超音波テクノ 2009年5-6月号 PDF版

超音波テクノ 2009年5-6月号 PDF版
shopping_cart

商品のご購入
ADD TO CART

個数:
商品コード:
09u06

超音波テクノ 2009年5-6月号 PDF版

販売価格/
4,000 円(税込)
■特集:環境保全に貢献する超音波
○超音波を用いた冠水土壌中での地雷探査/桐蔭横浜大学/瀬尾邦彦・白川貴志・杉本恒美

 世界で埋設されたままになっている地雷の探知を目的として、特に雨で地面が冠水した土壌での地雷探査・地中映像化を対象に研究を行っている。120kHz前後の超音波を用いて室内実験・水田での屋外探査実験を行った結果、深度10cm程度に埋設された直径10cm程度の対象の一部の映像化に成功した。


○航空機搭載用超音波風速計の開発/宇宙航空研究開発機構/奥野善則・又吉直樹・井之口浜木

 気象観測用に広く用いられている超音波風速計を航空機用に改良し、ヘリコプタに搭載して機能・精度を評価した。本センサを搭載したヘリコプタが、日本国内でヒートアイランド観測、米国でカーボン・フラックス観測に活用された事例をあわせて紹介する。


○圧電材料を用いた騒音低減システム/鉄道総合技術研究所/山本克也

 新たな騒音対策法として、圧電材料を貼付した金属板を配列したパネルとアナログ制御回路により壁面透過音を抑制する騒音低減システムについて紹介する。基本構造と特徴の他、変圧器並びに鉄道車両に適用した際の騒音低減効果を示す。


○環境に配慮した薬剤を用いない超音波殺菌技術/日立製作所/橋場邦夫

 本稿では、超音波キャビテーションを利用した水中の微生物の殺菌効果について述べたものである。殺菌原理に加え、バッチ型試作機によるイースト菌の殺菌実験および流水型試作機による塩素耐性原虫・クリプトスポリジウムの不活性化実験の結果について紹介する。


○超音波・光触媒ハイブリッド系における環境ホルモン分解/電気通信大学/畑中信一・平木康広・林 茂雄

 超音波を用いた環境ホルモンの分解において、光触媒分解との重畳により、有害有機物の副生成物をも含めた完全分解を意味する無機化速度に相乗効果が認められた。このとき、基質の分解速度については、それぞれ単独での分解を加算した効果があった。


○二酸化チタン触媒粒子による廃水処理技術/明和工業/畑中祐樹

 二酸化チタンを利用した農薬廃水処理技術の可能性について技術検討を行なった。育苗の種子消毒の過程では大量の農薬廃水が排出される。従来の「凝集沈殿」+「活性炭吸着」でのランニングコスト低減を可能とする前処理技術としての可能性について検討した。


○超音波噴霧器を用いた鶏舎内衛生環境の確保/農業・食品産業技術総合研究機構/池口厚男

 地域経済に甚大な被害を及ぼす家畜の疾病(鳥インフルエンザ、口蹄疫等)や悪臭問題の対応策の一つとして、超音波噴霧器を利用した畜舎内におけるエアロゾル制御について紹介する。


○超音波霧化分離によるバイオエタノール原料となる木質バイオマス糖化液の濃縮/霧化分離研究所/松浦一雄/三井造船/木本浩介

 木質バイオマス由来バイオエタノール製造にあたり、超音波霧化分離法を用いて効率的に希薄な原料糖化液を濃縮する手法について述べる。本方法は、廃蒸気を使用して水の蒸発潜熱の1/5程度の消費電力量(廃蒸気熱量除く)で糖化液を濃縮することが可能となった。


○酸化チタン存在下における超音波照射による有機物分解・大腸菌殺菌/東北大学/久保正樹・米本年邦

 酸化チタン粒子懸濁液に超音波を照射すると、微小気泡の生成・圧壊で生じる高温高圧場のエネルギーにより、酸化チタンに触媒能が発現する。本報では、酸化チタン存在下おける超音波によるラジカル発生と、その水中有機物の分解除去、殺菌への利用を紹介する。


○超音波照射を利用した凍結濃縮法/愛媛大学/川崎健二・松田 晃

 凍結濃縮分離法は、水溶液等を冷却すると純粋に近い氷が生成することを利用するものであり、我々は超音波を照射することによってその効率を高める手法を提案している。本報では、溶質および懸濁固形物への有効性を紹介するとともに、溶質間の分離特性の差異についても報告する。


○超音波を応用した高効率膜濾過プロセスの現状/長岡技術科学大学/小林高臣

 本稿で解説する膜プロセスに超音波を組み合わせる場合多くの利点が上げられる。ここでは、最近の現状と、筆者らの研究を中心に紹介する。


○超音波によるメタン発酵プロセスの効率化/JFEエンジニアリング/辻 猛志・大橋一聡/本多電子/渋谷信長・山森春男

 下水汚泥のメタン発酵プロセスの前処理として、超音波法による汚泥可溶化処理システム(実験プラント:0.6m3/day規模)について検討したところ、本システムを導入することにより、発酵残渣量の低減やメタンガス発生量の増大といった効果が得られることを明らかにした。



■解説
〔超音波基礎〕
○音圧情報付きレイ・トレーシング法の開発(その2)/KRI/竹中 誠

 流れがある場合の非定常音波伝播解析手法に関し、主レイに副レイを付随させて音圧も評価しながら計算していく解析方法を開発した。今回は、流速分布のある場合の解析を行い、FDTD法の解析結果と比較した。少ない計算時間で、比較的良い一致が得られた。


