン
/(株)マイクロ・テクニカ/(株)リンクス
■コラム
○マルコーニの彼方へ 141
吉本隆明、大衆としての市井としてのカリスマ/ヤマネコ