実用 空調設備選定マニュアル
著者
大田 睦夫・上村 泰・落合 弘文・神 賢一郎・中川 清二・井上 哲郎・日向 美智雄

実用 空調設備選定マニュアルは、セントラル空調での機器選定に伴う各種計算や検討項目、選定基準、及び選定・施工の留意点を紹介した実用的なマニュアルです。
これまでの空調設備機器の各種解説書には、実際の機器選定部分について詳細に解説されていないことが多く、どの様に検討して機器選定を行ったのか途中経過が分からないことが多くありました。そのため、本書では実際の設計で行うべき検討項目等について、特に詳細に記載しています。また、実際に使われてない機器が含まれている解説書が多いなかで、本書では現時点の空調設備機器を取り上げ、実用書として意義あるものを目指しています。
計算部分の解説では、表計算に数式を入れて使うことが多いですが、その元となる計算式を知っておく必要があり、できるだけ詳細に解説を行いました。
セントラル方式を基本に熱源・二次側空調機・送風機・ポンプ等主要な機器を網羅しましたが、補器類については解説していません。
自動制御については、熱源及び二次側空調機を含めて設計・施工の留意点を解説しました。
各種計算プログラム(空調機コイル計算・ファンコイル計算・冷却塔の水位計算等)についても解説し、プログラムデータは本サイトより無料でダウンロードすることができます。
本書の筆者は大手空調設備会社にて空調設備の設計・施工を長年経験し、現在も新たな場所で現役で活躍している方々です。空調設備技術者のために、これまで経験した留意点を盛り込んでいます。
是非本書をご活用いただき、第一線での活躍の一助になれば幸いです。
※本書で使用されている 計算プログラム は以下よりダウンロードできます。
- ※1)本計算プログラムは、各種計算の解説を補足するものとして著者が独自に作成したものです。著者所属先の企業(過去の所属先含む)において利用しているものではありません。
- ※2) 本プログラムはMicrosoft Excel で作成したマクロを含んだプログラムファイルです。ダウンロード、第三者への配布、二次利用等によって損害が生じた場合、筆者、著者所属先の企業(過去の所属先含む)、および日本工業出版では一切の責任を負いません。
- ※3)Excelのバージョン2203以降からは、インターネットから取得したExcelのマクロがブロックされるようになりました。ブロックされた場合には、Excelのオプションで「信頼できる場所」に設定したフォルダにExcelを移動することでマクロを実行することができます。詳細はExcelの操作マニュアルでご確認ください。
B5判 本文239ページ
日本工業出版株式会社
目次 第1章 空調設備設計の進め方―基本計画から施工まで― 1-1 基本設計、実施設計、施工 第2章 熱負荷計算、各種選定に必要な計算 2-1 熱負荷計算 2-1-1 熱負荷計算とは 2-1-2 熱負荷計算の実際 2-1-3 熱負荷計算と年間負荷 2-2 各種選定に必要な計算方法 2-2-1 換気計算 2-2-2 排煙計算 2-2-3 送風機抵抗計算 2-2-4 フィルタ集塵効率計算 2-2-5 加湿計算 2-2-6 配管揚程計算 2-3 空気線図の概要 第3章 熱源機器選定の要点 3-1 熱源容量の算定と台数分割 3-1-1 設計要件の確認 3-1-2 熱負荷と熱源容量 3-1-3 台数分割 3-2 熱源機選定の要点 3-2-1 熱源システムの知識 3-2-2 熱源機器の種類と特徴 3-2-3 蓄熱システムの導入検討 3-3 ポンプ 3-3-1 ポンプの特性と性能 3-3-2 ポンプの運転 3-3-3 選定事例 第4章 熱源機器選定の留意点 4-1 熱源負荷の傾向 4-2 冷凍機選定時の留意点 4-2-1 ターボ冷凍機 4-2-2 吸収冷凍機/冷温水機 4-3 冷却塔 4-4 空冷ヒートポンプチラー 4-5 水冷ヒートポンプチラー 4-6 ボイラ 4-7 熱交換器 4-8 密閉式膨張タンク 4-9 ポンプ 4-10 熱源機器運用の留意点 4-10-1 冷熱源設備の選択と運用 4-10-2 温熱源設備の選択と運用 4-10-3 立上り負荷への対応 4-10-4 中間期の熱源運転の留意点 4-10-5 運用・保守管理の効率化 第5章 二次側空調機器選定の要点 5-1 空調機の能力選定 5-1-1 空調機の概説 5-1-2 送風量 5-1-3 コイル能力 5-1-4 空気線図の作成 5-2 ファンコイルユニットの選定 5-2-1 ファンコイルユニットの概説 5-2-2 選定方法 5-2-3 能力表の作成 5-3 送風機 5-3-1 特性と性能 5-3-2 送風機の運転 5-3-3 選定事例 第6章 二次側空調機器選定の留意点 6-1 空調機選定の留意点 6-1-1 送風機の静圧 6-1-2 コイル 6-1-3 加湿器 6-1-4 その他の組込み装置等 6-1-5 付属品 6-1-6 据え付け 6-1-7 検査 6-2 ファンコイル選定の留意点 6-2-1 