S1609
■特集:添加剤・フィラーの活用方法
プラスチック製品の機能・美観の向上において、添加剤、フィラーは重要な役割を担っています。本特集では樹脂の改質に必須である、添加剤・フィラーの最新情報を紹介して頂きました。
○添加剤、フィラーの最新動向
/西澤技術士事務所/西澤 仁
プラスチックのさらなる高度な要求に対応するため、添加剤やフィラーによる性能向上が望まれている。本稿では、最近の添加剤、フィラー等の動向を述べる。
○オニオンライクカーボンの特徴と適用事例
/パレス化学(株)/野上武史
オニオンライクカーボンは、グラファイト殻がたまねぎのように同心円状に重なった球構造を有するナノカーボンである。本物質は、潤滑性や耐摩耗性などの効果について知られており、新たなナノカーボン材料として潤滑剤や複合材料への適用が期待されている。
○疎水性多孔質シリカの特徴と適用事例
/(株)トクヤマ/有福直樹・福寿忠宏・中元信博
当社では、水ガラスを出発原料に常圧乾燥で製造され、比較的安価に製造されるシリカエアロゲル(エアリカ)を開発中である。高断熱性、疎水性、均一な細孔径、高吸油性を特徴とする。断熱性付与剤、ゴム補強剤、艶消し剤への適用例を紹介する。
○コンポジット材料におけるCNTの分散による潜在的機能の発現
/大日精化工業(株)/芝田正之
17CNTは凝集力が強いフィラーなので従来の手法では樹脂への分散が困難であり、本来の優れた機能を発現することが容易ではない。本稿では、CNTナノコンポジットの分散加工法、評価方法、分散の効果、応用事例について述べる。
○光触媒による抗菌性を有するポリ塩化ビニル製ボールの開発
/群馬県立群馬産業技術センター/恩田紘樹・高橋仁恵・和田智史・他
/群馬レジン/豊田 宏
代表的な光触媒である二酸化チタンは紫外線を照射することで抗菌効果を発揮し、人体への安全性も高い。そこで、ポリ塩化ビニル製ボールに分散性良く二酸化チタン粉末を混練することにより、光触媒による抗菌性を有し、人体への安全性も高い乳幼児向けボールを開発した。
○木材由来ナノ黒鉛の合成と特徴、応用展開
/岡山大学/木之下博
木材由来のナノ黒鉛は、黒鉛層が殻構造となった最小粒径が数十nmのカーボンナノ材料である。木材の切屑に硝酸鉄を含浸させ、窒素フロー中の比較的低温(900℃以下)で加熱し、精製することで合成できる。本稿では、合成法、特徴、応用について述べる。
○熱膨張マイクロカプセルの特徴と適用事例
/(株)クレハ/栗生奈緒子・野村晋太郎・高木宏昌
近年、自動車軽量化に伴い発泡プラスチックの開発が進んでいる。当社は、従来の発泡剤では困難であった 200℃以上の高温領域での発泡を可能にした熱膨張性マイクロカプセル「クレハマイクロスフェアーSグレード」を開発したので、その特徴や発泡成形事例を紹介する。
○高性能核剤による自動車用ポリプロピレンの軽量化
/(株)ADEKA/岡本悠里・堀越隆裕・石川慎一
核剤はポリプロピレンの結晶化過程に作用し、成形品の剛性や耐熱性などの諸物性を改善し、成形品の薄肉化・軽量化を可能とする。自動車用樹脂グレードなどの耐久用途向け核剤「アデカスタブ NA-27」の特長について述べる。
■一般記事
〈展示会レポート〉スマートコミュニティJapan2016
/安田ポリマーリサーチ研究所/安田武夫
〈展示会レポート〉日本ものづくりワールド2016
/安田ポリマーリサーチ研究所/安田武夫
〈解説〉ラフモデルによる試作の重要性
/モノプラス(株)/大音和豊
■連載
○プラスチック技術者のための特許講座 第5回
/ポリマー技術コンサルタント/鷲尾裕之
○中小製造業の海外展開のポイント 第4回(最終回)
/公益財団法人東京都中小企業振興公社/脇 郁晴
○コマ大戦の行司が見て歩く モノづくりの今とこれから 第5回
/(株)モールドテック/落合孝明
○これ、プラスチックで作りました 第7回
/リコーインダストリー(株)/渕上明弘
○日本発エラストマーの開発ストーリー 第1回
/(株)クラレ/小野友裕
○ものづくり現場における省エネルギーのポイント 第1回
/(公財)東京都環境公社/常慶隆一
○助っ人 工業デザイナーの独り言 第27回
/鈴木英夫
○大自然を科楽する 第5回
/青野哲士
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