○パラメトリックスピーカに対する駆動方式の提案/電気通信大学/近藤正義・山本和輝・野村英之・鎌倉友男

 超音波が人体に与える影響を調査するため、以下の取り組みを行っている。(1)鼓膜位置の音圧を推定するための基礎実験、(2)パラメトリックスピーカから放射される超音波音圧の低減化、(3)パラメトリックスピーカの音源定位に関する研究である。本稿ではこれらについて簡単に紹介する。


〔強力超音波の応用〕
○超音波振動を利用したアルミニウムの高強度接合法/大阪市立工業研究所/長岡 亨

 工業用純アルミニウムの引抜材について、高強度継手を得ることを目的として、半溶融状態の過共晶はんだを用いた超音波はんだ付プロセスについて検討を行った。最適な接合条件を決定するとともに、はんだ組成が継手強度および継手間隙に及ぼす影響を明らかにした。


○超音波波動による共振型マイクロ移動体/宇都宮大学/斎藤秀次郎

 簡単な構造のマイクロ移動体を製作し、外部から非接触でエネルギ-を伝達する方法として、超音波波動を使ったエネルギ-供給方法を紹介する。本方法は、波動エネルギ-の大きさを変えることによって、超音波の送波距離や移動体の移動速度を変えることができる。


〔超音波センサ〕
○液相系弾性表面波センシングシステムの開発/静岡大学/近藤 淳・沖山雄介・松井義和/日本無線/奈良 誠・森 敏正・谷津田博美

 横波型弾性表面波(SH-SAW)センサを用いると,メタノール濃度の測定が可能である。本稿では、燃料電池の1つとして開発が進められているダイレクト・メタノール燃料電池用メタノールセンサを、SH-SAWセンサを用いて実現するために行った、センサシステム開発について述べる。


〔非破壊検査〕
○3次元フェーズドアレイ超音波探傷システム/日立製作所/北澤 聡・河野尚幸・馬場淳史

 二次元アレイセンサによる超音波集束ビームを三次元的に走査する三次元フェーズドアレイ法は、従来法に比べ欠陥検出性が向上し、検査時間も短縮できる。本稿では、三次元フェーズドアレイ超音波探傷システム3D Focus-UTの概要を述べ、幾つかの適用事例を紹介する。


○加熱炉管の浸炭の検出方法/出光エンジニアリング/四辻美年

 石油精製プラント等で使用される加熱炉管は、火炎により外面が高温にさらされ、長時間使用されると浸炭が生じることがある。今回、その浸炭の検出のため、横波縦波モ-ド変換パルスを利用した超音波V透過法を考案し、実機加熱炉管に適用した事例を紹介する。


〔ソノケミストリー〕
○水中過マンガン酸イオンの超音波還元反応/大阪府立大学/興津健二

 二酸化マンガン粒子は電池の正極活物質やセンサー等に利用できる機能性材料であり、様々な合成方法について検討されている。本報では、超音波還元法を利用して二酸化マンガン粒子を合成する際の過マンガン酸イオン還元機構について紹介する。


〔医用超音波〕
○超音波分子イメージング技術/アロカ/射谷和徳・今野剛人/東京理科大学/土屋好司・阿部正彦/東京慈啓会医科大学/杉浦知和・大川 清

 分子イメージングは、分子生物学的情報を生体内で画像化する技術であり、診断、創薬、再生医療等の分野でその応用が期待されている。バブル表面に悪性腫瘍マーカーを標識した分子プローブを用いて超音波で画像化する超音波分子イメージング技術を紹介する。


○超音波照射による壁面付着気泡の音響放射/同志社大学/谷村幸雄・中谷慎太郎・吉田憲司・渡辺好章

 超音波照射下における壁面付着気泡の放射音波の特性の解明に迫る為、放射音波と気泡挙動を音響的・光学的に同時観測を行った。その結果、壁面付着気泡が非球形振動するにも拘わらず、気泡の放射音波は等価的に無指向性の音源として扱えることが確認できた。


○再生血管の超音波評価/産業技術総合研究所/新田尚隆/東京女子医科大学/松村剛毅

 再生医療における再生血管の成熟過程を評価する上で、その構造的強度や力学特性を計測することは重要であると考えられる。本研究では力学計測の観点から再生血管の成熟度を評価するため、超音波カテーテルと圧力カテーテルを用いた評価方法について検討した。


○周波数コンパウンドの設計指針/日立製作所/山本真理子

 広い帯域を利用した高画質化技術である周波数コンパウンドを取り上げた。帯域分割数が3以上の場合の、処理パラメータとコントラスト分解能の関係を明らかにして、必要とする画質を入力すると、その画質を実現する処理パラメータの値が出力される方法を実現可能にした。



■製品紹介
○メカニカル3Dリニアプローブの開発/日本電波工業/長谷川恭伸
○超小型音叉型水晶振動子 TFX-03/リバーエレテック/芦沢英紀
○CNC超音波ロータリー加工機と脆性材の高精度加工/アリューズ/堀川直圭

■会議報告
○第29回 超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム/東北大学/櫛引淳一

■NEWS&PRODUCTS
Grinding Technology Japan 2025 SiC,GaN加工技術展 2025
search

キーワード検索キーワード検索
SEARCH

shopping_cart

カートの中
CART

商品数:0点  合計:0円

カゴの中を見る

  • 〒113-8610
    東京都文京区本駒込6丁目3番26号 日本工業出版ビル

  • TEL 03-3944-1181(代)
    FAX 03-3944-6826