■特集1:月刊自動認識20周年記念号
○月刊自動認識創刊20周年によせて/日本自動認識システム協会 会長/藤田東久夫
○自動認識技術に期待する/自動認識システム協会/柴田 彰
自動認識技術の代表的なものは1次元シンボル、2次元シンボル、REID、識別カード、バイオメトリクスなどがある。それらの自動認識技術は50年以上の歴史があるものもあり、さまざまである。自動認識技術は対象が不特定多数のため、その技術が普及するためには標準化が不可欠である。また自動認識技術はICTの進歩と切っても切れない関係にある。なぜなら、自動認識技術はICT技術により作成されたデータベースと紐付けする技術であるからである。したがって、ICT先進地域で最もよく利用されている。ICT技術が自動認識技術にもっとも大きな影響を与えたのは1981年にIBMがパーソナルコンピュータとして発売したIBM PCである。IBM PCにより多くの分散型データベースが作成され、そのデータベースと紐付けする自動認識技術が進歩し、自動認識市場が飛躍的に拡大した。また、1995年にマイクロソフト社が「インタネットエクスプローラ」を開発し、インターネットによる通信ネッワークの広がりにより、新たな自動認識技術の利用が始まった。また近年の携帯電話の進歩によりユビキタスネット社会が実現のものとなりつつあるが、このユビキタスネット社会では自動認識技術と携帯電話との融合がもっとも重要な技術である。携帯電話により、B to Cのビジネスモデルに自動認識技術が活用され、更なる自動認識市場の拡大が期待できる。
○自動認識技術に期待する/メタリンク・日本開発工学会/中上 崇
パートナー連携の重要性とオープン・イノベーションの時代である。国際自動認識工業会の設立後、22年を経て、環境激変の中、自動認識技術を利活用するサービス・イノベーションによる市場創生に夢が膨らんでいる。この潮流をビジネス創造に活かして欲しい。
○自動認識技術のロジスティクスへの応用(過去〜未来へ)/日本ロジスティクス研究所/市川隆一・山口重信
最適なサプライチェーン構築のためには既存システムとの融和を考慮した自動認識技術の一層の発展はもとより、自己利益最優先から全体利益を捉えたチャネルのリーダーシップを担う企業の倫理感・品格等、企業経営におけるCSRの課題としての取組が必要である。
○RFIDに寄せる今後の期待/日本包装技術協会/佐々木春夫
リニアバーコードシステムにより商品の流通における成行・行程管理および、物流における所在管理に係わる業務が大幅に効率化され、信頼性も向上した。二次元シンボルの登場により包装貨物側で保有できるデータ量が増え、一層の効率化が図られることになった。今後RFIDについて期待することをまとめた。
○わが国のRFID揺籃期の軌跡/畜産技術協会/中村雄有
RFIDの1998年迄を回顧する。家畜管理から始まり、FA、物流、セキュリティ分野に適用され、1998年はデータキャリア元年と言われた。1991年頃から社会システム適用に関心が持たれ、1998年の「ワイヤレスカードシステム」の制定により市場が飛躍的に拡大した。
○ユーザーの視点から見た流通バーコード標準化研究の歴史/流通システム開発センター/斎藤静一
JANシンボルが制定されて30年。今日、流通情報システムを利用していく上では最も普及したインフラである。バーコードの標準化の経緯をユーザーの視点からまとめたもの。最も新しいバーコードであるGSIデータバーまでの検討内容を解説したもの。
○これまでの業界動向と未来に向けて/オプトエレクトロニクス/俵 政美
私はバーコードの初期からかかわってきた。特に米国における経験は、私にとって貴重な財産となった。米国は常に世界のバーコードをリードし積極的にビジネスを展開している。日本のバーコード業界は大きな転換期を迎えており今後どのような方針を取ったら良いのか判りづらくなってきている。米国の動向に目を向けて考えてみたい。
○バーコードの課題と将来展望/アイニックス/平本純也
20年前(発刊当時)を思い出すと、物流標準バーコードITFがJIS化され、日本電子機械協業界EIAJがEDIにCode39を採用し、小売業界から物流業界にと、バーコードの発展期であった。その後の動向、今後の展望を記述する。
○バイオメトリック技術と市場の将来展望/産業技術大学院大学/瀬戸洋一
2001年9月11日の米国同時多発テロ事件を境にバイオメトリクスの評価が変化した。バイオメトリック製品は画像認識などの自動認識技術をベースとしている。2005年以後民間利用製品の開発が活発となっている。ディジタル社会の安全安心を高める重要な技術となった。
■特集2:新しいコードの提案
カラービットコードを使ったアプリケーション展望/ビーコア/木村昭輝
従来のバーコードやRFIDなどでは実用が難しい分野が多く存在します。カラービットコードを利用し、これらの分野に自動認識を導入した最新のアプリケーション例をご紹介します。併せて、各事例からカラービットコードの発展性についても説明いたします。
○紙の書類における自動読取システムの構築/アポロジャパン/顧 澤蒼
紙の書類に大量情報の埋め込みが可能になり、印刷物の違和感を生じない特徴を持つスクリーンコードを用いて複合機向け自動読取システムを構築することができる。情報と紙の書類が一体化となり、複数入力は不要、OAシステムにとって革命的な進歩が可能となる。
■話題の追跡
○携帯キャッシュカードサービスのご紹介/大日本印刷/柿沼達也
本システムは、おサイフケータイをATMにかざすことで現金の入出金や振込み等ができる携帯電話向けアプリケーション、および口座情報のデータをおサイフケータイへ配信するシステム。その特長やサービスでの当社の役割を紹介する。
■プロダクトA
○バーコードラベル作成ソフトウェアの紹介/アイニックス/高山義雄
○ログと映像が連携する新しいオフィスセキュリティ/タイテック/武士俣潤
○RFID技術を使用した持出・持込管理システムのご紹介/NECソフト/須藤亜衣
○バーコードプリンタの利用シーンと製品紹介/シチズン・システムズ/北原清志・森田清司・樋口 悟
○航空業界のフィールドイノベーション/富士通/久野保之
■連載
○2010年へ向けた新・電子自治体の挑戦 第1回/妙典企画 代表/波形昭彦
○システム開発成功への道 〜システム開発を発注する立場から〜 第4回/ユニバーサルコンピューター/水島章広
○カナダ産業界のITの高度活用を探る 第7回/中小企業診断士・ITコーディネーター/今井豊治
○バイオメトリクス技術利用のアクセシビリテイーの探求 第9回/自動認識システム協会 バイオメトリクス部会