■特集:光速が遅くなったら~スローライト
○光を1ナノ秒以上蓄積するフォトニック結晶共振器/日本電信電話/倉持栄一・田邉孝純・納冨雅也
フォトニック結晶共振器においてごく最近、光の波長程度のサイズに光を1ナノ秒以上閉じ込め蓄積することが可能になった。光パルスが蓄積時間の長い共振器を透過する際に、真空中の5万分の1以下の低速で進行したことに相当する遅延を示す現象を観測した。
○特殊光ファイバーを用いた高効率スローライトの発生/情報通信研究機構/アベディン カジ サルワル
スローライトは媒質中の非線形性により光パルス伝播(群遅延)を制御する技術で、光可変バッファへの適用が期待されています。本論文では、非シリカファイバーを用いて、従来の光ファイバーに比べ200倍の高効率で生成することに成功した。
○全光可変遅延線へのスローライト技術の応用/大阪大学/丸田章博
光ファイバ中で生じるスローライトを全光可変遅延線に応用し、光バッファとして用いるための研究が盛んに行われている。本稿では、光ファイバ中でのソリトン自己周波数シフトとスーパーコンティニューム光のフィルタリングとを用いた全光可変遅延線を紹介する。
■解説
○光波干渉法による高精度水準器の研究/木更津工業高等専門学校/小田 功・松嵜智史
本報文は、液面を参照面に使用したレーザ干渉計の応用例としての、高精度水準器に関するものである。フィゾー干渉計を構成し、液体として水とサラダ油を用いた実験wpおこなった結果、水準器として十分に使用できることが確認できた。
○マルチカメラ技術によるスペックル干渉計測/関西大学/新井泰彦・平井宏之/常光応用光学研究所/横関俊介
時間的・空間的縞解析法を融合した、新しいスペックル干渉光学系ならびに縞解析技術を提案している。光学系は、ハーフプリズム列を用いた2台のカメラで構成され、実験結果は、連続する大変形面外測定を高精度(1/40波長程度)に行えることを示している。
○レーザー生成極端紫外(EUV)リソグラフィー光源開発の最前線/大阪大学/西村博明
レーザー生成プラズマからは、極端紫外(EUV)やX線など幅広いスペクトル領域のパルス電磁波を発生することが可能である。進展が著しいEUVリソグラフィ用光源開発を例に、高効率でクリーンなレーザープラズマ光源を開発する上での技術指針を概説する。
○波長走査半導体レーザを用いる多波長ディジタルホログラフィ干渉法/東京理科大学/石井行弘・和田 篤
○高濃度オゾンガスによるレジストアッシング/金沢工業大学/堀邊英夫/明電舎/三浦敏徳・花倉 満
明電舎が開発した超高濃度オゾン発生装置(約100%)を用い、レジスト除去を行なった。ノボラック系ポジ型レジストで5.6μm/分(開発品)のアッシングレートが得られ,従来の1.7μm/分(約8vol%オゾン)に比較し約3倍速かった。除去が困難な高ドーズイオン注入レジストもポッピングが発生するものの除去できた。→写真1
■製品技術紹介
○コヒレント社の産業用レーザ/コヒレント・ジャパン/山崎達三
○安定した真空気密封止を実現するゲ
ー技術/サエス・ゲッターズ・ジャパン/堀口尚彦
○レーザー加工用高出力フェムト秒再生増幅器/スペクトラ・フィジックス/中野貢一
■研究室紹介
○東京大学 生産技術研究所/東京大学/立間 徹
○東京工業大学 理工学研究科 電子物理工学専攻/東京工業大学/中本高道
○上智大学理工学部物理学科光物理研究室/上智大学/江馬一弘"