■特集:油圧と電気 競合と融合
○ハイブリッド油圧ショベルPC200-8E0の紹介/コマツ/稲富祥一郎
プレスリリースされた。旋回が電動化され、エンジン直結式の発電機モータでパワーアシストする。動力回生エネルギーはキャパシターに蓄電され有効利用される。此により25%以上の燃費低減を達成し、CO2排出抑制にも大きく寄与できる。ユーザーにも好評であるので概要を紹介する。
○最近のブルドーザの制御と特徴/コマツ/林 盛太・小田庸介
ブルドーザの歴史は長く、様々な段階を経て発展してきた。最新の機械では油圧と電子の制御を組み合わせて大きなメリットを出している。この観点から、走行装置、作業機、冷却ファン等の制御についての状況を述べる。
○パワーステアリングにおける油圧と電動/ジェイテクト/福田 潤
自動車のステアリングは油圧パワーステアリング(HPS)から電動パワーステアリング(EPS)への転換が急速に進んでいる。しかし、HPSの領域を、すべてEPSに置き換えるには課題が残っており、HPSの電子制御化に関する技術的な動向について述べる。
○モータの技術動向/三菱電機/谷本政則
油圧と電気を比較し、電気の優れているところに省エネが挙げられる。この省エネに注目して、以下の内容を紹介する。
・省エネモータとして注目されているIPMモータの特長
・SPMモータの適用事例
○プレス機器の動向概説/コマツ産機/安藤弘行/コマツ/小田庸介
プレス機器は自動車産業の発展と共に、生産量、技術的な側面で大きく変遷を遂げてきた。近年ではサーボプレスの開発が急速に進み、高精度プレス機械の主流になろうとしている。電機とメカの組み合わせで、高度な制御を達成した一例としてプレス機器の動向を概説する。
○電動油圧シリンダ(ミニモーションパッケージ)紹介と適用事例/KYB/窪田卓哉
弊社製品ミニモーションパッケージは油圧独特の特長を生かして、多くの分野の自動化に利用されている。本稿では製品の概要と、特長を生かした適用事例の一部を紹介する。
■特集:油圧動作油 2
○出光興産の油圧作動油/出光興産/白神善隆
出光の鉱油系油圧動作油のラインナップとともに、最近のトピックスである省エネ・CO2削減に貢献する「ダフニースーパーハイドロST」を紹介する。また、難燃性作動油の動向と出光興産での評価を紹介する。
○新日本石油の油圧作動油について/新日本石油/置塩直史
本稿では、弊社のスーパーハイランドSEシリーズの省エネルギー効果について紹介する。また、建設機械や大型産業施設に搭載されている30MPa以上の高圧ポンプにも対応したスーパーハイランドWPシリーズについても紹介する。
■基礎講座:空気圧システムの基礎とシミュレーション 14
○可変容積タンクと質量・ばね系/東京工業大学/中野和夫
空気圧シリンダやダイヤフラム機構は一種の可変容積タンクになっている。そこで本章では容積が変化する2ポートタンクのシステムを記述する基礎式を導き、そのSimlinkモデルを構築し、系の挙動を解説する。
■解説
○潤滑油とエンジンの半永久使用・廃油ゼロ技術による油圧機器の信頼性向上 3/住本守央・東忠則・橋本正孝
連載1は潤滑油半永久使用技術の原理、2はこの技術による油圧機器の信頼性向上が主題。最終回の本報では主にこの技術でエンジン全体をきれいに維持してエンジン半永久使用の前提=熱効率維持と摩耗ほぼゼロを実現した実機結果を示す。
○腕相撲ロボットシステム/香川大学/山田貴志/岡山県立大学/渡辺富夫
本解説では、力覚を介しての人間と機械との円滑な身体的コミュニケーションや協調作業の支援システムの開発を目指して、筆者らがこれまでに研究開発してきた力覚コミュニケーションの合成的解析と支援のための腕相撲ロボットシステムを紹介する。
■製品と技術
○電動機駆動とヘグランド油圧駆動装置の比較/ヘグランド/高野瀬高明
現在、駆動軸の回転に電動機駆動が一般的に使われており、油圧駆動は電動機駆動に比べて効率が悪く省エネには適さないとの話を聞くことが多い。低速で高トルクのへグランド社の推奨する駆動システムと可変速の電動機をここに比較する。
○非接触厚さ測定装置“OZUMA21”/ティ・ケー・エム エンジニアリング/川嶋康眞
表面にキズ等のダメージを与えずに厚さやソリを測定したいとの要求は非常に多い。それを実現する1つの方法としてエアー背圧精密測定技術と高度な制御技術により達成したエアー背圧測定式非接触厚さ測定装置を紹介する。
■H&P情報
○油空圧機器出荷集計(平成20年10月)/フルードパワー工業会
■News & Products