■特集:あらためて・ひかり
○ひかりの変遷/松下美紀照明設計事務所/松下美紀
日本人の感じる光の美意識は情緒的である。「ひかりの変遷-これまでとこれから-」をひも解いていくために、私達日本人のDNAに深く刻み込まれた「光の感性哲学」から考え、未来の光を創り出す照明デザイナーのこれからの役割について紹介する。
○挑戦する光/岩井達弥光景デザイン/岩井達弥
照明に関わる技術は日々進歩しているとともに、他分野の技術の応用が新しい照明を可能にしている。技術は的確な応用と出会って進歩を生み出すから、照明の発展のために私たちは、常に様々な最新技術を知り、新たな展開への創造力を働かせなくてはならない。
○照明学会・技術指針JIEG-009「住宅照明設計技術指針」/金沢工科大学/金谷末子
質の高い住まいのあかりをより少ない消費電力で実現することが求められている。(社)照明学会が出版した「住宅照明設計技術指針」は、生活行為に適した照明要件を定めた技術指針編と照明設計の手順、省エネルギー対策などをまとめた設計編の2部構成となっている。
○LED照明の普及状況と住宅照明/松下電工/谷村一郎
従来の白熱灯や蛍光灯に替わる光源として急成長をしているLEDは、最近では住宅内の照明器具としても活用されるようになってきております。ここでは最近のLED技術とその技術を住宅分野で応用した照明器具を紹介すると共に、照明光源としてのLEDの今後について述べます。
○LEDの基礎知識/シャープ/加藤正明
原始の時代から光は、常に熱と一体のものでした。ソリッドステート光源であるLEDは、この概念を変える光を人類に提供し始めました。今後も更に進化するこの新しい光の序曲を本書にて紹介します。
○光で防犯/大光電機/安岡悦章
には光・音・時間・目という4つの原則があるといわれている。本稿では、その中の第一段階である光による防犯について紹介する。
○“春日丘の家”における照明の計画とその意図/大光電機TACTデザイン課/梅木 司
『設計者とのコミュニケーションが無駄を省きデザインされた空間を作ります』エム・アイ・エー・アーキテクツの手がけた春日丘の家を事例に照明業界の話や照明に対する一般的な意識の変化を織り込みながら住宅での照明計画のポイントをまとめています。
○快適な照明空間創りのための新しい照明設計法の提案/松下電工/岩井 彌
「光」にこだわった建築空間が増えてきている。しかしこれまではそのようなこだわりの照明に応える照明設計方法はなかった。本稿では「空間の明るさ感」を数字で定量的に表現することに成功した空間明るさ感指標「Feu(フー)」とそれに基づく新しい照明設計法について紹介する。
○心に訴える住まいの明かり/ヤマギワ/遠藤充彦・田附冬樹
光源・制御技術が日進月歩している現代において、それら要素技術を使って住空間の視覚心理・生理研究による指摘を応用してユーザーの「個」に対する照明のカスタマイズが近未来の住環境に快適性を作り出す。
○あかりで空間コーディネート/灯りのくつろぎや/谷優璃香
部屋の印象はあかり次第。といっても器具のデザインではなく、あかりでつくる陰影がポイントです。専門的な知識がなくても、ちょっとしたアイデアであかりコーディネートは自由自在。ここでは身近な素材を使った簡単間接照明テクニックを多数紹介しています。
○光が作る住宅の風景/カスヤアーキテクツオフィス/粕谷淳司+粕谷奈緒子
陰によって初めて光が命を吹き込まれるように、光について語るということは、文脈や関係性を語ることでもあります。ここではいくつかの住宅をもとに、室内を満たす光と陰、夜の街路をつくりだす光を、私たちがどのような文脈で考えたかについて紹介します。
■連載
○住宅の経済と文化62 日本人の風景観と文化/加納義種
「日本人の風景観と文化」日本の自然は小さい。平野は少なく、大きな川もない。小さな自然に手を加え、峡間に田畑をつくり、家を建てる。それがみごとに調和して、日本的自然風景を作っている。そんな自然との関わりあいこそ。日本の文化や技術の源なのではないか。
○死ぬために、如何に生きるか老いの徒然14 老いの徒然/川上正夫
雪ダルマを通じて、自然が創り出す造形美に感嘆し、華麗な優美さに感銘させられた反面では、脆くも崩れ、醜さや儚さを脅威や恐怖に変えてしまう現実を認めざるを得ないものなのだ。時に、自然の摂理・理(ことわり)からは、切なく無常観を諭されるものなのだ。
■トピックス
○ランニングコストを削減する家庭用床暖房システム/中部電力/志村欣一
床暖房は快適な暖房方式として人気が高いものの、リビングを中心に長時間使用されるため、ランニングコストの削減が求められていた。そこで、業界最高レベルのエネルギー効率で、寒冷地にも対応した家庭用ヒートポンプ式温水床暖房システムを開発した。
○不定期連載3 ベトナムの都市住宅/昭和女子大学国際文化研究所/内海佐和子
90年代後半、ペンシル住宅に対する反省や人口急増も原因となり、ハノイでは集合住宅が再び脚光を浴びた。この頃の集合住宅は高層化、高級化し、町家での住環境と差が出てきた。また、70年代までに建設された集合住宅では建替えが始まり、都心にも近く人気がある。
■Product Navi
○東芝機器エコキュート寒冷地向け 新発売/東芝機器
○ルームエアコン『うるるとさらら(Rシリーズ)』発売/ダイキン工業
○サンノミーネオヒーターシステム/恵比寿加工
■連載
○子育て真っ最中!団塊jr.の住まい考20 ヒトの巣づくり/藤原千秋
「ヒトの巣づくり」虫、鳥、動物を問わず「巣」というものに惹かれてやまない筆者。5歳の長女もまた、幼稚園で日々、「おうちごっこ」なる「巣」づくり遊びに興じていると聞き、可笑しく思う。思い返せば自分の5歳時に遊んでいた遊びも...…。親子に受け継がれる「巣」づくり行動に住まいの本質を思う。
○行きたい!触れたい!感じたい! ベトナムの人と暮らし
第48回 ハノイの町家の住まい方2/昭和女子大学国際文化研究所/内海佐和子
居住面積拡大のために狭くなった。それに伴いなくなった物干し場を確保するため、伝統的な切妻から陸屋根に改造した町家もあった。このように、中庭の喪失は景観にも影響を与える。よって、生活要求を叶えた平面も考慮しなければ景観保全はうまくいかない。
■Abstracts