コイルの耐圧 6-2-2 ドレンパン 6-2-3 ドレンアップメカ/ドレンポンプ 6-2-4 設置場所による制御方法 6-2-5 ファンコイルユニットの設置 6-2-6 配管の接続 6- 2-7 ファンコイルユニットへの外気ダクトの接続について 6-2-8 ドレン管の材質と管径 6-2-9 ファンコイルユニットのトラブル 6-2-10 ホテル・病室等での選定上の留意点 6-2-11 吹出口、接続口 6-2-12 病室等での選定時留意点 6-3 業務用エアコン選定の留意点 6-3-1 室内機送風機の風量調整 6-3-2 ブースターファン使用時 6-3-3 パッケージの並列運転 6-3-4 室内機内の冷却(直膨)コイルの留意点(特殊環境での使用) 6-3-5 室内機組込みの加熱器・補助ヒーター・再熱器の留意点 6-3-6 特殊用途の場合 6-3-7 室内機組込み加湿器の留意点 6-3-8 室内機組込みフィルタの留意点 6-3-9 室外機の留意点 6-3-10 異電圧対応 6-3-11 力率改善、高調波対策 6-3-12 パッケージ制御関連事項の留意点 6-3-13 各種付属品関係の留意点 6-3-14 パッケージ据付工事の留意点 6-3-15 冷媒配管工事の留意点 6-3-16 メンテナンスに関する留意点 6-3-17 更新対応機器について 6-3-18 既設配管再利用時の条件 6-3 – 19 水冷式パッケージ 6-3-20 電算用パッケージの留意点 空冷式機種選定について 6-3-21 オールフレッシュ型の機種選定他について 6-4 送風機選定の留意点 6-4-1 送風機の所要動力と発熱量 6-4-2 扱う気体の温度による影響 6-4-3 高温・多湿気体を扱う送風機の選定 6-4-4 排煙ファン及び排煙ダクトの選定時留意事項 6-4-5 換気方式とエアーバランス 6-4-6 送風機の据付 6-4-7 送風機とダクトの接続 6-4-8 送風機の芯出し 6-4-9 送風機のベルトの張り調整 6-4-10 機器の回転チェック 第7章 自動制御と中央監視の要点 7-1 中央監視の要点 7-1-1 中央監視システム 7-1-2 中央監視システムでの運用データ確認・分析 7-1-3 中央監視ポイント名称の留意点 7-1-4 LON システムの更新動向 7-1-5 中央監視と自動制御システムのクラウド化 7-1-6 LPWA システムの将来性 7-2 熱源制御の要点 7-2-1 熱源制御概要 7-2-2 1 ポンプシステム(変流量) 7-2-3 2 ポンプシステム(変流量) 7-2-4 推定末端差圧制御 7-2-5 高度な熱源制御事例 7-3 空調機制御の要点 7-3-1 空調機の変風量制御 7-3-2 冷房運転時の湿度と再熱制御による湿度制御 7-3-3 潜顕分離空調方式 7-3-4 外気取入れ制御 7-3-5 予冷・予熱運転時の外気ダンパ制御 7-3-6 漏水センサ 7-3-7 空調機の自動制御弁取付位置 7-3-8 空調機コイルの凍結防止 7-3-9 送風機の可変速運転留意事項 7-4 ファンコイル制御の要点 7-4-1 ファンスピードコントロール 7-4-2 電動ボール弁による2 位置制御 7-4-3 比例制御(+ファン風量制御 7-4-4 比例制御(還り温度補正付き) 7-4-5 ホテルシステムによるFCU 制御 7-4-6 定流量弁の使い方 7-4-7 ファンコイルと空調機の制御温度 第8章 熱源竣工事例/機器表作成の留意点 8-1 熱源竣工事例 8-1-1 コージェネレーション 8-1-2 蓄熱槽 8-1-3 未利用エネルギー 8-1-4 配管方式 8-1-5 熱供給 8-1-6 モジュールチラー 8-1-7 まとめ 8-2 機器表作成の留意点 8-2-1 各機器の記入の留意点 8-3 冷凍空調機器の国内需要統計 第9章 関連ソフト 9-1 原単位法による負荷計算プログラム 9-1-1 入力手順 9-1-2 計算結果 9-2 空調機冷温水コイル選定プログラム 9-2-1 入力手順 9-2-2 計算結果 9-2-3 プログラムで使用する空調機データ 9-3 ファンコイル能力計算プログラム 9-3-1 コイル能力推定の計算手順 9-3-2 ファンコイル能力推定プログラム 9-4 フィルタ効率計算プログラム 9-4-1 入力手順 9-4-2 計算結果 9-4-3 プログラムの入出力画面 9-5 冷却塔廻り配管設計プログラム 9-5-1 入力手順 9-5-2 入力例 9-5-3 計算結果 9-6 インバータポンプ省エネ評価プログラム 9-6-1 入力手順 9-6-2 任意の水量に対する状態値表示 9-6-3 計算例 第10章 関連用語解説 10-1 空気と状態値 10-2 室内環境と空調負荷 10-3 熱源設備と熱源機器 10-4 配管設備とポンプ 10-5 空調設備と空調機 10-6 送風機とダクト設備 10-7 電動機 10-8 自動制御 10-9 騒音 10-10 腐食・防食 10-11 電源 10-12 エネルギー・環境