流量計の不確かさの計算方法 詳細

流量計の不確かさの計算方法

 本書は、流量計測、流量の考え方、トレーサビリティ制度などについて説明した第一章、校正装置と流量計の不確かさ計算方法を具体的に記述した第二章、そしてJCSS校正事業者になるときに提出する申請書の書き方を述べた第三章から構成されている。第一章は著者の前著と重複している部分が多々あるが、できるだけ違う側面からの説明を試みたので前著と合わせて読んで頂ければかなりの疑問を解決できるのではないかと思っている。
 第二章では、校正装置と現在使用されているほとんどの流量計を取り上げその不確かさの計算方法を具体的に説明した。また、不確かさ解析では数学技法として偏分法の知識が必要になるがここでは数式に偏分法を適用する手順も数学の概念ではなくて手段として示し、この本だけで不確かさの計算が可能になるように心がけた。これまで、不確かさの計算方法に関しては多くの解説や本が出版されているが、流量計測に特化した形のものは今までなかった。その理由の一つは、流量計測の不確かさ計算がいろいろな意味で特殊であり、その特殊性を考慮するには流量計測を熟知していることが必要だからと思われる。2007年度に改訂版が出版される気体用流量計に関するJISでは不確かさの計算を強く要求している。そのJISを使用するときに本書を副読本的に利用してもらえればと思っている。
 JCSS校正事業者になる場合にはJISQ17025にしたがって作成した書類を(独)製品評価技術基盤機構認定センターに提出しなければならないが、これまで一般的な書き方の説明書はあっても流量計測分野に特化した形のものはなかった。第三章では、流量計測分野特有の注意事項を挙げながら書類の作成方法をできるだけ具体的に説明し、始めて作成される人にとって作成の手がかりになるように心がけた。とはいえ、ここで説明した例はあくまでも一つの考え方であってこれを元にしてよりよりものを作成して頂ければと思う。
 本書が、流量計測とその不確かさの計算方法に対する理解に役立ち、さらにはJCSS校正事業者を目指す人にとって一助になれば幸いである。

著者:中尾晨一
発刊日:平成19年3月5日
A5判 348頁 定価:2,940円(本体2,800円)

■流量計の不確かさの計算方法 目次

第1章 流量計測・トレーサビリティそして不確かさ

1.1 流量計測の問題点とは何か
1.2 校正とは?
1.3 器差試験と校正
1.4 トレーサビリティと不確かさ
1.5 不確かさという概念
1.6 不確かさの定義
1.7 不確かさ要因の計算方法
1.7.1 標準流量計が指示する流量値Qsの不確かさ
1.7.2 被校正流量計の出力値の不確かさ
1.7.3 被校正流量計の不確かさの計算方法
1.8  密度の計算の不確かさ
1.9  圧力温度の測定値の不確かさの計算
1.10 偏差(器差)の計算

第2章 校正装置と流量計と不確かさの計算

2.1 気体用校正装置
2.1.1水銀シールピストンプルーバと石けん膜式流量計
2.1.2 衡量法
2.1.3 PVTt法
2.2 液体用校正装置
2.2.1衡量法
2.2.2ピストンプルーバ
2.3 デッドボリューム
2.4  いろいろな流量計とその不確かさの計算方法
2.4.1 面積式流量計
2.4.2 熱式質量流量計(マスフローメータ、マスフローコントローラ)
2.4.3 層流式流量計
2.4.4 コリオリ式流量計
2.4.5 容積式流量計
2.4.6 流速測定から流量を求める方法
2.4.6.1 ピトー管とベルヌーイの定理
2.4.6.2 複合ピトー管による流量測定
2.4.6.3 レーザ流速計の応用
2.4.7 差圧式流量計(絞り流量計)
2.4.8 超音波式流量計
2.4.9 電磁流量計
2.4.10 臨界ノズル
2.4.11 渦式流量計
2.4.12 タービン流量計
2.5 バジェット表
2.6 流量計算式からの不確かさの計算方法

第3章 JCSS校正事業者への道

3.1 流量校正サービスの現状
3.2 校正事業者の役割とJCSS(Japan Calibration Service System)
3.3 認定を受けるための手続き
3.4 管理上の要求事項の書き方
3.5 技術的要求事項の書き方

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