OA1604
■特集:先端光デバイスと加工技術
○光デバイス技術を応用した人工視覚
/奈良先端科学技術大学院大学/太田淳
失われた光覚の再建を目指す人工視覚デバイスについて解説を行う。まず基本的な原理を述べ、次に光デバイス技術を用いた人工視覚デバイスについて、主に体内撮像方式に力点を置いて現在の開発状況を説明する。最後に今後の展開について述べる。
○光渦の螺旋性が創るさまざまなナノ構造体
/千葉大学/尾松孝茂
本稿では、金属をはじめとするさまざまな物質に光渦を照射することで現れるマイクロメートルからナノメートルサイズの特異な構造体について紹介する。
○超短パルスレーザーによる加工技術
/立命館大学/渡遺歴
超短パルスレーザーにより透明材料や超硬材料などの微細加工が可能である。本稿では、超短パルスレーザーによる加工技術の原理と表面加工、切断、光学素子の作製、溶接・接合に関する研究動向について述べる。
○ナノ光構造技術による深紫外LEDの高出力化
/(国研)情報通信研究機構/井上振一郎
殺菌応用など幅広い産業分野において、低環境負荷で小型・長寿命な深紫外LEDの開発実現が強く望まれている。本稿では、深紫外LEDの開発動向や課題について述べた後、我々のナノ光構造技術を中核とした深紫外LEDの高出力化や実用化に向けた取り組みについて紹介する。
○非球面レンズや回折光学素子によるビーム整形と高出力レーザーへの適用
/住友電工ハードメタル(株)/亀田信治・布施敬司
非球面レンズや回折光学素子 (DOE)を用いた高出力レーザ用ビーム整形技術について紹介する。シングルモードレーザ光を様々な形状の強度分布をもつビームに変換し、走査光学系と組み合わせて高速加工を実現できる。
○MEMS技術による光電子増倍管マイクロPMT
/浜松ホ卜ニクス/(株)中谷崇典
本稿では、最新の光電子増倍管として、半導体製造技術であるMEMS技術を使用した世界最小・最軽量の光電子増倍管、マイクロPMTについて述べる。
○印刷形成した触覚・摩擦・温度分布計測可能な電子皮膚
/大阪府立大学/竹井邦晴
将来の低価格・大面積フレキシブルセンサネットワーク実現へ向け、その一つの応用として印刷形成によって実現する「触覚」「摩擦」「温度」分布を計測可能なフレキシブル電子皮膚デバイスについて述べる。
■特集:限界に挑む光センシング技術
○環境計測に適した高速・高精度なガス検出・同定法
/(国研)産業技術総合研究所/大久保章
環境ガスのリアルタイム分析を目指し、デュアルコム分光装置による高速・高精度のガス検出・同定法を開発した。本稿では、測定原理と開発した装置で測定した吸収スペクトルによるガス分析の結果を述べる。
○超電導ナノワイヤー光子検出器
/(株)日本レーザー/西本俊行
超電導ナノワイヤ・シングルフォトンディテクタ(SNSPD)は、NbTiN(窒化ニオブチタン)をリソグラフィー工程でナノワイヤー状に加工したディテクタである。超高感度の単一光子検出器の紹介である。
○火災検知・燃焼監視向け紫外線センサ(UVtron)
/浜松ホトニクス(株)/影山裕之
UVtronは、放電を利用した高感度で早い応答性の紫外線センサである。炎からの微弱な紫外線を検出できるため、炎検知器や火災警報器として利用されている。UVtronの動作原理、特性や用途について紹介する。
○光ファイバを使った電子レンジ内の温度測定
/(株)レーザー計測/櫻井将人
光ファイパ温度センサーは、直径1.7mm以下、EMI/RFI環境下で計測可能、腐食性環境にも強く、その高い信頼性と正確性は、熱電対や測温抵抗体等の従来センサーでは対応できなかった温度計測を可能にした。その使用実例を紹介する。
■解説
○オプテイカル・スプリッテイング構造による高効率多接合型太陽電池
/(株)カネカ/山本憲治・市川満
本稿では当社で開発をおこなったオプテイカル・スプリッテイング構造による多接合太陽電池の研究開発の成果について紹介する。
○末梢肺野小型病変に対する新たなアプローチ“Guided Bronchoscopy”
/亀田総合病院/大槻歩・桂田雅大・三沢昌史
Guided bronchoscopyにより末梢小型肺癌に対する気管支鏡診断精度は飛躍的に向上した。この手法の応用により末梢小型肺癌に対する光線力学的療法が可能かつ有効な症例が存在すると考えている。
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