/日本工業出版(株)/

■特集:光と温度計測
○サーモグラフィによる温度計測
/防衛大学校/中村 元
サーモグラフィにより正しい温度を測定するための基礎知識や、温度計測に伴うさまざまな誤差要因についてまとめた。また、誤差を除去あるいは補正する方法について、基本的な考え方をいくつか紹介する。

○蛍光温度計
/アズビル(株)/衣笠静一郎
蛍光温度計は、高周波電磁場環境の温度制御のほかに、バイオテクノロジー領域の研究でも応用され始めた。本稿では、蛍光温度計の代表的な測定原理と、接触測定の事例を利用して特長を紹介する。

○カラーCCDカメラを用いた高炉の羽口計測技術
/新日鐵住金(株)/松崎 眞六・杉浦 雅人
高炉のレースウエイから観察される炉内の温度状態を、二次元的に非接触で定量的に測定するため、カラーCCDカメラを活用した二色温度計の開発について報告する。

○放射温度計による月面温度測定
/埼玉県立春日部女子高等学校/鈴木 文二
放射温度計を用いて月面温度測定を行うため、エンドユーザーの立場から性能評価を行った。その結果、皆既月食時の表面温度の精密観測、反射望遠鏡に装着すると中間赤外線用望遠鏡を構築できることが分かった。

○リモートセンシングによる地表面温度の観測
/(国研)産業技術総合研究所/加藤 創史
衛星に搭載した熱赤外センサによる地表面温度の観測について、米国Terra衛星搭載のASTER TIRを例に、観測した放射輝度から地表面温度を得るための手法および、運用開始後にセンサ性能を評価する代替校正について紹介する。

■製品特集:光パワーメータ
○多くのニーズに対応できるLED向け光測定
/ユーピーアールテック社/Danny Wu
MK350シリーズは多様なLEDを、即時に測定ができる分光放射照度計である。ユーザーのニーズや要求に合わせて測定機能を選択・変更でオリジナルメニュー自在にソフトを利用しながら測定できるソリューションを提案する。

○レーザー計測器を裏で支える熱センサ技術
/LaserPoint srl/F.Ferretti・L.Argenti・D.Scorticati/(株)アストロン/大竹 祐吉
1,200Wまでの高出力を計測できるように開発された最先端の空冷レーザーパワー計測器と、この計測器を支えるたくさんの技術を紹介することで、読者の皆様にいくつかのヒントを与えることを期待するものである。

■解説
○輪帯照明・逆輪帯照明顕微イメージング法
/電気通信大学/小林 孝嘉・川角 洸史
これまで本誌で超解像顕微鏡について、何度かの解説記事を通して、我々が開発してきたポンプ・プローブ顕微鏡について記述してきた。このイメージング法は超解像をもち、現在良く使われているレーザー蛍光顕微イメージング法のもつ問題点を解決できることを示してきた。本稿ではポンプ-プローブ顕微法と構造照明法との組み合わせについて述べる。

○テラヘルツ波ケミカル顕微鏡を用いた電池電極反応分布計測
/岡山大学/紀和 利彦・堺 健司・塚田 啓二
我々のグループでは燃料電池、特に固体高分子型燃料電池に着目し、そのエネルギー変換効率の要となる電極反応をその場観察する方法について研究を進めてきた。本稿で詳細に紹介する。

○X線による孤立クラスターの電子状態計測
/(株)コンポン研究所/早川鉄一郎/九州大学/荒川 雅・寺嵜 亨
X線吸収分光は、元素選択性を特長とする分析手段として物質科学で広く使われている。しかしナノスケールの物質系への適用には困難があった。近年可能となった孤立クラスターの電子状態計測法について解説し、測定例を紹介する。

○集積フォトニクス技術を用いた光量子情報デバイス
/日本電信電話(株)/松田 信幸
石英やシリコン等の光導波路を用いて量子情報処理のための光回路をチップ上に集積化する研究について、最近の我々の取り組みを中心に紹介する。

○高Q値ナノ共振器シリコンラマンレーザ
/大阪府立大学/高橋 和
シリコンを用いた光デバイスの開発が活発化している。シリコンは、光らない半導体として知られ、レーザ光を発生させることが困難である。本稿では、ナノ共振器を用いた誘導ラマン散乱を用いた光励起型のレーザについて解説する。

■研究室紹介
○京都大学大学院 工学研究科 材料化学専攻 機能材料設計学講座
/京都大学/下間 靖彦

○龍谷大学 理工学部 物質化学科 宮武研究室
/龍谷大学/宮武 智弘

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